集英社_週刊少年ジャンプは現状の週刊連載の構造を止めるべき
結論:漫画の週刊連載は将来性がない、業界のドンである週刊少年ジャンプが率先して構造を変えるべき
私は熱心な『週刊少年ジャンプ』の読者です。『週刊少年ジャンプ』とは日本で一番の発行部数を誇る週刊漫画雑誌です。かの有名な『ONE PIECE』、『呪術廻戦』、『僕のヒーローアカデミア』などが連載されています。まさに漫画雑誌のキングオブキングです。
そんな大好きな『週刊少年ジャンプ』に今回は要望を出させていただきます。その内容は下記の通りです。
“漫画の週刊連載は現状の構造ではこれ以上の発展はないので構造を変えるべき、そしてその改革は業界のドンである週刊少年ジャンプが率先してやるべき”
週刊少年ジャンプには今までたくさんの感動をいただきました、ありがとうございます。上記のような発言は今までお世話になった週刊少年ジャンプに弓を引く行為かもしれません。しかしこの発言の裏には、大好きな週刊少年ジャンプの、漫画界全体のこれ以上の発展を願っているからこそです。ぜひご一読いただければ幸いです。
では行ってみましょう!
【週刊連載を止めるべき最大の理由】漫画家から搾取している構造に将来性がないから
以前から問題視されており、全くもって解決されていない問題かと思います。週刊連載という構造上、漫画家の健康を犠牲にして漫画雑誌が成立しています。漫画家の健康寿命を消費してひたすら作品を世に送り出すという構造が週刊漫画雑誌の構造です。
週一で漫画を書ことと健康の両立が無理ゲー
周知の事実ですが、漫画の週刊連載は過酷を極める環境です。
・年中睡眠不足
・年中運動不足
・座りっぱなしによる腰痛 etc,
なぜそういった状況になるのでしょうか?週一回20ページの漫画を出しているからですよね。過去に無理矢理成立させた実績をそのまま引きずっているのが現状です。
漫画家はイヤとは言えない(とくに新人や実績がない漫画家)
私は出版社と漫画家では出版社の方が圧倒的に優位な立場にいると考えています。もちろん尾田先生(ワンピース)、冨樫先生(ハンターハンター)などの例外は存在します。例外を除けば圧倒的に出版社が優位です。
新人漫画家や実績のない漫画家にとって”ジャンプで連載する”ことは千載一遇のチャンスです。連載できるなら全てを投げ出す覚悟の漫画家もいることは理解しています。なので、漫画家は週一の連載に文句を言わないし言えない状況になっていると推察出来ます。
現状の構図は上位立場である出版社が下位立場にある漫画家の健康を犠牲に漫画作品を世に送り出しているという構図です。
悪意を持った見方をすれば、「出版社は漫画家を使い捨ての道具として扱っている、出版社は漫画家の代わりはいくらでもいると考えている」と思われても不思議ではありません。
漫画家使い捨ての焼畑農業ではこれ以上の発展はない
この状況が変わらなければ業界としては衰退します。理由は『週刊誌で漫画を書くことを志す人材の質と量の低下』です。
インターネットにより情報が可視化されました。漫画連載の環境が厳しいことは周知の事実です。個人事業のプロフェッショナルな職業がある程度過酷であることは理解できます。しかし、あまりにも高い確率で健康を害すとなると選択肢として入ってくるでしょうか?別の手段を模索するのではないでしょうか。
世に自分の作品を出すという方法は年々多様化しています。単純に出版社の雑誌orデジタルだけの話ではありません。今は個人でSNSに上げて漫画を描くということも可能です。才能がある人ほど雑誌媒体にこだわる必要がありません。
現在は週刊の漫画雑誌が提供する知名度、実績がまだ機能しています。しかしその知名度や実績が通用しなくなった場合は、優秀なクリエイター(漫画家)が集まらなくなることが容易に想像できます。
これからはいかに中期・長期的に優秀なクリエイター(漫画家)を業界にとどまらせることが出来るか、また新しい人にどんどん入ってきていただくか、という視点で、創作活動の場を提供するべきではないでしょうか。
【提案】連載漫画の数を増やして、連載漫画家の定期的な休載を設定する
私は単純に漫画家の休載を増やすことが効果的だと考えています。
【具体例_現状】毎週休みなし
雑誌としては毎週20本の漫画を載せる。
連載漫画家を20人確保する。
上記20人の漫画家が毎週休むことなく連載する。
【具体例_提案内容】月に1回は休載できる
雑誌としては毎週20本の漫画を載せる。
連載漫画家を25人確保する。
月4回雑誌を発行する。
毎週20人の漫画家が連載をして、5人の漫画家は休載する。
(漫画家全員が4週に一度休載できる)
【提案内容(=定期的な休載)の懸念に対して】 懸念は払拭できる
週刊漫画雑誌で漫画家が毎週掲載しないことに対する懸念とその対応方法について考えます。まず考えられる懸念は下記の通りです。
雑誌としての価値低下
雑誌の売上の低下
漫画家の収入減
読者離れ
1.雑誌としての価値低下について
価値は下がりません、上がります。なぜなら漫画雑誌として質があがるからです。理由は連載している漫画作品自体の質が上がるからです。
漫画の質向上の理由は下記の通りです。
労働環境の改善により、より多くの連載を希望する漫画家が増える。(才能豊かな人が集まりやすい環境)
睡眠や運動といった脳にとって有効な時間を連載作家が確保できる。(作家の生産性向上)
反省点や改善点の洗い出しをするための分析をする時間が確保できる。(連載のPDCA)
毎週連載が載っていることで勝負するのではなく、よりクリエイティブな連載が載っていることで勝負するという方針にすれば問題ありません。
2.雑誌の売上の低下について
お目当ての漫画が毎週連載しないことで雑誌の売上低下が起きるかもしれません。しかし極端な極端な売り上げの低下は起きないと考えています。上記1.で書きましたが漫画の質が上がると推察しています。連載漫画の個々の質が上がれば雑誌の売り上げはキープできます。逆に上がる可能性もあります。
仮に売上低下につながったとしても漫画作品の質を上げることに注力し続ける方針で問題ありません。理由は下記の通りです。
雑誌の売上よりも、作品単体でのグッズ、映画、コミックなどの売上の方が収益性大。雑誌売上低下分を漫画作品の質が上がることで関連グッズでの補填が可能。
単体の漫画掲載有無で雑誌の売り上げが上下する体質の方が問題。複数の人気漫画を雑誌内で持てるようにすれば問題なし。漫画作品の質向上の取組を推進し実現すれば自ずと売り上げは回復する。
3.漫画家の収入源について
雑誌の原稿料は減るかもしれません。その分は下記の内容で挽回する方針で進めます。
コミックスや関連グッズ
プロモーション推進
漫画作品自体の質を上げることで、今より良い作品が世の中に出せるようになります。したがって原稿料低下分を、他の収益で確保します。
休載が増えるので今よりも多少時間に余裕が生まれます。その余裕時間で編集と一緒に効果的なプロモーションを考え、実行することが可能です。今よりも効果的なプロモーションを行うことでより多くのファンを獲得できる可能性が出てきます。より多くのファンをもつことで収益性が上がります。
(*注:編集は作者の時間を奪いすぎないようにプロモーションには細心の注意を払ってください)
4.読者離れ
休載が増えることで読者離れするのではないかという懸念がありますが、読者離れは起きません。
本当に好きな作品であれば月に3回読めれば十分だから
作品を雑誌に載せる以外にも読者との繋がりを持つ手段があるから
現代のトレンドの移り変わりは激しいです。毎週供給しないことは不利に感じるかもしれません。しかし私たち現代人は実際のところ激しいトレンドに疲弊しています。毎週読むことにそれほどこだわっていません。
今の時代は面白い作品を好きな人同士で一緒に考察したり、意見を言い合うことの方がはるかに重要です。
たとえ供給の回数が減ったとしても、読者を繋ぎ止めておく手段は漫画作品自体以外にも多数あります。SNSを軸としたインターネット技術が多数の手段を提供してくれています。
なぜ 集英社_週刊少年ジャンプが率先して週刊連載の構造を変えるべきなのか
理由はとてもシンプルです。週刊少年ジャンプが週刊漫画雑誌のトップだからです。トップが実行した方がいい理由は2つ。
業界への構造改革の影響(範囲・速度)が大きいから
業界としての強いメッセージになるから
どのような業界にも共通することですが、構造改革はトップが実行することが一番効果があります。自動車だったらTOYOTA、携帯電話業界だったらNTTドコモなど。小規模にやっても構造改革は達成できません。小規模に実行すると構造改革の途中で古い体質に戻ってしまう可能性もあります。関連するサプライヤー等のステークホルダーもトップの意向ということであればと本気で変革についていくことが出来ます。
漫画の週刊連載は今まで長い間古い体質でやってきました。その間に日本の国力も低下してしまいました。しかし、日本の漫画文化はいまだに世界でNo.1です。これから漫画業界は日本を支える、今まで以上に大事な業界の一つとして扱われます。今こそ漫画業界としてより中期・長期的に将来を考えるタイミングに来ていると言えます。この大事な時期に集英社が率先してメッセージを出すことで、業界全体として日本を引っ張っていくという力強いメッセージになるからです。
まとめ これからも週刊少年ジャンプを、そして日本の漫画業界を応援しています!
長いことお付き合いいただきありがとうございました。私はただの一読者です。毎週楽しみにしています。
同時に、以前から週刊連載という構造には違和感を感じていました。その違和感を解消できるにはどうしたらよいかというのを今回書かせていただきました。0.0000000000001%くらいの確率で関係者の方の目に留まるかもしれない。そういった気持ちで書きました。熱心な読者の一意見として受け止めていただければ幸いです。
日本の漫画に関わる皆様、いつもありがとうございます。
お体ご自愛ください。
ではでは。