2024年10月21日(月) 晴れだいたい晴れ
たしか、結婚した年の夏が、記録的な冷夏だったはずだ。結婚した頃、私とカミさんはつつましく暮らし始めた。田舎のことなんで、嫁入り道具的なタンスは持ってきたんだが、他はまったくない。二人が暮らし始めたのは、会社から歩いて4分ほどの、1階がコンビニの、いわゆる2Kとゆうタイプの部屋だった。キッチンとは名ばかりのスペースに、6畳の部屋が2つ。私が独身時代に住んでいたアパートから、徒歩3分ほどのとこにあったため、引っ越しの際は、会社の友人に手伝ってもらって、徒歩で本棚を運んだもんだ。
(当時、私の持ち物の中でもっとも大きなものが、本と本棚だった)
新婚のわが家は、とてもとてもやっすいアパートだったわけで。キットンと風呂トイレは同じフロアである。つまりなんの仕切りもない。2Kだから当たり前なのでが。キッチンの一部に突っ張り棒を張って、カーテンを吊るし、キッチンと風呂トイレの仕切りとしてたな。
そんな安アパートで、私の新婚生活が始まったわけだが、その頃の私は、仕事が最優先の男だった。帰宅は毎日21時過ぎ、出張も多い。カミさんは、さっさと前職だった看護師の職についた。新婚半年なのに、カミさんとは週の半分も一緒にいなかったな。(子どもは二人できたけどな)
新婚の年、ほんと、記録的な冷夏だった。私は6月に結婚したのだが、その年の夏、晴れてた記憶がない。どんよりと曇ってた記憶。新婚なのに、カミさんとプールに行った記憶もない。(そんなことをする男ではないのだが)
結局その年は、「コメができない」という年だったわけで。市中にコメがなかった。私もカミさんも山形出身なのだが、お互いの実家は自営業系の家で、親戚一同見回しても、農家がいなかった。実家の援助も期待できず、私らの新婚1年目は、コメがなくて食うに困る年だった。
その頃私は、新規プロジェクトで全国の取引先を回っており、新入社員の頃に世話になっていたグンマーの取引先に、単独で訪れるようになってた。通常の担当者の他に、新商品担当としての私も言ってるという形だった。グンマーの取引先は、実はイタリアからパスタを直輸入する(商社と直取引する)ような会社だった。グンマーには、県内では知らぬ者のないパスタをメインとした外食チェーンがあるが、当時そのメイン食材を入れていたのがその会社だったのだ。
その会社に頻繁に出入りしていた頃から、イタリア直輸入のパスタを卸価格で購入させてもらっていたが、今回ばかりはその頻度がぐんと上がった。あの冷夏の年を思い出すと、新婚の年、毎日のようにカミさんとパスタをすすっていたのを思い出すのだ。