家族という単位の家制度が消滅し、人類の繁栄のみを目的とする。『消滅世界』
人々よ。
衝撃的過ぎる。狂気の沙汰だ。
「楽園」と称する実験都市。そこでは、夫婦間の性交渉は近親相姦として禁忌とされる。
科学医療技術の進歩に伴い、男性も子供を産めるようになる。
家族という単位の家制度が消滅し、人類の繁栄のみを目的とする。
人口の増減もコントールでき、男も女も人工子宮により人工授精で子供を産む。
生まれた子供には名前も戸籍もなく、キャベツ畑のように工場に並べられ出荷されてゆく。
右も左も男も女も大人は皆「おかあさん」で、子供は皆「子供ちゃん」。
そこに「父親」という概念はない。あくまでも精子バンクへの精子提供者というだけだ。
性欲という人類の根源が排除されると、こんなにも没個性的な世界になるのか。
ラストがあまりにも...おぞましいと表現して良いのだろうか。
アダムとイヴ。神々しくはない...と思いたい。
しかし、あまりにも狂気な物語ではあるが、現実、かなり近づいているから尚更恐ろしい。