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【Artist meets KANAZAWA craft】広上淳一×野村萬斎

金沢駅構内にあるショッピングモール施設「金沢百番街」さんとのコラボレーション企画「Artist meets KANAZAWA craft」。石川県立音楽堂&OEKの公演にご出演いただいたアーティストをお迎えし、金沢が誇る文化触れていただきながらお話を伺っています。

今回は金箔メーカーの「箔一」さん

萬斎 金箔は狂言の道具や能装束に使われたりしますね。それは暗い中で光を放つもの、光を受けて存在感を示すということで金を使うんだと思いますけれど。 ただ、金って若いうちはちょっとギラギラし過ぎている感じがしますが、年を重ねると 魅力的に感じてくるというのが不思議ですね。
広上 僕も好きですね。金って優しい感じがします。
萬斎 (九谷焼&金箔フリーカップを手に取って)本当に繊細ですよね。九谷焼も本当に細かく細かく、どうやってこの一筆をつけるのがちょっと想像を絶しますけれども。それと同時に、外側と内側のこの ギャップがね。持っているとなんだか秀吉な気分に。

野村萬斎(石川県立音楽堂アーティスティック・クリエイティブ・ディレクター)

広上 この前の映画では家康でしたね。その「もしも徳川家康が総理大臣に なったら」を拝見したんですが、民を愛する気持ちが表れた萬斎さんの台詞が僕らの世界にも通ずるなって。オーケストラって力で抑えようとしてもダメなんですよね。 指揮者って名前は指図するって書くけど、 実際音を出さないので溶けちゃうのが1番いいんですよ。だからオーケストラという演技者がいて、いるようでいなくなれば相当すごいレベルでしょうね。それは80歳、90歳の大巨匠の域。だって震えているだけなのに何であんな音が出るのかって (笑)。やはり立っているだけでもオーラが出てくるんでしょう。

広上淳一(OEKアーティスティック・リーダー)

萬斎 父もそうですね、90歳超えてやっていますと、発するというよりも吸引力になっちゃう感じがしますよね。ですから、本当に一挙手一投足に一つの美意識をみんなが持ち始めるのですが、本人は美意識よりは自然体にやっているだけというか。やってやろうというよりも、無我の境地ですね。
広上 素晴らしいですね。この金箔のお酒を見ていても、お酒の中で金箔が確かに存在しているけどなんだか溶けてみえる。これと同じことでしょうね。

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