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【Excel】Copilot in Excel スタートガイド|基本設定から正しいデータの持ち方までをわかりやすく解説★
こんにちは、HARUです!
昨今、マイクロソフト社の生成AIアシスタントが搭載された「Copilot for Microsoft365」の導入が、国内外の企業や自治体で着々と進んでいます。
この背景には、業務効率化や生産性向上を目指す現代のビジネス環境において、AI技術が大きな役割を果たすようになってきたことに加え、ほぼすべての企業に導入されている Microsoft Officeソフト との親和性が最も高い生成AIツールであること、またその高いセキュリティ性などが挙げられます。
中でも、データの分析作業を高速化したり、膨大なデータセットを処理したりしてくれる「Copilot in Excel」は日々進化を続け、個人のリスキリングや企業の組織変革を後押ししています。
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しかし、Copilot for Microsoft365 が導入された企業にお勤めの方の中には、Excel の操作画面に Copilot アイコンが表示されているのを見つけはしたものの、今一つ業務で活用しきれていないという方がほとんどなのではないでしょうか。
そこでこの記事では、Copilot in Excel を活用して、皆さんのExcel仕事をさらに効率化するために必要な、基本設定や正しいデータの持ち方についてご紹介します。
いきなり Copilot in Excel を触り始める前に、どんなことを意識しておくべきなのかを、わかりやすく解説していきます。
生成AIの力を借りて生産性の向上を図り、よりクリエイティブな時間を確保するための第一歩を、一緒に踏み出していきましょう!
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Copilot in Excel を使い始める前に
「自動保存」の有効化
「Copilot for Microsoft365」が使える環境でExcelを起動すると、「ホーム」タブの右端に「Copilot」アイコンが現れます。
こちらのマウスカーソルをあわせると、以下のようなヒントが表示されます。
Copilotは、OneDrive または SharePoint に保存されているファイルでのみ機能します。
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これは、データの整合性と安全性を同時に担保するためです。
■データの整合性
OneDrive と SharePoint は、いずれもマイクロソフトが展開する純正のクラウドストレージアプリケーションですが、「自動保存」機能が有効になっていることで、ブック内のすべての変更がリアルタイムで保存されます。
これにより、Copilotが最新のデータを常に参照でき、正確な分析や提案を行うことができます。
また、自動保存が有効な環境では、複数のユーザーが同時に同じブックで作業することが可能です。これにより、チームメンバー間でのデータの一貫性が保たれ、Copilotが提供する提案や分析が全員にとって有用なものとなります。
■データの安全性
自動保存機能により、予期せぬシステムクラッシュや電源障害が発生した場合でも、データの損失を防ぐことができます。これにより、Copilotが常に最新かつ完全なデータを基に作業を続けることができます。
また、自動保存が有効な環境では、ブックのバージョン履歴が自動的に保存されます。これにより、過去のバージョンに簡単に戻ることができ、誤った変更が行われた場合でも迅速に修正が可能になるのです。
自動保存機能が有効になっていない状態でCopilot アイコンをクリックすると、下図のようなメッセージが表示されます。
「自動保存を有効にする」を実行し、保存先のドライブを設定しておきましょう。
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設定が完了すると、Excel の操作画面 にチャット欄が現れ、Copilot in Excel が有効になります。
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範囲のテーブル化
Copilot for Microsoft365 がリリースされた当初、Excel に搭載されている Copilot は、「テーブル化」された範囲のデータしか解析できないと言われていました。
しかし、本記事執筆時点の最新状況をブラウザ版Copilotに聞いてみると、以下のような返答が返ってきます。
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テーブル化は必須ではなく、標準の範囲のデータも扱うことができるというのです。
これが真実なのか、実際に試してみましょう。
下図は、テーブルが適用されていない標準の範囲に、データが入力されているシートです。
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①Copilot in Excel に、以下のプロンプトを入力します。
A~C列のデータを3桁ごとにカンマで区切り、C列のデータの先頭に¥記号をつけてください。
すると、以下のような返答が返ってきます。
ユーザーの指示に基づき、これから Copilot が実行しようとしてくれている処理ステップを表示してくれているのです。
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②内容を確認したら、「✓適用」ボタンを押します。
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処理が始まり、すべてのステップが完了すると、ユーザーの指示内容が対象の範囲に適用されます。
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表の数値データに、通貨(カンマ区切り・円記号)の表示形式が正しく反映されました。
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このように、現在の Copilot in Excel は、テーブル化されていない範囲のデータも扱えることがわかります。
ただし、Copilot が Excel のデータを正確に解析し、細かい分析処理を行うためには、データの構造を正しく把握する必要があります。
テーブル化されていないデータは、Copilot にとってはただの数値や文字の羅列にすぎません。
一方、テーブル化されたデータは、各列に見出しが付き、行と列が明確に区別されているため、Copilot はデータの構造を容易に読み取り、それぞれのデータが何を意味するのかを正確に解釈できるのです。
実務で Copilot in Excel を使いこなすために、範囲をテーブル化することを忘れずに行いましょう。
■テーブルの設定方法
範囲のテーブル化は、かんたんなステップで実行できます。ここからは、具体的なテーブルの設定方法を解説します。
①テーブル化したい範囲に含まれる、いずれかのセルをアクティブにします。(どのセルでも構いません)
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②「挿入」タブ→「テーブル」グループの順にアクセスし、「テーブル」のアイコンをクリックします。
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「テーブルの作成」が表示されます。このダイアログボックスは、対象のセルがアクティブな状態で、キーボードの [Ctrl]+[T]を同時に押すことでも呼び出せます。
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③テーブル化したい範囲が過不足なく選択されていることと、「先頭行をテーブルの見出しとして使用する」にチェックが入っていることを確認し、「OK」ボタンを押します。
一連の操作により、対象の範囲がテーブル化されます。
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「データベース」の概念を理解する
そもそも Excel に集約するデータは、情報の検索や加工が簡単に行える形式で蓄積しておくことが理想です。
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ある特定の条件に当てはまる複数のデータを集約して、検索や加工といった管理がしやすいように整理されたデータの集合体を、「データベース(Database)」と呼びます。
少し難しそうな印象を受けますが、情報の検索や編集が容易にできる形であれば、住所録や●●ランキングのような表も立派なデータベースです。
Excel は行と列により実現する特有のマトリックス構造から、縦横の軸で情報を並べることができ、データベースの概念にマッチしています。
さらに、拠点別の販売実績や顧客の属性情報といったデータが正しく整理されていると、それらが持っている値を計算したり抽出したりするシーンでも大いに役立ちます。
前述で解説した、Copilot in Excel を活用するための「テーブル」化についても、このデータベースの概念が密接に関係しています。
そこでここからは、Excel でデータベースを構築するための要件について解説します。
Excel におけるデータベースの7要件
Excel に集約した情報をデータベースとして活用するためには、以下7つの点に気を付けます。
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①空白行/空白列に囲まれて独立している
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データベースの対象とする範囲は該当のワークシートに独立して存在していることが理想です。無関係のデータが対象範囲に接触していると、テーブルを設定するときに対象領域として含まれてしまうからです。
もしデータセットの近傍に日付やメモデータを残す必要がある場合は、隣接させずに離れた箇所に入力しましょう。
②見出しに重複がない
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検索関数などで特定のデータを抽出する際に、見出しをキーにして探すことがあります。このとき、同じ見出しが複数存在すると、求めている情報を正しく取り出せない可能性が生じるのです。
たとえば見出しが同じ「氏名」であっても、"氏名①"/"氏名②"/"氏名③"や"氏名"/"カナ氏名"/"英字氏名"などと、それぞれがユニークな文字列になるように設定しましょう。
③1行に1件の情報
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たとえば上図のサンプルの場合、A株式会社の一部の情報が離れた箇所に入力されていたり、B株式会社の行にC株式会社の情報が混在したりしていると、前項②と同じく正しい情報を取り出せなくなります。
②で設定した見出しに該当するデータを各列ごとに正しく入力し、1件の情報を1行にまとめるようにしましょう。
④1つのセルに1つのデータ
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見出しに合致しない情報が混ざっていると、他のデータとの統一性が担保されなくなります。結果、同じ条件でデータを取り出せない、値を正しく演算または参照できない、といった問題が発生します。
1つのセルには1つのデータのみを入力し、補足情報が必要な場合は、備考欄などを別の列に用意しましょう。
⑤結合セルを含まない
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セルが結合されていると、数式によるデータの参照やフィルターによる絞り込みの他、範囲選択やコピー&ペーストといった基本操作も正しく機能しなくなります。
データベース化する範囲には、結合されたセルを含まないようにしましょう。
⑥改行を含まない
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値や文字列をセルの中で改行すると、目には見えない「改行コード」がデータに加わります。この余計なデータは、検索や参照、文字列操作による整形作業に支障を来すため、セルに入力したデータは改行しないようにしましょう。
⑦空白行/空白列を含まない
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特定の範囲をまとめて選択したり、テーブル化したりするとき、途中に空白列や空白行が存在していると、選択対象の領域がその手前までと認識されて正しく操作できなくなります。
様々な操作を効率的に行うために、範囲内のデータは途切れることなく連続的に入力されていることが理想です。
【コラム】テーブルのメリット
ここまで解説したデータベースの要件を満たす"正しいデータの持ち方"ができている範囲にテーブルを設定することで、Copilot in Excel の利活用以外にも多くのメリットがあります。
■数式や書式が自動で適用される
テーブルを設定していない表に、新たに"I株式会社"の情報を追記するとします。
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入力した数値から売上単価や利益率を求める数式、値の表示形式や罫線といった書式を、1から設定し直す必要があります。
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これに対してテーブルを設定していれば、数式や書式が自動で反映されます。
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必要なデータを入力するだけで、作業が素早く完了します。
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■数式の参照元が自動拡張される
表外で販売実績の合計を求めたとします。
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テーブルを設定していないと、"I株式会社"の情報を新たに追加したときに販売実績は計算対象範囲から外れます。
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テーブルを設定していれば、テーブル内のデータが数式の参照元となっている場合に参照範囲が自動拡張されます。
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■集計方法をアレンジできる
テーブル範囲にあるセルをアクティブして、「テーブルデザイン」タブ→「テーブルスタイルのオプション」グループにある「集計行」にチェックすると、最下段に「集計行」が追加されます。
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※この操作はテーブル内にアクティブセルがある状態で[Ctrl]+[Shift]+[T]を同時に押すことでも実行できます。
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集計行では、合計だけでなくデータの平均や個数、最大値といった分析が行えます。
※"その他の関数"を選択すると、「関数の挿入」ダイアログボックスが表示されます。
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社内の基幹システムから入手したCSVファイルなどは、ここまで解説してきたデータベースファーストの構造になっていることがほとんどです。
これらをテーブル化し、集計行を追加することで、簡易的な分析作業が可能になるのです。
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いかがでしたか?
Excelの中でCopilotを活用するための準備はこれで万端です!
今後の記事で様々な実務活用術を解説していくので、ぜひお見逃しのないようにフォローしてお待ちくださいね!
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