見出し画像

中小企業診断士という資格

こんにちは。おーえだです。
今回は、受験に至った背景をお話ししたいと思います。
この記事は、中小企業診断士という資格に興味を持った方、勉強をこれから始められようと思っている方を対象としています。
既に勉強を始められている方や、資格を取ろうと決意してる方は、興味本位で覗く、興味なければスキップしていただいて問題ないと思います。

【中小企業診断士という資格と試験】

まず、中小企業診断士という資格について、簡単におさらいです。
中小企業診断士試験は、
「中小企業支援事業における経営診断又は助言を担うものとして中小企業診断士」を名乗るために合格が必要となる試験です。
勉強時間は、およそ1000時間と言われ、試験構成は、8月一次試験マーク式、10月二次試験論述、12月二次試験口述の試験で構成されます。
一次試験、二次試験(論述、口述合わせて)それぞれ、上位20%ほどが合格となる相対評価の試験で、合算すると4%ほどの合格率だそうです。
合格後、3年以内に15日間の実務補習、または実務従事を行い、晴れて中小企業診断士を名乗れますが、中小企業診断士には、弁護士、公認会計士のような独占業務、つまり、資格保持者でなければできない業務は存在しません。
最長15年間の休止も認められています。

【中小企業診断士を目指す際の注意点】

私の感想として、この資格はそれほど強力ではなく、取り組む優先順位はよく検討すべきかと思います。
これは、独立を検討される方、企業内診断士を目指される方、両方に当てはまるのではないかと思います。理由は以下です。

まず、「確たる専門性」のなさが挙げられます。
勉強をしていて感じるのですが、やはり広く浅くという感じはぬぐえません。
マネジメントとは総合格闘技のようなもので、何かに特化するのではなく、満遍なく高いレベルで知識、スキルが必要になると思うので、「広く」なるのは仕方ないのですが、独立しようが、転職しようが、社内でアピールしようが、「これができます」と言うことができるだけ、「深く」とはまではいかず、他者への売り込みと言う観点で辛いものがあります。
「で、結局、あなたは何ができるんですか?」と問われた際、「経営の助言ができます」と自信を持って言えるかといえば、この資格を持っているだけでは難しい、と合格してみて思います。
いかなる方向であれ、さらなる専門性の強化は必須です。

次に、「確固たる勉強法」のなさです。
厳しい言い方になりますが、資格試験は合格しなければ、自己満足で終わってしまいます。もちろん、必ず、努力した分のリターンはあり、無駄ではないとは思います。しかし、その「リターン」は他人から見えづらく、いくら独占業務がないといえども、士業ではありますから、その肩書きを名乗れる、名乗れないでは他者への意味合いは大きく異なります。

そして、「資格の取得」にこだわるのであれば、やはり、確固たる勉強法がない、そういう意味で”難易度が高い”というのは非常に大きなネックになります。特に、正式な解答が開示されない二次試験の合格へ向けて、何を頼りにどう勉強すれば良いかわからず、予備校を頼れば安心か、というとそうでもない状況が存在します。
(予備校への個人的な見解は以下に書いています。)

1年や2年どころではなく、複数年かけて合格をされる方も一定数いるのが実態です。一次試験合格後、合格年度含め、2年二次試験を不合格になると、もう一度一から一次試験をやり直すこととなります。
確固たる勉強法がなく、どうすれば二次試験を突破することができるかわからないにも関わらず、一次試験からやり直すことは相当の忍耐力が必要かと思います。
今回の試験で私もその可能性があったのですが、ある程度自信のある解答をし、合格かもしれないと思ったにも関わらず、不合格になった、まして、得点開示を行い、昨年よりも点数が悪かった日には心が完全に折れてもおかしくないと思います。
それでも心が折れず、複数年かけてチャレンジされる方は本当にすごいと感じます。

まとめると、費用対効果の低さになろうかと思います。
中小企業診断士の試験合格に必要な勉強時間が1000時間と言われています。
これにはもちろん個人差があり、もっと少ない人もいれば、多い人もいますが、ライフステージによっては、1000時間を捻出することが非常に難しい中、独占業務がなく、強力な専門性が獲得できるともいえない、かつ、数年間の時間をかけてなお、合格するかもわからない資格に挑戦することのリスクと、取得による便益を比較し、その選択が自らの人生で良い選択なのかよく考える必要があると思います。
1000時間をかければ取得することのできるとされる資格は他にもあるわけですから、必ず中小企業診断士という資格でなければならないという理由がないのであれば、一度立ち止まってよく考えてみる必要はあると思います。


【中小企業診断士を目指した理由】

さて、これまでネガティブなことを書いてきましたが、私が受けた個人的な理由も記載しておきます。

まずは、キャリアアップのためです。
専門性がない、知名度がないと先ほど書きましたが、学ぶ内容が無意味かというと全くそんなことはありません。
組織論やマーケティング、法律や、ITの知識まで幅広く体系的に学ぶことができ、独立するにせよ、企業で出世するにせよ、役に立つ知識が満載だと思います。
私も、実務に必要な資格を取得した後、周辺業務である運営管理を学ぶ一環でこの資格にチャレンジしましたが、受験前と比べて会社への見方が変わり、多少ならず本業へプラスの効果がありましたので、当初の目的以上のものを得られたと感じています。
中小企業、ベンチャー企業の方々と接する機会のない私ですらそうですので、特に、日頃から、接する機会のある方々は、本資格をとることは大きなプラスになるのはないでしょうか。

次に、副業のきっかけです。
私が現在働いている会社では、許可制ではありますが、副業が認められています。また、社会の流れとして、今後、副業が幅広く認められていくと考えています。
ただ、いきなり副業してもいいですよとなっても一体何をすればいいかわからない。
そんな中、発見したのがこの資格です。
今後、この資格をきっかけに企業内診断士として副業をやってみようかと思っています。
自らがどのような価値を社会に提供できるか、どのようにしてその対価としてお金をいただくか具体的なイメージはまだできていませんが、走りながら、手を動かしながら考えようと思います。

最後に、将来的な独立に向けてです。
現時点において独立しようとは考えていませんが、人生100年時代、定年退職した後、どのようなキャリアを歩んでいくのかを考えました。定年後でも元気に働き続けられることが目標ですので、気が早いですが、定年退職後、独立される方がちらほらいらっしゃる中小企業診断士に目をつけました。
個人的に、挑戦するのに年齢制限はないと思いますが、チャレンジの種類により、適齢期はあると思っています。一説によると、記憶力は18歳をピークとして徐々に落ちていくそうで、
暗記が必要な資格試験へ若いうちにチャレンジすることは悪くないと考えチャレンジしました。現に、合格率でいうと若い方の合格率は高くなっています。


ただし、最長15年の休止期間が認められているとはいえ、定年から逆算すると明らかに期間が足りません。必ず、更新が必要になりますので、ある程度の計画は必要になると思います。

まとめると、今のキャリア、副業、そして独立という将来的なキャリアのちょうどいいライン上にある資格が中小企業診断士という資格でした。
偉そうなことを書いておいて、とても軽い動機だなと自分でもびっくりしますが、これが実態です。正直にいうと、合格した今でも、このタイミングでこの資格へチャレンジしたことが良かったのか自信を持って回答することはできませんし、この勉強にかけた時間を他のことに使えたのではないかと思うこともあります。

【まとめ】

繰り返しになりますが、自戒の念を込めて、この資格にチャレンジする際は、自分にとって必要な資格かどうかはよく考える必要があること強調しておきます。
膨大な時間を必要とする他の資格もそうですが、
資格を取った後、何をするのか、どのような戦略でキャリアを築いていくのか具体的にイメージを持つことが必要で、こと中小企業診断士という資格については、上記の理由から特に重要だとつくづく思います。

偉そうにはなりますが、
独立開業を検討される方にとっては、スタートラインとして、または他の専門性のプラスαとして資格が必要になると思いますが、この資格試験へ合格するだけでなく、この資格を取った後、何をするのか、どのように価値を提供できるのかの方がはるかに重要だと思います。
引き続き会社員を続ける予定の方は、限られた業務時間外の時間を使って、本当にこの資格へチャレンジする必要があるのか、取得した後、本業との相乗効果はあるのか、または、どのように活動していくのかよく考える必要があると思います。
おそらく、複数年かけてチャレンジされている方々はこの点、しっかり熟考されたので、心が折れず、チャレンジされているのだと思います。

私は、未だ診断士として活動していませんので、活動後に別の感想を持つかもしれませんし、後悔しないよう帳尻はこれから合わせていきたいと思います。
ただ、合格した今の率直な感想としては、自分はまだ、スタートラインに立ったに過ぎないと思います。

おーえだ

#副業  #勉強法 #資格 #中小企業診断士 #国家資格 #中小企業診断士試験

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?