憂いながらも進むこと
11月も今日で終わり。寒さも本格的になってきて、年末感すら漂ってきていますね。今日は前回の記事でおしらせしたとおり、僕らodolが11/17にリリースしたEP『pre』の曲について書こうと思います。曲順通り、まずは「幸せ?」という曲について。
今年出した『はためき』というアルバムに収録した曲たちをはじめ、ここ最近の自分は"真面目に"歌詞を書いてきたつもりだったので、肩の力を抜いて制作しようと歌詞を書き始めたのがこの曲です。そもそも音自体も5拍子を取り入れていたり、サビのメロディやビートが明るいものだったというのがその大きな理由で、なんだか久しぶりに言葉がすらすらと出てきた気がしました。
このnoteでも何度か同じようなことを書いたと思うのですが、人は"慣れる"生き物だと思っていて、そのことをこの曲では歌いました。例えば初めてギターを手にしたときのこと。ひとつコードを押さえられるようになり、なんとかもうひとつコードを押さえられるようになり、そしてそれらを順番に弾けるようになったとき、思い返せばそこには「曲になった!」という大きな感動があったはずです。
"素晴らしい環境に慣れる"という最たる例として、この曲では長い時間を共に過ごした恋人同士の関係を描きました。どれだけ幸せなことでも、何年もその時間が続けば人はその状態が当たり前になっていくもの。それは大多数の人にとっては事実なはずです。けれどそんな中、僕が歌いたいと思ったのは"今ある幸せに目を向けよう"ということではなく、人は新鮮さを失いながらも前を向き、ひとつひとつ受け入れ歩んでいくというリアルでした。韻を踏んだり、言葉のリズムを重視しながら書いたこの曲ですが、自分にとっては心の中の核心を突いたような曲になりました。"僕らはいくつかの失うものを憂い進んでいく"のです。
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