Ayumi@office kiiwii

会社員の傍ら、画家の妹の絵を売りたいという気持ちから、SNS発信やアート販売の活動を始めました。noteでは画家Naomi Utoの作品紹介や、私のアート体験を綴っていきます。

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会社員の傍ら、画家の妹の絵を売りたいという気持ちから、SNS発信やアート販売の活動を始めました。noteでは画家Naomi Utoの作品紹介や、私のアート体験を綴っていきます。

最近の記事

福岡アジア美術館に行ってきた

先日の福岡市美術館の帰り、アジア美術館にも行ってきた。(福岡は西鉄バスで美術館のはしごも余裕。最高。) 今回もコレクション展のみ鑑賞。 駱駝ラクダはキリスト教、イスラーム、双方において重要な意味をもつ動物。作品のラクダは毛を刈られ、そこには新約聖書の一節が刻まれている。一方で、ムスリムの祈りに似たポーズをとり、イスラームの聖地・メッカの方角を向いている。 この一頭のラクダには、異なる宗教の対立、経済的覇権を巡る争いへの批判が込められている。 鼻に通された針は家畜のラクダに刺

    • 福岡市美術館に行ってきた

      福岡市美術館のコレクション展・企画展を鑑賞。乱文になるだろうが、忘れないうちに。 吉田博「霧の農家」この絵の前で、しばらく立ち止まる。 湿った肌、ひんやりとした温度、森の匂い、虫や鳥の声、草露に濡れた足元。「知らない場所なのに知っている」感。デジャヴ。 一枚の絵に五感すべてが反応し、懐かしい気持ちになる。 作品に触れたときの「身体性」というのだろうか。この感覚は鑑賞者として大切にすべきなのではないかと気づいた体験だった。 大浦こころ「のびひろがっていく身体14」一滴垂

      • The Face(顔)について

        M.A.D.S. Art Galleryのアートキュレーター・Camilla Gilardi氏が、Naomi Utoの作品に素敵な文章を寄せてくださいましたので、ご紹介します。 "心から作れば、ほとんどすべてがうまくいき、頭から作れば、ほとんど何もできない" (マルク・シャガール) 彼女の手は、感覚のリズム、心が示す感情、心の中で追い求める反射に従って動きます。Naomi Utoは、幻想の旅を通して浮かび上がる物語を色彩で描く現代日本画家です。決して立ち止まることなく、常

        • 道化のかなしみ

          未完成の絵について書いたら、妹は怒るだろうか。今度の新作のこちらの絵、まだ描き途中だそうなんだが、とてもひきつけられている。 中央あたりに映っているのは、道化師だと思う。この絵に惹かれたのは、私の人生の折々で「ピエロ」に繰り返し出会っているからだと思う。けっして好きじゃない。いやなんだけど、でもにくめない奴。 そもそも道化を見ると、なぜこんなにも悲しいきもちになるのだろう。初めて『人間失格』を読んだときも、そのような気持ちになった。おそらくそれよりもはるか以前から、私はこ

          アトリエツアー vol.8

          アトリエにいると、未完成だったり偶然の産物と思われるもの(わたしが偶然だと思っているだけで、実は計算されているのかな、、?)によく出会います。どうもそういったものには、心惹かれてしまいます。 天井の白い部分にだけライトがついているのは偶然なのかな。塗りかけじゃなくて、もしかして完成なのかな。なんにせよ、私にはある種「完璧なもの」に見えたのです。 どこかで見たことがある、なつかしいたんす。部屋の片隅にひっそりと、異彩を放っていました。 妹がもらい受けてきたらしい、アンティ

          アトリエツアー vol.8

          アートホテルに泊まってみた

          日本橋のホテル「BnA_WALL」に泊まってみた。部屋全体が一つの作品という、面白いコンセプトのホテルだ。「部屋自体が作品」というのは、どういう居心地なんだろう。自らが作品の中に入って、内側から作品を眺める。こんなことを体験できる日がくるなんて。 その日は時間に追われてこそいないものの、いくつか仕事をしなければならなくて、「非日常」の中に私の日常を少し持って入るのは、今回の体験にちょうどよかった。 なにかやることがあると、その空間はただの宙になる。目の前の対象に集中し、そ

          アートホテルに泊まってみた

          ゲルハルト・リヒター展~新たな感性との出会い

          10月初旬、終了間際のゲルハルト・リヒター展(東京国立近代美術館)に行ってきた。感じることのあまりに多い展示だった。私なりの言葉で、その記憶を留め置きたい。いまだ興奮のさなかにいる。 【新たな出会い】 壁一面を独占するその巨大な作品は、《ストリップ》という。そばに寄った瞬間、錯乱し、気がくるいそうになる。見つめていると飲み込まれそうだ。こわい。立ち去ろうとするが、しかし動けない。一度立ち去っても、また戻ってきてしまう。行ってはまた戻るを、三度繰り返した。 絵は目で見て愛で

          ゲルハルト・リヒター展~新たな感性との出会い

          アトリエツアー vol.7

          今日は、アトリエにあるさまざまな「資料」についてご紹介します。 部屋を見渡して、とくべつかがやいてみえたものを切りとってきました。 ピンクの壁、グリーンのノート、秋色の布地の色合いに心ひかれます。 使い古しの消しゴムと美術書が、素敵な異様さを醸し出しています。 ちなみに美術書はこちらです。 無造作の中にも、秩序だったものを発見できたような。 資料の左側、目を引くのは、『パエトンの墜落』(ピーテル・パウル・ルーベンス作)です。ここに描かれているのは、ギリシア神話の太陽

          アトリエツアー vol.7

          アトリエツアー vol.6

          今日は、アトリエにあるさまざまな「くらしの道具」を紹介します。 色、フォルムや質感などに個性がありつつも、それぞれの部屋のテイストにマッチした道具の数々。個人的には、色形が統一されたまとまりよりも、その時々の想いが込められたものが寄せ集められて「偏愛」の徹底された、独特なまとまりのほうを好むので、この部屋が好きです。(世界で一番好きなピアニスト、フジコ・ヘミングの部屋を見たときも、同じような感慨がありました。)

          アトリエツアー vol.6

          アトリエツアー vol.5

          ずいぶん肌寒くなってきましたね。 10月ということで、今回のアトリエツアーはハロウィン編です。 妹は季節やイベントごとに内装を変えたり、飾りつけをして、よくパーティーを開いてくれます。身近にあるものを使って非現実的な空間を作り上げていくことを、とても楽しんでいるようです。 季節の移ろいを感じながら過ごすことは、私個人としては、大人になるにつれてだいぶ少なくなってきたように思います。アトリエに来るたび、「今、この瞬間」への全力集中ができるような気がして、とてもマインドフルに

          アトリエツアー vol.5

          アトリエツアー vol.4

          前回に引き続き、以前のアトリエ風景です。 パーツのそれぞれは残っていても、配置や組み合わせが変わっただけで、まったく違うものに見えるから不思議です。 スケールのちがう話になってしまいますが、地球が生まれる確率って、バラバラにした時計の部品を学校などにある50mプールに入れ、プールの水をかき回し、水の流れだけで時計が組み上がる確率と同じなんだそうです。 数字は小さくなるでしょうが、部屋も同じなのでしょうね。もちろん、私たちの生活も。きっと芸術も。 そっくりそのまま同じものに

          アトリエツアー vol.4

          アトリエツアー vol.3

          先日、私が感じるこのアトリエの魅力について、「刹那的な美しさ」という言葉で表現しました。今回ご紹介するアトリエの風景も、今はもう見ることができない、少し前のアトリエの様子。グリーンの壁が、いまも恋しいです。 この部屋に合う、気に入った絵がないから自分で描いた、と彼女は言っていたような気がします。 フェイクの真っ黒な枝が刺さった、エスニック模様の鉢。 どこからもらってきたのか。集中して描くための部屋に、大事な資料のように飾ってありました。 今もそうですが、部屋ごとに、テ

          アトリエツアー vol.3

          アトリエツアー vol.2

          先日からアトリエの紹介をしています。前回の記事では、このアトリエのstoryや私の想いを書かせていただきました。 本日も、私の心惹かれるアトリエの細部について、紹介していきたいと思います。 楽しんでいらしてください。 石膏像がプリントされた布が貼られ、ピンク×グリーンの色合いが鮮やかです。Naomiの手作り。 立てかけてある大きなキャンバスの裏に、こんな光景が。絵の具の試しぬりなのか、はたまた抽象画なのか。気になって、気になって。 お手洗いのドアに、黒い三日月。いつも

          アトリエツアー vol.2

          アトリエツアー vol.1

          私たちのアトリエ紹介を、本日からはじめました。Instagramでも写真を公開していますが、ここではもう少し、その細部をお伝えしたいと思います。 【story】 実はこのアトリエが入っている建物には、職人や芸術家がたくさん住んでいます。ここは元々古い団地だったところで、DIYフリーの物件です。柱さえ壊さなきゃOK、という寛容さです。広さも3LDKあり、創作活動をするのにも十分なスペースがあります。その使い勝手のよさが、人気の秘密なのだと思います。 Naomi Utoの数々

          アトリエツアー vol.1