40代福祉専門職「仕事」「家庭」「大学院」両立の記録④
今回は大学院シリーズの後半戦、論文作成~口頭試問について記事にしたい。これまでの記録は以下の通り。
ソーシャルワーカーとバーンアウトの関連について
私が学んでいた研究科の指導教員は、心理、福祉、哲学、宗教等、幅広い領域の人たちで構成されていた。私の研究テーマは『支援者の為のメンタルヘルス』だったこともあり、臨床心理学領域の先生から指導を受けることになった。
先生からの指導で、まず支援者という広い対象を絞り込むことになった。支援者と一言で言っても、福祉の領域ならケアワーカー、ソーシャルワーカーがいる。学校の教師も支援者だし、看護師や医師、セラピストも支援者である。検討の結果、支援者⇒ソーシャルワーカーに設定した。
さらに、メンタルヘルスという用語。範囲が広すぎるので、具体的な絞り込みを検討した。その結果、メンタルヘルスの中でもバーンアウト(燃え尽き症候群)に焦点を当てることになった。
『支援者の為のメンタルヘルス』というざっくりとしたテーマは『ソーシャルワーカーとバーンアウトの関連について』と絞り込まれ、それなりに整ってきた。
J-STAGEと向き合う日々
大学院で学んでから頻繁に活用するようになったのが、J-STAGE(科学技術情報発信・流通総合システム)。国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) が運営する電子ジャーナルプラットフォームである。国内の2,400を超える発行機関が、4,000誌以上のジャーナルや会議録等を公開しているため、レポートや論文作成の強い味方である。
修士論文に着手してからは、ソーシャルワーカー、バーンアウトというキーワードから関連論文を検索してはひたすら読み込み作業を繰り返した。
AIに疎い私は最近学んだのだが、ChatGPT(生成AI)にはテキストの読み込み⇒要約機能がある。この機能を上手く活用すれば、効率的に多くの論文を読み込むことも可能である。大学院にいる間に知りたかった!!と悔やまれるが、このAIを知らなかったから真剣に取り組めたのかもしれない・・・、と納得している(笑)
緊張の口頭試問だったが・・。
その後、要所要所で先生から指導を受け、ブラッシュアップを繰り返した。小石を一つずつ積んで山を作っていくような、地道な行程である。実際に論文を書き始めたからは思ったより順調で、修士2年次の年末には論文を大学に提出出来た。
論文を受け付けてもらってからは、口頭試問の準備に取り掛かった。口頭試問は、担当教員を含む研究科の先生方へのプレゼンテーションである。コロナ感染がまだ予断を許さない時期だったので、オンライン開催だった。研究科の中でグループ分けをされたのだが、私の組には専門学校の教員でもある学生さんが2人(看護学校、臨床検査技師だったと思う)おり、事前に行われた練習会の中でもレベルの高さが際立った。
出来の良い?人達に囲まれると必然的に緊張感が増してくるのだが、オンラインであるという点で少し救われたと思う。また、練習会や本番の口頭試問では、意外と堂々とプレゼンすることが出来た。自分の成長や努力の成果を客観的に感じられる機会にもなった。※職場でもSVや施設長やっているので、20歳そこそこの頃とは違うのは当たり前なのだが(笑)
大学院にチャレンジして得られたものは?
以下の3つは大学院にチャレンジしたことで私が得られたものである。これから大学院に目指そうと思っている方、迷っている方に参考にしていただきたい。
計画的に目標達成する力(レポート、論文作成は計画と実行の繰り返し)
エビデンスを基に伝える力(感情、個人の経験、勘との違いが明確になる)
自分の専門領域の深化(現場や資格試験では得られない領域だと思う)
次回は、私の修士論文を要約したものを紹介したいと思う。
『ソーシャルワーカーとバーンアウトの関連について』