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40代福祉専門職「仕事」「家庭」「大学院」両立の記録②
前回は、「専門職」「管理職」の仕事を両立しつつ、家計も考えた大学院選びについての記事をアップした。
今回は、具体的な研究テーマの設定について記事にしたい。
人材育成に携わって見えてきたこと
私は以前、社会福祉法人本部の管理職として職員(対人援助職)の人材育成に携わっていた。その時、対人援助職がストレスフルな環境に直面しているということに改めて気づいた。
改めてと表現したのには理由がある。私自身支援者であり業務を進める上でストレスを体感することはあった。しかし、支援チームや周囲の環境に恵まれていたこともあり、対人援助職としての職務やそれに伴うストレスをネガティブに捉えることは少なかった。ストレス以上に多くの達成感や喜びもあり、対人援助職としての職務をポジティブに捉えていた。
しかし、人材育成という形で多くの対人援助職(介護職員、相談員、障害者の支援員、看護師等)と関わっていると、別の景色が見えてきた。
『ストレスフルな業務・労働環境』
であると受け止めている対人援助職が多いということである。
具体的なストレスとして、
・クライエントの支援場面で生まれるストレス
(暴言や暴力、介護拒否など)
・家族や関係者調整などから生まれるストレス
(板挟みや無理な要求など)
・上司、部下、同僚との人間関係から生まれるストレス
(ハラスメント、コミュニケーション不足など)
・職務の特殊性から生まれるストレス
(職場に一人しかいない看護師や相談員の孤独など)
などのストレスが挙げられる。
私の主観だけではない。厚生労働省の2022年の調査では、精神障害等に係る労災補償の請求件数を業種別にみてみると,社会保険・社会福祉・介護事業が第1位となっている。メンタルヘルスに対して知識やスキルを有する対人援助職が、自身のストレスによって心身を蝕まれているという事実がある。
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支援者の為のメンタルヘルス
私はクライエントの支援に欠かせない対人援助職が、①何故ストレスを抱え込んでしまうか、②個人、組織で出来るメンタルヘルス対策とは、というテーマを研究計画に盛り込むことにした。
対人援助職がストレスを抱えてしまうと周囲に大きな影響をもたらす。本人の心身はもちろん、クライエントへの影響、所属する組織への影響など、対人援助に関わる機能そのものがダメージを受けることになる。私はこの問題について研究することが、結果的に対人援助職の支援の質の向上につながると感じていた。
さらに踏み込むと、この頃は支援者、そして管理職として行き詰まりを感じていた。
・自身の経験や国家資格者としてのスキルだけでは、何か足りない!
・もっとエビデンスに基づいた提示や人材育成がしたい!
・近代的な手法だけでなく、伝統的な哲学や思想を支援やメンタルヘルスに取り入れてみたい!
これらの思いも研究計画書に反映させた。
次回は、具体的な社会人の大学院生活について記載してみたい。