【保存版】 D2Cのマーケティング施策6選
今回はD2Cのマーケティング施策を整理してみたいと思います。
筆者はベンチャーで消費者向け(B2C)の商材を販売しておりますが、似た事業を行っている方など、ぜひ参考にして頂ければと思います。
1. マーケティングの考え方
マーケティングの概念は色々ありますが、売れ続ける仕組みを作る活動として捉えています。
商品が売れる要素は4Pで整理されることが多いです。
(出典:https://www.missiondrivenbrand.jp/entry/marketingmix)
今回はPlace、Promotionの2つに特化して、考察していきたいと思います。
販売活動においては、連絡先を持っている知人の範囲を越えて、不特定多数の人にアプローチし続ける仕組みを作る活動が必要です。
そのためには、日々の営業活動に加えて、波及効果、つまり商品の認知が徐々に広い範囲に及んでゆく仕組みを生み出すことが重要です。
その仕組みの作り方は、分類すると下記の6つに分かれると考えています。
1つずつ解説していきます。
2-1. 検索エンジン最適化(SEO)
目的:検索順位の上昇
これは検索エンジン(主にGoogleやYahoo)をユーザーが使う際「このキーワードで検索したときに自社のサイトを表示して欲しい」という意図で、Webサイトを最適化する取り組みです。
Googleの公式ページでは、検索アルゴリズムが表示順位を決める主な要素として、下記を挙げています。
・ページの関連性(タイトル、本文中のキーワード、被リンク先など)
・コンテンツの品質(更新頻度、滞在時間など)
・ユーザービリティ(ページの読込速度、デバイス・ブラウザの対応など)
・検索文脈(現在地、検索履歴、言語、急上昇中のキーワードなど)
検索順位のチェックツールで表示順位を確認しながら、SEOに関連する要素を1つずつ改善していく取り組みです。
販売ページと同じドメインに、商品に関連する記事を投稿して、ブログのように運営し、検索順位を上げる取り組みもよく見られます。
下記はよなよなエールのサイトです。「オンラインストア」と同じページに「よみもの」タブを置くことで、集客や検索順位の向上を図っています。
効果が出るのに少なくとも3ヶ月以上はかかると言われますが、上位表示を獲得すれば、商品が売れ続ける体制をとして機能します。
2-2. SNS運用
目的:フォロワーの獲得・評判作り
SNSは様々な運用方法がありますが、商材によってどのチャネルを使うかが重要です。
拡散性が高いのはTwitterとFaceookです。Twitterは自分をフォローしている人にリツイートを表示、Facebookはシェアで友達に投稿内容を表示できます。他のSNSにシェア(共有)機能はありません。
また、TwitterとInstagramは、一方的に情報収集ができるフォローという機能がついています。そのため、友達だけでなく、不特定多数の人と関係構築が進むスピードが早いことが特徴です。Facebookは友達の承認が必要です。
とにかく拡散する場合はTwitter、画像情報を使って拡散するならInstagram、実名性を意識するならFacebookといったSNSの機能に商材やユーザー層を掛け合わせて選択するのが良いと思います。
こちらの各媒体の説明動画も参考になります。
使うSNSを決めたら、次はフォロワーを増やす活動になります。主に下記の取り組みをする場合が多いです。
・他者のためになる・共感を呼ぶコンテンツを投稿し続ける。
・コンテンツと一貫させながら、自分のプロフィールを定期更新する。
・いいね/コメント/シェアで他者の投稿の拡散を応援する。
初期は自分のフォロワーが少なく、良いコンテンツを書いても見ている人が少ないので、積極的に他者と絡んで、投稿の拡散を応援することが重要であるという意見もあります。
影響力のあるレベルまでフォロワーを獲得できると、新商品のリリースやキャンペーンなどの実施の際、影響力が大きく、成果に繋がりやすくなります。
2-3. 広告
目的:低いCPAでの顧客獲得
広告はお金を払って、媒体に露出し、顧客を獲得しにいく施策です。
確実に認知度が高まる一方で、ユーザー層の合う媒体選びや広告メッセージによって、CPA(1ユーザーあたりの顧客獲得費用)が変わってきます。
CPAが限界利益を上回らない範囲で、投資を行う必要があります。リスティング・SNS・アドネットワーク・インフルエンサー・アフィリエイト・展示会など、様々な種類があります。
基本的には、最も効率よく獲得ができるCPAの低い層へのアプローチからスタートし、徐々に広げていきます。
獲得コストが低い客とは、課題を調べている顧客ではなく、解決策、すなわち商品を調べている顧客です。
例えば、不眠用のサプリを販売したいとすると、アプローチすべきは「睡眠 疲れ 取れない」などではなく「睡眠 質 サプリ」を検索する購買検討中の顧客になります。
検索キーワードに応じて出すリスティング広告はCPAが低く、属性を絞って出向できるSNS広告やインフルエンサー広告はCPAが普通、ディスプレイ広告など、偶然目に触れるバナー形式の広告はCPAが高いと言われています。
広告は費用はかかりますが、短期的な成果を生みやすいのが特徴で、設定が最適化できてくると微妙なチューニングのみで、成果を上げ続けることができます。
2-4. 営業
目的:センターピンの特定・ファン化
営業というと、1人1人の顧客に向き合って、話をする姿をイメージされると思います。しかし、それでは人を増やさない限り、営業効率は高まりません。
商品は、この人/組織が買ってるから、自分も買おうという発想で、一部の人から周りに波及していきます。
例えば、サッカー好きの人なら、自分の憧れる選手が履いているスパイクを履いて同じようにプレーをしたいと思うはずです。
本田圭佑みたいに、日本代表レベルもあれば、自分の身の周りにもいる憧れの人である場合もあります。
それは人だけでなく、組織にも当てはまります。
例えば「インバウンドで有名な東京・浅草のコンビニが一風堂のラーメンを仕入れ始めた」という噂を聞いて、
新宿でコンビニを運営するオーナーが「浅草で売れてるのだから、新宿でも売れるに違いない、仕入れよう」と取り扱いを開始する場合があるはずです。
このように、営業する際は、センターピンの特定と近寄り方が重要です。
但し、センターピンになるような有名企業や芸能人になるほど、引く手数多なので、上手い近寄り方が重要です。
・知人のリストを作って近い業界にいる人に相談し、紹介をもらう。
・他の販売チャネルで実績を積み上げ、信用力をベースにアプローチする。
・相手の好みのネタ・まだ誰も知らないネタを共有し、興味を持ってもらう。
などの方法が考えられますが、基本的にはWin-Winの関係を築くことです。
センターピンとなる人/組織を商品のファンにすることは、営業を最も効率よく進める方法です。
2-5. コミュニティ作り (イベント・セミナー)
目的:顧客によるコミュニティ運営
コミュニティを作って商品を販売していくことも効果的です。
通常、企業が顧客に商品を販売すると、1対Nの関係になります。
そこに商品のファン同士の交流の場を設けることで、N対Nの関係が生まれ、コミュニティ化します。
例えば、芸能人のファンクラブが、運営元から提供される情報やコンサートへの参加だけでなく、ファン同士の交流があることが楽しみの1つになっているイメージは湧くと思います。
コンサートで発する掛け声だったり、オフ会などは運営企業の手を離れてファンによって生み出された内容の1つです。
商品を熱狂的に好きになってくれたファンをコミュニティ化すると、その人たちはコミュニティの外へ向けて、活動内容を発進、ファンの輪を広げようとします。
最初は企業のコミュニティマネージャーが担っていた役割を、ファンが代替し始めると、ファンのみでコミュニティが運営される自走状態となります。
但し、そのためには商品やコンテンツの質が高く、少数でも商品を熱狂的に好きな人がいることが前提になります。
下記に詳しく述べていますので、ご覧ください。
2-6. 口コミ (話題性・バズり)
目的:シェア増加による認知の拡大
世の中のトレンドを読み、SNSやプレスリリースなどで、話題性のある内容を発進し、バズらせることで一気に認知を拡散する方法です。
以前、話題になった下記ブログは、多くの人の共感を呼びました。
また、顧客が得をするクーポンなど、インセンティブを与える方法もあります。
ここにバズったツイートの事例が載っていますが、特にバズりやすいジャンルは仕事、恋愛・友情、サブカル、家族、教育、健康の6分野だそうです。
バズった商品の事例でいうとロッテのFit'sが有名です。
柔らかい噛み心地、細長い形、箱から取ってすぐに食べれるパッケージなど、これまでに無い商品の新規性があったこと、
「噛むンと フニャン フニャン~」というダンスを動画でPRし、商品を手に取る前に「楽しさ」で顧客の共感を呼んだことが成功要因と言われています。こちらに詳しく載っています。
3. 何から始めるべきか?
これまで6つの施策を見てきましたが、まとめると下記のようになります。
売上にインパクトを与える施策を、時間軸で下記のように整理してみます。
【短期】即効性のある施策:広告
【中期】不確実性がある中、成功すると大きい施策:口コミ、営業
【長期】コツコツ積み上げる施策:コミュニティ、SEO、SNS
置かれた環境によって、どれに重点を置いて進めていくかは異なります。主には下記が検討要素になると思います。
・商材とターゲットユーザーの購買行動
・組織の経営資源(専門性・時間・お金)
・競合のマーケティング戦略(被らない)
・売上作りの時間軸(短期・中期・長期)
例えば、
今は商品作りに注力したいので、売上はリソースの範囲内で中期的に作れれば良く、まずはSNSに注力します。
マーケットへの競合の参入が加速しており、今シェアを取らないと顧客を持って行かれるので、ガンガン広告投資をして、売上を作りに行きます。
というどちらの戦略も取れると思います。
4. Just Start
これまでマーケティング施策の説明をしてきましたが「ジャスト・スタート 起業家に学ぶ予測不能な未来の生き抜き方」という本から、行動すること・始めることの重要性を説いた一説を引用します。
・それができるかできないか分かる
・それが好きか嫌いか分かる
・市場の反応から新たな視点が得られる
・協力者が現れる
・後悔が減る
・その次の行動の質が上がる
実際に試してみてPDCAを回していくと、どの戦略が自社にマッチするかわかると思います。
実践して、試してみてください!
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