「小さなこと」を歌いたかった理由
こんにちは。ミゾベです。
今日は、明日リリース(デジタル・リリースなのでもう約1時間後!)の新曲「小さなことをひとつ」について、お話しようと思います。
素晴らしいヘッダーの写真は、24日リリースのEP、WEFTのジャケットもてがけてくださった、写真家の濱田英明さんによるものです。ありがとうございます。
odolでこの曲を作らせていただけることになった経緯を詳しく知りたい方は、ぜひ森山の書いたこちらの記事を読んでみてくださいね。
表現したかったこと
この楽曲で僕が表現したかったのは、
「僕たちが今生きている日常の美しさ」です。
曲の主人公にとっての「君」のように、僕らが作る音楽が、聴いてくれる皆さんの日常を彩ることができたら、というのは僕がふだん考えていることでもあります。
それらとradikoブランドムービーのコンセプトがとてもマッチしていたので、完成した歌詞にはデモを受け取った日に第一印象で吐き出すようにつけた仮の歌詞からいかした部分がたくさんあります。
3月10日ver.
今日が何の日だったとか
そうだ、どこ行こう?とか
ちょっとしたことばかりで
いつかみた夢の中
どんな意味があるとか
そんなくだらない話さ
夕方の光がそっと落ちていく
今日はちょっといつもよりも綺麗で
完成ver.
ちょうど今起きたから
どっか遠くの街へ
散歩してみてもいいかな
ゆうべ見た夢の中
どんな意味があるとか
そんな些細なことを言って
君の目が同じものを映すたび
大切なものが増えた気がした
3月10日に録った仮歌のデータが残っていたので、文字に起こしてみました。
また、歌詞のストーリーの中で、ガラリと時間帯が変わる大切な部分。
夕闇が君の影と混ざる頃
一日が終わることを思った
この2番のBメロの歌詞も、3月10日の仮歌からとったものです。
言葉探しに苦労したサビと3月の終わり
比較的スラスラと書けたAメロ・Bメロと比べ、この曲のサビのメロディには強い意思があるように感じて悩みました。
どんな言葉がいいのだろう、と考えているあいだにもだんだんと怪しくなっていく、世の中の雲行き。僕らが出演する予定だったライブも中止や延期を余儀なくされ、それまで当たり前だったことのかけがえのなさを感じました。
楽しいことをひとつしようよ
君と手を取り合ったら
ふたつめはもう持てやしないよ
欲張らなくていいのさ
そんな日々を僕らはずっと守ろう
大切なものが増えていくだろう
この部分は、この楽曲の「主題」でもあり、「主張」でもあります。
皆さんにはどのように響いているでしょうか。
楽曲を通して気がついた、自分の作詞のこと
メンバーや監督と歌詞についてすり合わせしていくにつれて、ふだん僕が書いている歌詞は、情景や風景を描写することによって、感情を暗示していることが多いということに気がつきました。
僕たちの楽曲で例をあげるのであれば、「大人になって」という曲では「君は優しい」ということを、「風が吹いて、頬をつねった君の手の温かさを、ただ思い出すのさ」と表現しています。
けれど、この楽曲では、「楽しいことをひとつしようよ」というようなストレートな表現にあえてこだわったように思います。このフレーズを思いついたときにはとても良い言葉、メッセージが浮かんだと感じた反面、ストレートすぎてこれを歌うのには勇気がいるなとも感じました。
でも、今年の4月や5月の状況が、僕に「伝える勇気」を与えてくれたのかもしれません。
Photo by HIDEAKI HAMADA
「小さなこと」をひとつ
僕にとって、とても真っ直ぐに自分の言葉を歌った楽曲ができた、とここまで散々お話してきましたが、ひとつだけ曖昧なままにした部分があります。
それは「小さなこと」とは具体的にはどんなことなのか、です。
きっと、この曲を聴いた人の数だけ「小さなこと」は存在します。大きなことや、ドラマチックなことではなく、ただ生きていく毎日の中での「小さな」優しいことや楽しいことが皆さんにとっても存在すると思います。
皆さんにとっての「小さなこと」をイメージしながら、ぜひ聴いてみてくださいね。
「小さなことをひとつ」
ちょうど今起きたから
どっか遠くの街へ
散歩してみてもいいかな
ゆうべ見た夢の中
どんな意味があるとか
そんな些細なことを言って
君の目が同じものを映すたび
大切なものが増えた気がした
楽しいことをひとつしようよ
君と手を取り合ったら
ふたつめはもう持てやしないよ
欲張らなくていいのさ
そんな日々を僕らはずっと守ろう
大切なものが増えていくだろう
きっとどこかの街に
僕と君と同じように
今日も笑っている人がいる
そんなことをほんの少し
想像してみるだけで
ふっと笑顔になっていくでしょう?
夕闇が君の影と混ざる頃
一日が終わることを思った
この日々が続くことを願った
優しいことをひとつしようよ
君の願う両手は
数えきれないほど
たくさんの誰かと繋がっている
そんな日々を僕らはずっと守ろう
大切なものが増えていくだろう
一日が終わるごとに思った