マリオカート8DX2021ホロライブお正月CUPを振り返り解説する
2021.1.11星街すいせいの優勝で幕を閉じた「マリオカート8DX2021ホロライブお正月CUP」通称 #ホロ正月CUP があまりにも良い大会だったので自分用メモの意も込めてマリカ有識者の観点から書き留めておきたい。
#ホロ正月CUPの競技レベルについて
競技レベルというと大げさだしあくまで主観的な立場からの話になるが個人的には競技の”平均”レベルが高くて驚いた。もちろんゲーマー目線からすると7Dや低空JAやグライダーテクニックなど上級者テクがない大会と評することも出来るのかもしれないが、対戦アクションゲームをやり込むような経験がないメンバーが多数いるアイドルグループの大会でここまで伯仲・白熱するとは思わななかった。
この大会に向けて初めてマリカを練習してきた人たちの初期の練習風景をみているとコースアウトは当たり前でキラーが引けるかどうかの運ゲーと化しているシーンを多く見かけた。コースのライン取りやアイテムの使い方、マシンやキャラ性能の違い等々キッズ時代から対戦アクションに励んでいた層にとって自然に理解出来るような事でもそういうアクションゲーに耐性がない子達からすればとても難しいことだったと思うし、少なくともマリカ64なんかの時代から比べたらマリカ8DXをまともに走れるようになるまでの敷居は相当高い。
ここで昨年12月の第3回にじさんじマリカ杯について振り返る月ノ美兎のコメントを引用したい。
マリカのね、コースとかをね、ちゃんとね、全部覚えて、その上でマリカをやったらね、全然マリカやって見える世界違ったんですよ。これはね、すごい知見になって、なんだろ、今までやってたマリカじゃないなって思った。
ショートカットのしくみとかもそうですけど、この少しの差でこういう差がつくみたいな、そのすべてのシステムに気が配られてて、まあMiiの体型とかもそうなんだけど ~ そのアバターを瘦せさせるか太らせるかとかで重さが変わるとかね、そういうゲームバランスがほんとにすごくて知れば知るほど奥深いゲームだと思いましたね。にじさんじ杯でようやくそれを知れたうん、マリカってほんとによく出来たゲーム。
普段ゲームをやり込む経験が少ない人からこういう感想が生まれることに感動したし目標に向かって真剣に打ち込めるような大会の素晴らしさを感じた。ゲームシステムや細かなテクニックの優劣を理解出来るレベルまで練習することではじめて本気で勝ちたいという真剣さや負けた時の悔しさが生まれる。第二回大会では予選を運で勝ち抜いたと言ってもいい月ノ美兎が、第三回大会最終戦まで縺れた予選を見事勝ち抜いた際、今回は運だとは言わせませんよと確信的に喜んでいたのが本当にカッコよかった。そして今回のホロ正月CUPはそう真剣さから生まれるドラマが散見された。
自分はあくまでわため、船長、すいちゃん視点でしかみてないのだけど泣いたり喜んだり感情の振り幅が本当に大きかったし、ゲームで感情を爆発することが出来るのはそれだけ本気で取り組んできた査証でしょう。
そういうわけで自分が見ていた三視点から簡単に振り返っていきたいと思う。
すいちゃん視点
優勝振り返り配信の中で大会後自分のプレイやあくあのプレイを一通りおさらいした上で自分は運にも恵まれたし実力はあくあの方が5倍は強いと認めていた。しかし大会前のどうせあくたんが勝つだろうという空気感の中、内心ビビリながらも自分はずっとチャンスがあると言い続けてきたしそれを狙えるだけの準備はしてきた。本番前緊張をほぐす為にイヤホンで大好きなあんスタの曲を聴いて心を落ち着かせていたけど今思い返すとめっちゃアスリートみたい、みたいな感じで振り返っていて、昨年の悔しさを忘れずに真剣に取り組んできた上で優勝出来たことを誇っていたのが本当によかった。
本戦を見ていて実際すいちゃんのアイテム運はかなりよかったと思います。一戦目と四戦目の最終アイテムでキノ3来いと言いながら実際引き当てられたのは大きかったし、二戦目の終盤3位最終アイテム前でカミナリを受けさらに1位にトゲゾが飛んで来たのを後ろから捲って1位を取れたこと。三戦目ラストはセオリーではない攻めのアイテム交換でキノコ引いて後続から逃げ切ったのも今思うとかなり大きかったと思います。確かにあくあと比べるとラインの甘さやセオリーではない攻めのアイテム交換等不確定要素は多めでしたが、ラインを攻めすぎずそれなりの順位を維持しつつアイテム運に掛けるというのは、圧倒的な走力に加えショートカットの知識や技術や、テレサ対策で表コイン裏防御のアイテム概念まで徹底していてにじさんじ杯でも十分優勝が狙えるレベルのあくあに対する数少ない勝ち筋ではあったし、結果的にそれがハマったのが実力だけでは決まらないパーティーゲームとしてのマリカの魅力が詰まっていたように思います。すいちゃん優勝おめでとう。
船長視点
配信の大天才、世界一楽しくマリカ実況が出来る配信者の鑑みでありホロライブの太陽だなと改めて思いました。
また月ノ美兎の話をしますが最後まで縺れた予選の最終戦、わたくしのゲーム配信史上もっとも喋らなかったわwと振り返るほど口数少なくレースに臨み見事に勝ち抜けるという一幕があったし、今大会だとホロライブ一の秀才である白上フブキがゲームに真剣なりすぎて配信者としての体裁を繕えないからと配信枠を取らずに大会に臨むという一幕がありました。
正真正銘トップクラスの配信者がそんな感じになっている中、宝鐘マリンとかいう配信者は2時間30分のマリカ大会配信枠中一生楽しくしゃべり続けた上で、3位表彰台に輝くという快挙を成し遂げてしまい、これはもう天才としか言いようがない。
あらゆる面で運がよかったのは間違いないですが船長の勝因についてもある程度解説できるのでやっていきます。
一番大きかったのは大会前日(当日深夜)にじさんじの竜胆尊ママとのマンツーマン練習でしょう。これはアクションゲーム上達の鉄則の話ですが上手くなるには一人で練習あるのみ───、ではなく上手い人の解説やプレイ動画をみて学ぶということはとても重要です。ゲーム慣れしているにじさんじの葛葉や叶がマリカの元ランカークラスの実況者にコーチを依頼して実力の底上げしたのとかが完全にそれですね。ゲームの裏知識や概念的な部分は上手い人に教えてもらわないと気づけない部分がほとんどなので。ちなみにあくあは椎名唯華(しぃしぃ!?)のマリカコーチを受け持ったことがあるレベルだったことからも別格だったことが分かります。
マリオカートサーキットやドーナツへいやなど走法を知っているだけで大きな差がつくコースを船長ファンである尊ママの発案で教えてもらって、実際それらのコースを当日引けるという船長の運の良さや人徳が為せたミラクルでした。
またマリカのセオリーとして構文的な言い回しにはなりますが上位を走っている程上位を走っていられます。これは次のわため視点でも解説出来るんですけど基本的に3位以上くらいは周りの状況を把握しやすく安定した環境になりやすいんですけど、5位以下くらいになると団子状態かつ攻撃アイテムが出やすく中位以下で永遠に足の引っ張り合いが続き、適切な打開知識を持ってない人が上位に上がりづらい環境が出来上がります。船長の場合コースガチャ運に加えスタートからほとんど揉まれず上位位置を取れたことでほとんどのレースで安定的に上位にキープ出来たことが一番の勝因だったかと思います。
まあそんなレース内容の解説以上に配信者としてずっと楽しくしゃべり続け大会を楽しみ続けていた宝鐘マリンの配信スキルや人柄に畏敬の念を禁じ得ないのですが。つよ杯の控え時間のグループ通話や大会インタビューの中でもずっと場を賑やかし続けて皆を笑わせ続け、最後のインタビューでも下位勢を煽り散らした挙句団長のぐう聖コメントカウンターでオチがつくという顛末まで含めて世界一面白いマリカ配信をする大天才だと思ったし、その上で自分のコメ欄にあくたん負けて涙と鼻血とまらん、みたいなしょうもな伝書鳩が沸いたときに優しい口調であくたんという大きな目標がいたからこそ大会が盛り上がったんだよと優しく諭していて、こんなあったけえ人がいるんだなぁと思いました。
努力を惜しまない人を天才と評するのに気が引ける思いもありますが、流石にここまで人を楽しませることが出来る天性の明るさはとんでもない才能だと思います。ざこ杯に落ちたはずの夏色まつりがつよ杯のグループ通話に紛れ込むという一幕がありましたが、後日ツイッターのサブ垢にてざこ杯に落ちて内心めちゃくちゃ凹んでいたけど船長の声を聞いて元気でた、船長と話すといつも楽しい気持ちになれるんだ、と語っていたのもエモでした。
そうやって2時間30分しゃべり散らして人を楽しませ続けた結果、緊張でしゃべりすぎちゃったと喉を悪くしてしまった船長の人間臭さもやはり愛おしくて、体を壊しがちな船長が健康第一で楽しく配信を続けられるようこれからも陰ながら応援しています。
わため視点
泣いた。わためが泣いて俺も泣いた。
前日(当日深夜)の練習風景を見ていて個人的に一番思い入れがあったので一番注目してみていたんですけど、予選はあらゆる面で運がなくてみてて苦しくなった。前日の練習をみていて走力的には十分予選突破を狙えるレベルだと思っていたしそれは本選のライン取りで十分に証明出来ると思う。その上で走力以外のアイテムや展開に対する知識の弱さが響くレース展開になってしまったのが本当についてなかった。
船長視点で話した通り中位以下は潰しあいになるので攻撃よりも防御アイテムを保持していることやアイテムを絶対に取り逃さないこと。抜け出す時は無敵アイテムなど履いて一気に駆け抜けるなど基本的な走力以外のゲームシステムを意識しなければ難しいのだけど、ホロ正月CUPにおいてそこまで意識出来るのは優勝候補に挙げられるレベルだけだと思うし、予選突破にそこまで求められるとは誰も思ってなかっただろうからやはり運が悪かったというしかない。
アイテムを剥がされ上位から中位にズルズル下がっていく間さらに運悪く赤甲羅を連続で受け続けるどうしようもなかったシーンやミューパの音符に5回連続で踏みつけられるなど、心が折れるような運の悪さが連続で羊に襲い掛かる展開は本当に見ていてつらかったし、なによりわため自身が一番辛かっただろう。ざこ杯が始まるまでの間、落ち込んで泣いてしまったわために俺から掛けられる言葉はなく、ただメンバーシープに加入することしか出来なかった。
そんな不安定な感情の中、ざこ杯までの間も配信を繋ぎながら一頻り感情を吐き出し、ざこ杯では見事3位表彰台に輝いたわための原チャリは本当にカッコよかった。
一度中位に下がってからまったく上がれなくなった予選とは異なりはじめから上位を維持出来たことによって安定的に上位を走り続けられるマリカのセオリーを体現したざこ杯での立ち回りだったように思うし、この大会についてかつての部活の大会のように本気で取り組んで泣いて笑って青春だったなぁと振り返るわためは金羊毛に輝いていた。
わためは悪くないよねぇ、むしろ本当にカッコよかったし、いつか彼女の努力が報われる機会が訪れることを願っています。
Watame No.1!!
主催TMT
主催の常闇トワ様の大会振り返り配信をみて、昨年のホロマリカ杯は加入時期的に参加できなかったけどずっとマリカ大会がやりたくてホロ加入初期からAちゃんに相談していたほどで一年越しの夢だったことや大会が盛り上がったことへの充実感に満ちていてとてもよかった。
大会前個人的にはハンドルアシスト不可のレギュに対して壊滅的プレイが多数予想される大会でそれは厳しすぎるんじゃないのと懐疑的でしたが、結果的にアシストなし故ちゃんと練習をしないと話にならないとメンバーたちが奮起したんだろうなというのが伝わってきたし、それぞれ何千何万人のリスナーの期待の後押しもあってさらに奮起したんだろうなと感じます。
個人的にフレアさんの初期練習風景をみて察し…と思っていたので予選突破まであと一歩のところまで行って大会後悔し涙を流すまでのレベルにまで成長していたことに感動しましたし、つよ杯後のインタビューではルーナ姫がマリカ練習の影響等で扁桃腺が腫れた調子が悪いガラガラ声で最後のレースで一位になれたのを喜んでいるシーンなど、見てなかったところでも様々なドラマがあったんだろうなというのが伝わってきて、本当に真剣で素晴らしい大会だったなぁと思います。
4戦決着というのも絶妙な調整だったように思います。これが6戦や8戦だったならおそらく実力差が収束してあくあが勝っていたのでしょうが4戦という短期決戦ゆえ一戦も落とせないという緊張感がありました。そんな中僅差で迎えた最終戦が潰しあい必至のエキサイトバイクに決まった時は震えましたね。
またホロ正月CUPの特色として予選のグループ分けを完全ランダムのあみだくじで決めるなど不確定要素は意識して盛り込んだとトワ様は話していました。レース中回線落ちした場合そのレースの得点は無効かつあくまで復帰出来たレースの合計で計算するという厳しいレギュで、今回奇しくも回線落ちしてしまったのがトワ様なのだけど、そういう不確定要素を含めたライブ感こそスポーツや配信業の醍醐味だしそういうドキドキ感が伝わったでしょとむしろ誇らしそうに振り返っていたのがもう信頼の塊でしたし、本来予選突破が難しいとされていたかなたと団長のライバル対決が組み合わせの妙でつよ杯にまで持ち越されたのも一つのドラマになりました。
自分はあくあ、すいせい、トワの三連複で予想していたのでトワ様の回線落ちがなければかなりいい線をついていたなと振り返るとともに、自分の結果よりも大会の盛り上がりの方を喜び、Aちゃんやミオママと共に大会運営に尽力していたトワ様マジTMTだと思いましたね。
やー任天堂さん、ホロ正月CUPは本当にいい大会でしたよ。
年々大会規模が増していくにじさんじマリカ杯や参加者の多くが来年またやりたいと語ったホロライブのマリカ大会。正月早々ビッグブルー200ccTT12時間耐久配信者がyoutube同接1位を記録するなどマリカ界隈の盛り上がりを感じる2021年この頃です。
8DXはあくまで2014年発売の8の追加要素Verなので7年近く新作ナンバリングタイトルが発表されていないマリカの完全新作が、次のアツい大会が開催される時期までに発売されまた新しい物語が生まれることを願って止みません。(シオンよ…次こそは…)
そういうことでまた次のホロライブマリカ杯解説記事でお会いしましょう。
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