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去年の自分に伝えたいこと

突然ですが、僕は基本的にはアウトドアなタイプです。アウトドアといっても、キャンプをしたり、スキーに行ったり、というわけではないのですが、家でゆっくりしているよりも、何かしら予定を作って外に出ていくことが多いです。

明日の予定がないと不安になってしまうのかもしれません。だから、とにかく誰かを誘います(笑)。そして予定を作るときは、人から誘われて、というよりも僕から誘っての場合がほとんどなんです。

もちろんそれでも予定がない日はあります。そんな時は一人でふらっと散歩に出かけてみたりします。大学生の頃、高円寺に住んでいたときは、特に買うつもりもないのだけれど(すみません)高円寺の古着屋を回っていたっけなー。

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ときには吉祥寺や原宿に足を伸ばしてみたり。おそらくそんな性分なのでしょう。
家でゆっくりするか、とはならない。

しかし、去年の3月からは新型コロナウイルスの影響で、こんな僕も家に篭りっきりでした。今まではバンドメンバー同士集まってやっていた作業もリモートでやるようになったし、何ならその方が早い。わざわざ全員が予定を合わせるよりも、家からテレビ電話を繋いだ方が早い。

篭ってみればそんな暮らしも悪くなく、それまで必死に機材を運び、時間を気にしながらスタジオで録音していたものも、納得するまで家でゆっくり録れるようになりました。それに、身の回りのものを少しずつ揃えて、自分の”基地”のような家を作っていくのも悪くないと思ったりして。

そんな生活を始めてもう1年。最近ふと、去年コロナが流行り出した頃と同じ空気の匂いをかぎました。家の近くを歩いていた時のことです。
どんな匂いなのか表現するのは難しいのですが、匂いというのは不思議なものですね。なんだか去年の今頃、失われてしまった日常に、自分も何かしなければならない、と焦っていたことを思い出しました。

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そして我に返ったとき、僕は今生きている自分の暮らしに、マスクをつけながらでも街を歩く人の姿に安堵を覚えました。毎日家の中で過ごすことしかできなかった1年前、僕たちはどうしたら音楽を届けていけるのか、そしてそれ自体に意味があるのかという恐怖がありました。

それでも振り返ってみれば、去年の年末にはワンマンライブを開催しました。そしてこの6月にはアルバムを出すことができます。この1年間、音楽活動も生活も今までとは全く違ったものになりましたが、前を向けているからこそのアルバムでもあるし、何より1日1日が変わらず楽しかった。去年の焦っていた自分に教えてあげたいな、なんて思うほどです。

耐えきれないダメージを受けた方も大勢いらっしゃると思います。しかし僕は、どちらかというと立ち向かっていく人間の強さのようなものを見た気がしたな。もうあの頃の雰囲気に戻ってはいけないと思います。
もちろんウイルスの蔓延防止には気をつけなければならないけれど、恐れるだけでなく立ち向かいたい。前を向いていたいです。今の僕らを見ていてくれるみなさん、そしてこれから出会うみなさん、これからもどうかよろしくお願いします。

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