収録型の音声配信はPodcastに集約されるのか?
音声配信には、ライブと収録がありますが、昨年来、収録で配信できるアプリが減少し、ライブ配信が増えています。
ライブ配信でも、アーカイブが残せるものもありますが、そうしたアプリも少なくなっています。
私も、本来のボイスロイドによる収録配信よりも、生声のライブ配信のコンテンツを増やしています。
収録ができるアプリの現状
現在、収録もしくはアーカイブが残せる主なアプリは次の通りです。
stand.fm :ライブ配信、アーカイブ、収録配信
Spoon:ライブ配信、アーカイブ、収録配信
ピカピカ:ライブ配信、アーカイブ、収録配信(時間制限あり)
RadioTlak:ライブ配信、アーカイブ、収録配信(時間制限あり)
どれも、今や老舗のアプリです。それぞれ多くの登録者(会員)を抱えていますが、メインストリームにはなっていません。
また、会員の多くは自ら配信をすることを目的に登録した人が多く、純粋なリスナーが少ないのも気になるところです。
もちろん、配信者からリスナーに転向した人もいますし、会員でなくても配信を聴くことはできます。
しかしながら、いわゆるSNSのように大きくバズることはありません。
SNSとしてのライブと、情報源としての収録
昨年から、ライブ配信アプリの音声版など、ライブだけで、アーカイブも残せないアプリが登場しています。
Pokochaの音声版のVoicePokochaや、17LIVEの音声版のWAVE、そしてHAKUNAなどです。
ライブ配信の特長として、場面の向こうにいる誰かと、つながっている、という感覚があるのだと思います。
話の中身よりも、いま、まさに、誰かとつながっているを求めているのでしょう。それは、LINEグループに似た感覚なのかもしれません。
LINEと違って、既読スルーもなく、確実にいま、時間を共有していて、声やチャットで誰かが答えてこれることが、癒しになっているのだと思います。
収録では、そうした叙情的な受け取り方は難しいです。とりとめのない話でも、有益な情報でも、一人で聴いている、という孤独感はあるでしょう。
質問やお便りを送ることはできても、リアルタイムでつながるライブのような癒しはありません。
そう考えると、収録配信に求められるのは、それを聴くとこで、なにかが得られる。例えば有益な情報が得られることが大切なような気がします。
有益かどうかは人それぞれですが、書籍を読まない人が増えている時代。何らかの情報が収録配信には必要なのだと考えます。
音楽を聴くように、聞流しながらも、自分に役立つこと、それが収録配信のこれからを切り開くと思うのです。
ボイスマガジンとしての収録配信
Voicyは配信者に基準を設け、ボイスマガジンの色合いが濃い音声配信アプリです。himarayaも現在は、同じように基準をクリアーした人だけが配信が行えるようにシフトしました。他の音声配信でも、一定の基準で、オフィシャル配信を設けていますが、Voicyやhimarayaとは方向性は異なります。
そして、Podcastです。日本ではまだあまり普及していないPodcastですが、多くのPodcastコンテンツは、ボイスマガジンの色合いが強いようです。
情報源となり、時間に縛られず、必要な時にさらっと聞ける。収録配信に求められるのは、そうしたボイスマガジンとしてのコンテンツではないでしょうか?
いわゆる自己啓発や、ビジネス情報などが、こうした分野では人気にです。朗読や声劇といった分野もいいかもしれません。
しかし、こうした分野は競合も多く、目新しさもありません。聴く雑誌、聴く書籍として、新たなアイデアがこれからは求められそうです。
日本のPodcastサイトが増えるかどうかがカギ
Podcast自体は古くからある音声配信プラットフォームで、mp3の音声データをボイスマガジンとして紹介(配信)するポータルがいくつも存在します。とくに海外では人気があるようで、英語のポータルサイトが沢山存在します。
日本では、GooglePodcastや、音楽サイトのSpotify、AppleMuzsic、AmazonMuzicなどがポータルサイトの役目を果たしています。
Podcast自体は、個別のWEBサイトでも配布できることもあり、出版社や放送局が自らのサイトで配布(配信)していることが多く、Podcastのランキングを行っているサイトも存在しますが、既存メディアの付帯的な配信というイメージが強いように思われます。
事実、音声配信アプリに比べてもあまり認知度が高くないのが現状でしょう。つい最近までは、Podcastで検索すると、放送局の配信か、Podcastへの配信もできるRadioTlakのコンテンツばかりが表示されていました。
Anchorの登場で、音声配信アプリのような手軽さで、Podcastの制作から配信までできるようになり、一部の音声配信者が利用するようになってきたものの、まだまだ、配信者もリスナーも多くありません。
Clubhouseで音声配信が注目されたように、Podcastが注目を集める日本のサーバーやサイト、アプリの登場が待ち望まれます。
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