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メンタルヘルスと運動②ヨガ・四股
前回、メンタルヘルスに対する運動の有効性と、継続しやすい運動とは何か?について記事をアップしました。
今回は、私が実践している具体的な運動をいくつか紹介します。
以前は運動にお金を掛けていました
私は30代後半まで、トライアスロンに熱中していました。
トライアスロンは本格的に道具を揃えようと思うと、かなりお金がかかります。ロードバイク、ウエットスーツ、ウエア等。大会は自然豊かな地方でやっていることが多く、移動費もかなりのものでした。好きでやってきたので全然良かったのですが・・・。
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そんな中、コロナ禍が一つの転機となりました。
医療・福祉の世界では、他の業界以上の感染対策が求められ、従業者の検温を含むバイタルチェックは徹底的に行われました。
私は、トレーニングやレースの後に発熱してしまう体質のようで、職場での検温で引っかかることがありました。また、ハードトレーニング後の免疫力低下が感染ウイルスのつけ入る隙を与える恐れもありました。
当時、自分の好きなことよりも接触するクライエントの命や健康の方が大切だと思い、コロナ禍が落ち着くまでトライアスロンを封印すること!
しかし、体を動かすことは好きだし、体を動かさないことが心身にマイナスの影響を与えることも分かっていました。何か代わりに続けられるよい運動はないかな?と考えるようになり・・・。ハード過ぎると発熱したり、免疫力が低下する恐れもあるため、運動強度をしっかりコントロールできる運動を模索。そんな中、強度は程々だがしっかり体に影響を与えられる運動をいくつか発見?(新しく編み出した訳ではなく、自分が納得して続けられるという意味)しました。
コロナ禍の時期は、ステイホーム、3密など言われており、自宅や人のいないところで気軽に出来る運動を社会全体で模索していた時期だったと記憶しています。
私が今、習慣化出来ている運動を2つ紹介します。
ヨガ
私はヨガと関わるようになって10年以上になりますが、社会の中でのヨガの認知度は年々高まっているように感じます。ヨガに関しては私が学んだ日本ヨーガ療法学会(日本ヨーガ・ニケタン)は一つのお勧めです(私自身ヨーガ教師の一人です)。しかし、ヨーガ療法に限らず様々な流派のヨガから自身に合ったものを取り入れるのが良いかと思っています。
私はヨガと向き合う姿勢として、「オフ・ザ・マット」という考え方を大切にしています。オフ・ザ・マットとは、スタジオやマットの外でもヨガを意識するという考え方です。ヨガのアーサナ(ポーズ・座法)は、スタジオやマット以外の日常生活のどこでも取り入れることが出来ます。又、ヨガを深く学んでいくとヨガとは単なる健康体操ではなく、呼吸、瞑想、マインドフルネスといった、人の心身に大きく関わるものであることが理解出来るようになるでしょう。
私が運動という観点から考えるヨガの良さは、体のあらゆる部分の筋肉に刺激を与えられるという点です。アーサナは数十種類(流派によって様々)あり、頭のてっぺんから足先まで体のすべてを使うことが出来ます。
ヨガの習得には一定の費用が掛かりますが、その後はスタジオやマット以外でも気軽に行えるようになるでしょう。経済的にもリーズナブルな運動の一つです。
四股
相撲の世界で古くから実践されている鍛錬のひとつです。「四股を踏む」といは、足を高く上げ地面を踏みしめる一連の動作です。相撲の鍛錬の基本中の基本というところです。
地味な鍛錬、相撲の世界だけのものという印象がありますが、スポーツの幅広い分野で注目されています。様々なアスリートも身体強化に取り入れている実績もあります。
大きな書店で相撲の訓練の書籍を探しましたが、空手、合気道、柔道といった他の武道と違い、相撲の訓練法を記した書籍は極端に少ないことが分かりました。相撲の棚には、力士の体験談や相撲観戦のポイントなどの書籍が多く並んでいます。
下記の書籍は、相撲の訓練方法を記した珍しいものです。
私の場合は、父が相撲の段位を持っており小さいころ稽古を見学する機
会が何度もあったため、四股や相撲の鍛錬は身近なものでありました(見ているだけでしたが)。
初めて四股を踏む人は、5回や10回でも相当ハードな運動になると思います。慣れてくると下半身が強化されていくことを実感出来、自分の体なのですが驚かされます。
勿論、お金は一切かからないので経済的な運動です。
ヨガと四股の共通点
経済的である、場所を選ばないという以外の、私が思うヨガと四股の共通点はマインドフルネスに入りやすいということです。私は、座って瞑想しているよりもヨガや四股で動いているほうがマインドフルネス状態に近づきます。※個人の感想です。
ヨガは仏教を含むインド哲学がベースになっており、その最終目標を自由の獲得=解脱だと言われています。相撲は、古くからの伝統・神事であり神聖なものです。日本の歴史の中で神と仏は混じり合いながら人々に信仰されてきた経緯もあります。
ヨガも四股も、マインドフルネス状態を作るための「道」を持っているのだと私なりの理解をしています。他日本の「○○道」のつく伝統芸などとも共通するかもしれません。
今のところヨガと四股を実践していると、多少のストレスには対応出来、心身のバランスは図れているのかなと思います。
次回は、ちょっと道具を使ったりするけれど、リーズナブルで手ごろな運動を紹介したいです。