泥酔
思うさま酒を飲んだ.どのくらいの量か,と言われればウイスキーを半瓶だ.ハイボールで飲んだ.明日も仕事という事実と向き合うとき,決して正気ではいられないからだ.
想うさま醜態を晒した.私は常々言っているのだが,飲酒というのは実際に酔っぱらう行為というよりは,むしろある程度(常識の範囲を超えない程度の)通常から逸脱した行為をすることが許されるための条件である.従って本当に酔っぱらっているかは関係ない.ウイスキー半瓶はそれなりの量だが,しかし本当に酩酊して前後不覚になる量には程遠い.あとはそのあたりの事を口走りつつ,ふらふらと歩き,言いたいことを放言すればよいのだ.
かなりの放言をした.親父は呆れと怒りの混じった口調で,もう仕事に行かなくていい,ただし仕事がない間もちゃんと8時には起きるように,そしてハローワークで仕事を探すように,と伝えてきた.
しかし仕事を辞めることは,そんなに簡単じゃない.だから,俺は今なお苦しんでいる.追加の酒を飲みつつ.いっそ急性アル中で死ねればよいのだが,生憎酒には強い体質だから,そう簡単には死ねない.
明日が来るのが怖い.