「かたちのないもの」を歌にして残すこと
こんにちは、ミゾベです。
6月はライブこそありませんでしたが、この「odol|backyard」を含め、odolにとってさまざまなことが動きだした一ヶ月でした。前回の記事にも書いたように、特に『WEFT』には向き合っていたなあと思います。リモートでインタビューを受けたり、ラジオ出演やコメント録音などもしたりしているので、引き続きお知らせしていきますね。
そしてついに、明日の0時(このあと本日24時)から、EP『WEFT』がリリース!!ということで、今回はその中から「かたちのないもの」についてお話しようと思います。
※「小さなことをひとつ」と「瞬間」についてはそれぞれこちらからぜひ!
「かたちのないもの」について
「かたちのないもの」は、UCC BLACK無糖「#この気持ちは無添加です」のキャンペーンのCMソングとして作った曲です。元からあった曲を提供するのではなく、最初からムービーの尺やコンセプトに合わせて、楽曲を制作していきました。
タイアップの楽曲における歌詞の役割とは「コンセプトに寄り添い切ること」ではなく、楽曲のなかで「コンセプトに対してのひとつの答えを出すこと」なのではないかと僕は考えています。
UCC BLACK無糖CM「それでも、」では、芸大受験に失敗した女の子とその父親のすれちがい、そしてまた未来を見据える瞬間が描かれています。一方で「かたちのないもの」の楽曲の中では、あえて具体的な情景は描かずに「心は、かたちのないものだ」と歌うだけにとどまっています。見えないもの、触れることのできないものを、ただ「かたちのないもの」と歌うことで、逆に、見えないけれど見たい、触れられないけれど触れたいという気持ちを表現しました。
UCC BLACK無糖 CM「それでも、」ver.
毎日の中 考えた
未来のあなたを
今も答えは 見つからないけど
この心も かたちのないもの
大切にただ 考えた
答えがないのなら
インスピレーションをくれたもの
キャンペーンに書き下ろした段階では、「かたちのないもの」は映像に使用された部分しかありませんでしたが、フルver.ではアレンジや歌詞もところどころ変わっています。フルの長さにしていく中で、新たに歌詞を書く作業は難航しました。ストーリーを付け足していくとしても違和感があり、そもそもすでにある部分だけで、楽曲の中で歌いたいことは全て言い切った感覚があったからです。
一言もフレーズが出てこない時間や、書いては消してを繰り返す中で、僕にインスピレーションを与えてくれたのは、楽曲のアレンジや他の楽器の音でした。
楽曲がフルになり、アレンジも固まってきたところで、この曲ではただ愚直に「かたちのないもの」を歌っていこう、という方向性が見えてきました。特に2番の「ゆっくりとまた歩き出す 時間は流れて」というフレーズは、ドラムのビートがタイトになり、ギターが8分音符を刻んでいるという、まるで道を歩んでいくようなアレンジを聴く中で、自然と情景が浮かんで生まれてきた部分です。そう聴くと、1番で歌ったことの整理がついて、また歩き出せるんだなぁと感じませんか?
「かたちのないもの」
毎日の中 考えた
答えはないけれど
何に託して 君へ送ろう
大切にただ 考えた
答えがないのなら
今はこうして 君へ歌おう
この心は かたちのないもの
この祈りは かたちのないものだ
ゆっくりとまた歩き出す
時間は流れて
君の歩む今日の道を照らして
この心も かたちのないもの
答えはないだろう
探していたのに
抱きしめていたこと
無くしてしまうのに
どこにだって有るだろう
僕にあるのは
君にだってあるのは
この祈りは
この心は かたちのないもの
明日は『WEFT』リリース日。YouTubeのodolのチャンネルで、久しぶりにメンバー全員での生配信と、明後日にはJ-WAVEの「SONAR MUSIC」へのコメント出演、このためにリモート演奏したライブ音源のオンエアがあります!そちらでもぜひお会いしましょうね。
そういえば、先週の日曜日、6/21は父の日ということで、数ヶ月ぶりに父に会ってきました。
タイ料理屋と蕎麦屋に行き、お互いの仕事の話をする中で、いまだに自分のことを「お父さん」と呼ぶ父を見て、人の親になるというのはどんなことなのか、考えたりしました。
みなさんは父の日、いかが過ごされたでしょうか。
コメントで教えてもらえたら、嬉しいです。
ヘッダー撮影:野本敬大