靴を磨くこと
こんにちは。
10月に入り、めっきり涼しくなってきましたね。蒸し暑かった夏が嘘のようです。
これからだんだんと寒くなり、重ね着をする機会が増えるにつれて、僕は革靴を履くことが多くなりそうです。
僕らodolはライブのときに、ドラムを演奏しなければならないマシ(垣守)以外は、革靴で揃えることが多いということもあり、革靴というものは、僕や僕らのスタイルにとっては欠かせない存在だと思っています。
(「退屈」という曲ではパラブーツのシャンボードという靴も歌詞に出てきます。)
革靴は、“レザーソール”というソールが革張りのものをはじめ、基本的に雨の日には履けないし、数週間に一度は手入れをしなければなりません。スニーカーに比べて繊細に扱わなければならないこの革靴という存在は、言ってしまえばすこし敬遠されているのかもしれません。
おそらく今はスニーカー全盛の時代といっても過言ではなく、実際に街ですれ違う人たちの多くはスニーカーを履いているように思います。
このnoteや様々な場所で言っているように、僕はビンテージの古着が好きです。なのでコンバースなどをはじめとしたスニーカーももちろん好きだし、履きます。しかし、ソールの交換ができる革靴に対して、スニーカーの場合はお気に入りだったものであっても、履いているうちにやがて寿命が訪れます。70年代や80年代のビンテージのスニーカーだと、加水分解という化学変化が起き、たとえ新品のまま保存されていたとしても原型をとどめていないことがあります。
しかし革靴の場合、ビンテージのものであってもタフです。50年代や60年代のものでも革はしっかりとしているし、ビンテージに限らずとも、手入れをして大切に履けば10年、20年と履くことができるものもあるのです。
革靴とスニーカー、どちらも大好きだしどちらにも良さがあるのですが、もしも一つを選べと言われたら、僕は10年、20年と共にできる相棒のほうを選ぶでしょう。
先日自分の靴を磨いている時に、この「自分の道具を、定期的に手入れをして長く使う」というスタンスは、僕らの音楽を作る時に前提としている「聴いている人の人生に寄り添い、長く聴いてもらえる曲を作りたい」という気持ちと近い部分があることに気がつきました。
僕らの音楽も、振り返ると一番古いものではリリースして5年。きっとその頃に出会ってくれた方にとっては、同じ曲でも当時と今とでは響きが違って聴こえるかもしれません。僕らの音楽も、いろいろな表情を見せ、聴いてくれる方の人生をともに歩む相棒となることを願っています。
(先日磨いたアルフレッドサージェントのストレートチップ。)