【どう対策?】二次試験論述【独学】
こんにちは。おーえだです。
いよいよ二次試験の論述についてお話しします。
「中小企業診断士という資格」で書いた、確固たる勉強方法がないと書いた部分はこの二次試験の論述試験についてです。
私なりの見解、勉強方法を書いていきますが、少し極端な可能性もありますし、絶対的な勉強方法ではないので、一次試験以上に参考程度に読んでいただけると幸いです。
【二次試験情報】
まず、二次試験の論述試験の情報です。
試験時期:10月下旬
受験地:札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡の7地区
受験手数料: ¥17,200(こちらも複数回受けると地味にきついと思います。)
内容:
A 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例 I (組織・人事) 80分
B 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例 II (マーケティング) 80分
C 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例 III (生産・技術) 80分
D 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例 IV (財務・会計) 80分
筆記試験における総点数の60%以上でかつ1科目でも40%未満のものがないことが合格条件です。
【論述試験「難易度」の正体】
各設問で問われる内容の難易度が高いかと言われると、論述を課している他の試験と比べ、難しくはないと思います。理由としては、中小企業診断士試験の特性上、広く浅くであるため、二次試験と言えども、問われる内容もそれほど深いわけではありません。事例 IV以外は一次試験の知識で十分に戦えます。
では、何が難しいのか。
一次試験の知識に加え、国語力が問われている点だと思います。
【国語力】
ここでいう国語力とは、①情報を素早く正確に読み取る②自らの考えを簡潔にまとめることを指します。
よく論述試験は国語力の試験と言われます。
国語力のみの試験ではありませんが、国語力が大きな比重を占めることは間違いないと思います。実際に、コンサルをする場面を想像しても、クライアントから提供される、または自ら入手した情報を頭にインプットし、口頭、または書面での提案、つまりはアウトプットするわけですから、国語力がなければ仕事にならないというのは想像に難くありません。コンサルタントにとって、国語力は必須です。
そして、その国語力が問われる試験において、「確実」に合格することが難しいのだと思います。この国語力というのが厄介で、余程ひどくなければ、一次試験の合格に支障は出ず、一次試験の足切りとは無関係です。
その結果、論述試験の勉強をして、初めて問題になりますが、国語力が直接問われているのではないため、あるのかないのか少々分かりにくいと思います。
また、国語力は一朝一夕で身につくようなものではなく、これこそ積み上げの最たるもので、過去の勉学や、日々のお仕事でどのように磨いてきたかが如実に出ます。
さらに、時間をかければ良いかというとそうではなく、逆に出来が悪くなる場合もあります。
国語でうまくいかない時、シンプルな解答を心がけるべきにもかかわらず、自らの中で勝手に問題文や設問内容を抽象化したり、自己の解釈を付け加え、文中の言葉を勝手に変更、解答したりと、非常にわかりにくい文章を作成してしまうという経験があるかもしれません。何年も挑戦されている方、特に、過去より成績が下がり、CやDの成績をとっている方はこの傾向にあるのではないかと思います。当初は、文章を正面から読めていたにもかかわらず、次第に、自らの意見、知識という眼鏡をかけ、与件文を読むようになり、正確に題意を捉えることができなくなっている場合があるのではないでしょうか。
逆に、一次試験に合格してから、二次試験の対策をはじめたにもかかわらず、ストレート合格をされる方は、高い国語力をお持ち、かつ解答に際し、変な癖がついておらず、しっかりと文意を捉えることができていると推測します。
論述試験での作業は、①与件文、設問を素早く正確に読み取る②与件文から必要な情報をピックアップする③足りない情報を簡潔に付け加える、ですが、全てにおいて、①情報を素早く正確に読み取る②自らの考えを簡潔にまとめるという国語力が必要で、②と③で一次試験の知識が必要になると考えます。
【国語力アップ?】
高い国語力と記載しましたが、難解な法律を読み解くようなレベルのものではなく、しっかりと文意を掴み、簡潔な文章を作成できるというレベルのものなので、難しく考える必要はないと思います。
過去問を解いてみて、自己採点時、50-40点、40点未満の方や、過去、CやD判定を取られた方は、国語力に問題のある可能性があります。
解説を読んで、明らかに求められている解答と自己の解答とがかけ離れている場合は要注意です。
申し訳ないのですが、国語力について、問題に思いませんでしたので、オススメのトレーニングは分かりません。
あくまでも受験時の延長線ですが、提案としては、①文章の多読②受験の参考書です。
まずは、多読です。国語力のない方は圧倒的に文章に触れた機会が少ないという印象です。時間の関係で本を読むのは難しい方もいらっしゃると思いますので、新聞の社説欄、コラムを高頻度で読むと良いと思います。
もし、時間に余裕のある方は、大学受験の参考書等を探し、しっかりと文意を掴む練習をするのもいいかもしれません。以下は、受験時に使用し、記述の問題も含まれているのでオススメです。自信のない方は一度解いてみるのもいいと思います。
繰り返しになりますが、この試験に際し、私は国語力について、トレーニングを行なっておりませんので、自己責任でお願いします。
【まずは事例 IV】
さて、具体的な勉強方法です。
2018年度不合格時の成績は、事例 Iから、A、B、A、Cでしたので、その経験も踏まえ、書きます。
現在成績開示中ですので、開示が終わったら共有予定です。
まず、何より事例 IVの対策です。
2018年度不合格時の成績が、Cであり、不合格時、確かに対策しきれなかった感がありましたので、特に力を入れました。
事例 IVは、論述試験の中で、対策すれば、必ず点数が上がる唯一の科目です。
なんどもこの言葉を聞いたこともあると思いますし、実際そうなのですが、不合格時は認識が甘かったです。必ずしっかりと理解し、しっかりと対策をしてください。他の科目と違い、実力をつけると点数が大きくぶれません。相対評価において、皆が対策をする中、ここで大きく失点すると、合格は遠のきます。得意とは言わないまでも、しっかりと合格点を取れるレベルまで仕上げていく必要があると思います。
範囲は、簿記2級と簿記1級の一部及び特有の問題です。
受験時は以下の参考書を使いました。
こちらは必ず使うべきです。事例 IVの範囲がしっかりとカバーされていますので、まずはこちらを一通まわし、試験の範囲を把握すべきだと思います。解説も、わかりやすく、事例 IVの過去問といっても過言ではありません。数周まわしましょう。
個人的には上記の解説だけでは理解できない点があったので、以下も活用し、しっかりと理解することに努めました。全範囲が必要ではないので、関係のある範囲にとどめておいてください。
私は、簿記2級の資格を持っていましたので、行いませんでしたが、簿記2級の工業簿記のテキストにも目を通し、理解していない場合は、しっかり理解するのが良いと思います。
テキスト、問題集は分かりやすければ、どれでもいいと思いますが、書店でしっかり目を通した方がいいでしょう。
最後に最もオススメしたいのが以下のサイトです。
とにかく分かりやすい。主に簿記1級にチャレンジする方を支援するサイトのようですが、事例 IVへの対策として非常にお勧めです。簿記1級のテキストでもわからない不明点をこちらで解消していました。特に設備投資意思決定会計でお世話になりましたが、2級の工業簿記も取り扱ってますので、理解ができていない方はそちらも参照するといいと思います。一度、全知識、全ノウハウを回した後に読むと、非常に理解が深まり、非常に感謝しています。
財務・会計が苦手な方は全知識の前にこちらをやるといいかもしれません。
実際に30日もかからないと思いますので、導入として進めるといいかもしれません。
【事例 I ~ III対策】
事例 I ~ III対策は、「ふぞろい」で行いました。
試験の解答が公表されず、各予備校の解答のレベルも揃わない中、確実な勉強法がないとはいえ、現在での最適解は、実際に合格した方の答案の参考にするべきだと思います。
キーワードをしっかりと拾い、論理的な解答を作成するという「ふぞろい」の解法が最も短期的に合格レベルに到達する方法のように思います。
ただ、注意点があります。
①対談形式の解説は読み込まなくていいと思います。すごく力を入れて作成されたが故に、「そんなに複雑に考えなくても」、という部分があります。あくまでも、自身がキーワードをピックアップできているのか、そして、そのピックアップしたキーワードを土台に解答ができているのかを、主眼に確認するに止めるべきかと思います。読み物として面白いと思います。
②事例 IVの解説が十分とは言えません。全知識の方が詳細に乗っていますので、事例 IVはやはり「全知識」を基本に勉強を進めるべきかと思います。
上記だけでは足りないと思いますので、以下も購入しました。
ただ、ここでも注意点があります。
「ふぞろい」は知識の吸収を目的とするのではなく、あくまでも答案の作成の練習です。知識の吸収を目的として、あまり複数年度時分を解き過ぎないでください。
私がそうだったのですが、あまりに多年度の問題を解きすぎると、変に問題慣れし、シンプルな解答ができなくなって行きました。それよりも、1年度分の問題にしっかり向き合い、同じ年度を繰り返し、模範解答に近いレベルの解答が作成できるようにすべきかと思います。
「ふぞろい」の解答は非常にシンプルかつ多面的です。言い回しを参考にするために、冗談ではなく、模写も効果的かと思います。10年度分を1周するよりも、3年度分を3周する方が効果は高いと思います。
私は、5年度分を3周しました。
こちらは、辞書代わりです。一次試験で使用したテキストでは効率が悪いように思いましたので、こちらを参考にしました。二次試験に必要な知識をパパッとおさらいできますし、個人的には、各章の後ろにある解答テクニック、トレンドが結構役に立ちました。
【問題の解き方】
私の問題の解き方をお伝えします。完全に主観ですので、本当に参照し、よければ取り入れるぐらいにしてください。
まず、設問を読み、注目するキーワードにあたりをつけます。次に、SWOTに該当するものに下線を引き、重要と思われるキーワードに丸をつけていました。また、段落ごとに何が記載されているのか簡単にまとめ、解答作成時に簡単に該当箇所に戻れるようにしました。解答時は、再度、設問を読み直し、設問を理解し、設問で聞かれていることに解答するよう、細心の注意を払っていました。聞かれていることを理解し、聞かれていることについて答えるを徹底すべきです。当たり前なのですが、これができるできないで大きな差が生まれると思っています。
ただ、上記はあくまでも手段です。
ゼロから自らの考えを述べるのではなく、必ず、文中のキーワードを土台にし、解答を作成するべきで、そのために何かしらの目印をつける作業は必要かる重要なのですが、注力しすぎないでください。不合格時は、文章にカラーペンでSWOTごとに色付けをしていましたが、色を塗ることに注力し時間を大幅に使ったにもかかわらず、解答時、与件文に戻るのですが、文字が読みづらかったこともありました。色付けも、下線もあくまでも補助ですので、そちらが主目的にならないように注意してください。
【人事を尽くして天命を待つ】
できるだけ再現性のある方法を自身の経験に基づきまとめてみました。
ただ、解答が公表されていないことに加え、土台が国語力であることから、やはり、対策しても「確実」に合格することは難しいと思います。
何度も書きますが、この試験は、これまでの積み上げが大きく影響します。故に、大して対策をしなかった方が合格したり、しっかり対策しても不合格になったりします。与件文との相性もありますし、上位20%合格という相対評価ですので、その年の受験生のレベルも影響するかもしれません。要するに、対策のしようもない部分も確かに存在します。
ただ、それが大部分ではないので、事例 IVを徹底的に対策し、他の問題は、どんな問題でも対応できるようにアプトプットの仕方を身につける。これに尽きると思います。これも繰り返しになりますが、一次試験を突破している時点で、知識については、合格レベルのものを十分持っています。
現時点で持っていなものをねだってもどうしようもありませんから、一次試験を突破したことに自信を持って、目の前のやるべきこと、やれることを着実に行ってください。応援しております。
【試験結果】
得点開示をした結果がです。個人的な手応えと得点の間に差があり、なんだかな〜という感じですが、不合格から1年で成長が見られたので、よしとしています。
事例Ⅰ 65→ 60
事例Ⅱ 50 → 71
事例Ⅲ64 → 72
事例Ⅳ44 → 59
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