前を向き歩む日々に
今年も残すところあと2日。
僕の周りでは、今年を例年より短く感じている人が多いです。自粛期間もあったからかな。みなさんにとってはどんな1年になりましたか?
さて、僕たちodolは先週12/25に新曲「歩む日々に」をリリースしました。森永乳業さんのコーポレートムービーのために書き下ろしたこの曲ですが、作り始めたのは今年の2月。発表するまで約1年かかりました。大作です……!
(レコーディングのとき)
今日はそんな新曲についてお話しようと思います。
「歩む日々に」というタイトルにもあるとおり、この曲で歌ったのは「誰かと寄り添い人生を歩んでいく」ということ。一見当たり前にも思えるそんなテーマをあえて歌にすることは、僕にとってとても難しいことでした。
自分のことですらままならない今の時代に、他人のことまで考えながら、前を向いて進んでいこうと自信を持って言える人がどれくらいいるのでしょう。
綺麗事のようにも思えてしまうこの言葉を歌い、伝える自信をくれたのは、「老若男女を問わず、人生に寄り添う」というこのCMに込められた森永乳業さんの想いでした。
森永乳業さんの商品は、100年も前から愛され続けてきました。
これは並大抵のことではないと思うんです。そして、これから先の100年も、様々な方に商品を通して幸せを届けたいという想いを今回聞かせていただきました。
そんな想いのある企業の、想いの込もったCMの中で、自分の歌が流れているのを想像できたとき、僕自身にも勇気が湧いてきたのです。このお話をいただけたことで、この時代に自分が歌いたいことに真っ直ぐ向き合い、言葉を紡ぐことができたと実感しています。
この曲を作り終え、そして発表した今改めて思うのは、僕らの人生には影があるからこそ光があるのだということです。
込めたメッセージは、「誰かと寄り添い歩いて行こう」というポジティブなものだけれど、振り返って自分の歌った歌詞を見ていくと、葛藤や不安を表す言葉も入っていることに気づきます。
「ちゃんとしてみても、私は私のまま」と落ちこんだり、「愛している」ではなく「愛していたい」と願ったり。最後の最後にも、「分け合っていける」と言い切れず、「きっと分け合っていこう」と。
言わずもがな、人生は楽しいことばかりではありません。楽しいことも、嬉しいことも、悲しいことも辛いことも、誰かと一緒に分け合って生きていく。
きっと、それ自体が幸せなことだと思うんです。
新型コロナウイルスの感染拡大による自粛が本格的になる前に作り始め、発表するのに約1年かかったこの曲ですが、作り始めた頃と変わらず、歌詞の一語一語が僕にとっての”今”一番歌いたいことです。
先日お客さんの前で歌えたとき、本当に嬉しかった。
色々なことを失って、けれどそのぶん色々なことが新しく始まったこの1年。
僕にとっては有意義な1年にできたのかな、と振り返り思う年の瀬です。
歌を作り、届けることに向き合い続けられれば、これから先、届け方がどんなに形を変えたとしても、想いは変わらないはず。
向かい風がたくさん吹いていたからこそ、僕の道にとっての「前」がどの方角だったのか、確かめられた時間になったと思っています。
今年も、1年間ありがとうございました。
そして来年も、よろしくお願いします!
「歩む日々に」
ああ年をとって
ちゃんとしてみても着飾っても
鏡ごしに映った私は私のまま
もし隣にいても遠く離れても同じに
優しい眼差しであなたはあなたのまま
愛していたいずっと変わらず
ちゃんと胸の奥のほうで
どんな時間が経っても
どこに居て過ごしても
ねぇ笑っていたら
ゆっくりと空がかがやく
新しい一日をまた迎えられるんだね
今日だって晴れたのなら
同じに日灼けをしよう
もしも雨が降ったら
大丈夫なように傘を差そう
寄り添った肩が風に揺られて
近すぎる距離に不意にぶつかった
前を向く強さも肩の痛みも
生きていく中で人は分け合って
引っ越した町の
空気の匂いが似ていた
電車に揺られても
どこかがあの日のまま
もう一回答えを言うから
解き方だけを覚えて
この通りは迷うから
誰かの言葉でそう聞きたくて
あの日から今日まで
変わりなどなくて
明日また起きても私は私のまま
この目を通して前を見たなら
またあなたと同じの風に吹かれて
歩いていく意味も背負う重みも
生きていく中で人は分け合って
あなたと私が生きる未来に
出会うその全てをきっと分け合っていこう