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FF7リバース面白かったけど、それはそれとして言いたいことがいっぱいある

はじめまして。
FF7リバースのメインストーリーをクリアした者です。

多分、本作をプレイした人はもれなく全員
「おもしれぇ~~~!!!!!けど他人に薦めづれぇ~~~!!!!!」
と感じているんじゃないかな、と思います。

なので、クリアし終わった今、良さも悪さも全部吐き出して、皆が抱えているもやもやを言語化しようと思います。

※ ネタバレを多分に含むので、未プレイの方は目次だけ読んでなんとなく察してください



1.よかったところ

① アクションが苦手でも遊べる(一部エネミーを除く)

「何故FF7リバースは売れてないのか」みたいな動画のコメント欄に、よく「アクションゲームじゃなければなぁ……」みたいなことが書かれているのですが、リメイクFF7シリーズは基本的に、ATBゲージを溜めて強スキルで殴るゲームです。
しかもATBゲージを使用するコマンドを選択している間は、ゲームが超スロー状態になります。
なので、適当にボタン連打でガスガス殴ってゲージを溜めて、状況に合ったスキルを使っていけば勝てます。

あとこのゲーム、クラウドくんのガードがめちゃくちゃ強いです。
詳細はチュートリアル参照ですが、物理攻撃をガードすると、勝手にカウンターが発動します(しかもスーパーアーマー状態で)。

※ 一部エネミーは魔法攻撃とかガード不可攻撃を仕掛けてくるので、うまく回避する必要があります

難易度ノーマルとイージーで報酬に差があったりするわけでもないので、アクションゲームが苦手な人は、とりあえずイージーにしてプレイしてみるのが良いと思います。

② FF7ワールドの解像度がグンと上がった

前作の時点で”主人公たちのテロリスト度合い”の解像度がかなり上がっていて、「そら本家アバランチからも嫌われるわな」と納得した記憶があります。
本作においては、”神羅が世界各地にどのような影響を与えているか”が掘り下げられていました。

原作だと「神羅の悪事に気付いて行動してるのは主人公たちだけ」みたいな印象があったのですが、本作ではPSから圧倒的にパワーアップしたグラフィックで神羅の過去のやらかし具合を表現してくれているし、神羅影響下の街を歩けば、話しかけなくてもいろいろとうわさ話をしているのを聞くことが出来ます。

また、探索を進めたりサブクエストをクリアしたりしていくと、各国・各町の成り立ちについての情報が手に入るのも良かったですね。
情報は本編とはあんまり関係ないのですが、神羅にとって都合が悪い歴史の話になっています。

神羅絡み以外でも、例えばナナキに試練を与えるためだけに用意されていた「ギ族」とかいう連中にも、本作では割りかし掘り下げられ、重要な役割が与えられたりしています。

原作で、ストーリーを進行するためだけに用意されていた要素に意味が与えられて、かつ世界の奥行きが深まるのは良かったです。

③ マップの探索要素が密で、飽きない

やることが……やることが多い!
とにかくサブコンテンツが多いです。クリアするかどうかはプレイヤーの自由になっているので、自主的にプレイする分には全然苦ではないです。

だだっ広いだけのマップだと、ただ単調に移動するだけになってしまいますが、本作は「あれなんだろう」とか「ここ何かあるんじゃないの?」とか、とにかく気になるスポットがたくさんあって、それらを全部回ってたら
100時間経ってました……

出来の悪いオープンワールドだと、意味ありげな建物に入ってみたけど何も無い、みたいなことが往々にしてあります。
フィールドのどこを歩いても気が抜けないほど何かあるのは、(個人的には)良かったですね。

2.ムカついたこと

① 楽しい気持ちを途中でブッた斬られる

まず何と言ってもこれです。

例えばフィールド探索。
「この高さの岩はアクションで超えられるよね」「ここ通ったらショートカットできそう!」というルートはことごとく封鎖されています

また、高速な移動手段「チョコボ」ですが、
とにかく小さな段差に引っかかるわ、当たり判定がデカすぎて壁にぶつかるわで、移動手段として適していません。
これを本末転倒と言います。

※ 序盤のフィールドは平坦なので問題ないのですが、中盤以降は地形が入り組んでいるくせにチョコボでないと通れないフィールドギミックがあったりします

例えばバトルでのスキル使用。
本作はスキルで攻撃している最中に殴られると、攻撃を中断させられてしまいます。

スキルを選択してから発動するまでの準備時間に殴られて中断させられるのはまだ分かります。
「ちゃんとタイミングを見極めて発動しろよ」というのはゲームとして当然です。
でないと、ただスキルをブッパするだけの作業になってしまうので。

しかし、スキル発動後に止められてしまうのは、ゲージ1本消費するリスクに見合っていないように感じました。
本気でアクションゲームとして作っているならまぁ分からんでもないのですが……
本作はアクションゲーマーをターゲットにしている作品では無い(と思う)ので、この仕様は普通に失敗だと思います。

(実際、「EASYでも難しい」という声もちらほら聞こえますし)
(やっててよかったELDEN RING)

とりあえずフィールドとバトルの例を挙げてみましたが、
他にも色々と”コンテンツの気持ちよさを突き詰めきれていない”と感じることが多かったです。

② ナラティブに傾倒しすぎ

よく世間で言われている「ミニゲームが多い」という話は、おそらくこれが要因になっていると思います。
つまり、実際にゲーム内で起っていることを自分事として捉えやすいように、「それぞれの要素に合った操作を用意しよう!」と制作陣が考えた結果、ありとあらゆる要素に専用の操作方法が実装され、それがミニゲームになったんだろうな、ということです。

それはそれで間違いでもないと思うのですが、ミニゲームのたびに新しい操作方法やルールを覚えなきゃいけないこと、そしてそこそこちゃんとしたプレイを求められることがとにかく苦痛でした。
あくまでストーリーを楽しむためのミニゲームなんだから、スコアアタックを用意されてるのがしんどかったですね……スコアを用意されると、プレイ精度に”必須性”を感じてしまうので……

ミニゲーム以外でも、ストーリー中で深手を負って素早く動けないキャラを操作するタイミングが結構あります。正直めんどいし、弱ってるキャラを操作するのって辛いし、楽しくないです。
同じようなシチュエーションを作中で連発してくるので目新しさもどんどんなくなっていき、作業感だけがつのっていきます。

他にも、細長い道をゆっくり歩かされるとか、スキップできない準ムービーシーンとか「演出を押し付けられている」と感じることが結構多かったです。

世間にはグラフィック押しの作品に対して「ムービーゲー」という揶揄の言葉が存在しますが、本作はカメラワークがよく出来ていて飽きにくいムービーが多かったように思います。
なので、無理に面倒な操作を要求するくらいなら、ムービーにしてくれたほうがありがたかったかなと感じました。

見るのに飽きたらスキップできるしね!

③ 伏線回収が無い or 分かりにくいストーリー

本作は謎ばっかり増えて、解消された謎が全然無いです。
原作を知っていれば解けそうなものもありますが、原作と本作では世界設定が微妙に異なっているので、原作の知識をそのまま当てはめられないと思います。

以下、とりあえず忘れないように謎を羅列しておきます。

「前作の黒フィーラーの干渉で、どのくらい原作から変化するの?」
「白フィーラーの存在意義って何?」
「黒フィーラーがセフィロスの手下なら、前作でバレット助けた意味無くね?」

「クラウドがちょいちょい見ている幻覚は何なの?」
「セトラって具体的に何ができる種族なの?」
「エアリスは元々持ってた未来の記憶をどのくらい奪われたの?」
「ザックス世界線の存在意義は何?」
「他世界線から物(白マテリア)の受け渡しとか、やってもいいの?」
「物の受け渡しができるなら、割と何でもアリにならんか?」

「前作で、世界の崩壊がセフィロス以外の要因で起こってるっぽい描写があったけど、あれは結局なんなの?」
「セフィロス嫌いのクラウドが、セフィロスの洗脳に負けちゃった明確な理由ってある?」
「他の黒マントに比べると、クラウドは劣化してる割に意識っぽいものがはっきりあるけど、あれはなんで?」

「結局のところ、セフィロスの具体的な目的は何やねん(専門用語を使わんで喋れ)」

一部の謎に関してはセフィロスやエアリスが知ってそうだし、何ならストーリー中で喋ってたかもしれないんですけど……
両者共々言語感覚に問題を抱えているので、何のことを喋っているのか大変分かりにくいです。

本作がフロムゲーみたいな、ハナからプレイヤーに情報を明言しないようなつくりになっているなら良いんですけど、そうではないはずので、プレイヤーが理解・納得できるように必要な情報を出してほしいと思いました。

ノムリッシュすな。

3.判断が難しい部分

① ヒロインズから平成初期のかほりがする

これは原作準拠です。

原作上、そういう喋り方をしているし、そういう身振りをしているのですが、リアルな人間に近いビジュアルでそれをやられると「きちぃィィィ!」と感じちゃいますね……

原作に登場してないスマホが登場しているくらいですし、キャラの正確もある程度変えてしまっても良かったんじゃないかなと思います。

実際、ユフィは結構変わってましたね。「仲間思い」の要素がガッツリ追加されたことで、原作のクソガキ感がマイルドになっていて、個人的には原作よりもかなり好きなキャラクターになりました。

(一方で、クソガキ要素を移植されたオリキャラ「キリエ」が作中ぶっちぎりワーストに嫌いになりました)
(あいつ、あちこちに迷惑かけておきながら一切謝罪しねぇし、全然言及されてない「大人の束縛が嫌だった」みたいな後付け設定でなんか許された感演出されてたの意味不明なんだけど、何なんアレ)

② 明るく楽しく、世界を救う旅をする

プレイしながらなんとなく、「キングダムハーツ」や「ジョジョ3部」が頭をよぎりました。

世界を救うために、時には血生臭い戦いを求められるシリアスな空気を纏いながらも、カードゲーム大会にはコロコロ漫画並に全力で挑むし、ビーチは水着まで用意してエンジョイするし、遊園地では好感度次第で行くとこまで行く。

イケメンボイスの「ゲコ!」も「クポ!」も聞けるし、イケメンのサボテンダーポーズも見られるぞ!

私は勝手に「暗いまま旅をしているとどんどん気持ちが沈むから、できるだけ明るく振る舞いながら旅をしている」みたいな背景を想像しながら遊んでいましたし、実際そういう雰囲気を匂わせるムービーもありました。

にしても、「これははっちゃけ過ぎでは……?」と思うような場面もちょいちょいありましたし、プレイ感想を読んでいるとやっぱりこの明るさ?ギャグ感?を気にしているものが結構ありました。

正直、「どこまでギャグを入れてよいか」という塩梅は、世に出してみないと分からないところが大きいと思うので、だったら「明るく旅したい」という一言を誰かに明言させるべきだったんじゃないかなと思いました。

まとめ

楽しかった!!!楽しかったんだよ!!!!!ホントだよ!!!!!

原作のFF7が好きだった人には是非プレイしてほしいです。

「えー……だってストーリーもう知ってるし……」と思ってる人ほどプレイしてほしい!
原作を踏襲しつつも、かなり手が入って新鮮に感じられるし、何より実際にコントローラーから伝わってる”リアル感”は、実況動画からじゃ得られない!

ただ、めちゃくちゃ面白いが故に、ちょいちょい挟まる「面倒くせぇ」が悪目立ちしている印象を受けました。

ちょっと面白い程度のゲームなら「面倒くさい」上塗りされて終わるんですけど、本作は「面白い」のパワーがかなり強力なので、そのせいで私は心を2つにされています。

良くも悪くも、細部にまで全力を尽くしたんだろうな、という制作者の”熱”を感じられるゲームでした。

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