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40代福祉専門職「仕事」「家庭」「大学院」両立の記録⑤

 大学院シリーズの最後。完成した修士論文をChatGPTにて要約したものを紹介する。2年間、支援者の為のメンタルヘルスについて研究して得られたこと又、今後の課題についても述べたい。

『ソーシャルワーカーとバーンアウトの関連について』の要約


ソーシャルワーカーとバーンアウトに関する研究
本研究は、ソーシャルワーカーとそのバーンアウトの関連を探り、適切なメンタルヘルス対策の必要性を文献レビューを通じて明らかにすることを目的としています。
背景と現状
ソーシャルワーカーは、利用者支援に加えて、多職種や行政機関との連携も求められる役割を担っています。しかし、業務負担が大きく、精神的消耗感や個人的達成感の低下といった課題に直面することが多い職種です。特に福祉現場においては、過重労働や職場のコミュニケーション不足がバーンアウトのリスクを高める要因となっています。
方法
本研究では、「ソーシャルワーカー」と「バーンアウト」をキーワードにJ-STAGEで文献を検索し、152件の中から対象文献を14件に絞り込みました。対象は、ソーシャルワーカーのバーンアウトに関連する研究で、質的研究5件、量的研究9件を含みます。
主な発見

  1. バーンアウトの要因

    • 業務量の多さ、役割の不明確さ、コミュニケーションの不足が主要因とされます。

    • 個人要因として「ひたむきさ」や「他者と深く関わろうとする姿勢」が、環境要因として「過重労働」や「支援体制の不備」が挙げられます。

  2. スーパービジョンの重要性

    • スーパービジョンには教育的機能、支持的機能、管理的機能があり、特に管理的機能がバーンアウトの軽減に効果的とされています。

    • スーパーバイザーの育成や支援体制の改善が必要です。

  3. ストレスへの対応策

    • 支援者同士での支え合いや、グリーフケアで心理的距離を保つことがストレス軽減に寄与します。

    • バーンアウトに対する積極的なコーピング手法や専門職グループへの参加が有効です。

  4. 職場環境の影響

    • 長時間労働や多忙な業務がストレッサーとして挙げられ、特に利用者支援時間の不足がソーシャルワーカーに強いストレスを与えることが分かりました。

    • 上司や同僚からの支援、業務の進捗管理、職場内コミュニケーションの向上が重要です。

  5. ソーシャルワーカーのアイデンティティ

    • アイデンティティの確立は、バーンアウトの予防に有効です。特に、職業選択への誇りや専門職集団としての一体感が重要であり、これらが欠けるとバーンアウトリスクが増大する可能性が示唆されました。

考察と今後の課題
バーンアウトを防ぐためには、スーパービジョンを通じた適切な業務管理と、ソーシャルワーカー同士の支え合いを促進する職場環境が必要です。また、利用者支援と並行して行われる煩雑な事務作業や組織内調整がストレス要因となるため、これらを軽減する仕組みを整えることが重要です。さらに、ソーシャルワーカーの社会的地位や役割についての研究を深め、福祉先進国であるイギリスやアメリカとの比較を通じて、日本独自の課題を明確にすることが求められます。
本研究の成果は、ソーシャルワーカーのメンタルヘルス改善や支援の質向上に寄与し、福祉現場全体の働きやすさを向上させる可能性があります。

以上が論文の要約である。


メンタルの整った支援者のイメージ

スーパービジョン(管理的機能)の重要性

 研究計画作成の段階から、支援現場のメンタルヘルス課題に対してスーパービジョンが鍵になることは想定していた。研究の成果としてスーパービジョンの中でも、特に管理的機能が重要であると確認することが出来た。
 この結果は、私のスーパーバイザーとしての経験とも大いに重なる。支援者のバーンアウトという緊急的、危機的状況の中では、支持的機能教育的機能よりも管理的機能、すなわちスーパーバイザーのマネジメント力が問われる。

 一刻を争う時、「がんばれ~」的な支持も、「支援の仕事っていうのは~」といった教育はあまり効果的ではない。スーパーバイジーが何に困っているかを確認して、管理的機能をフル活用して問題を取り除くことが重要である。その問題は、時により過重労働かもしれないし、厄介なクライエント対策かもしれない。

ソーシャルワーカーは誇りを持って!

 社会福祉士、社会福祉士を目指す方はご存じかと思うが、資格取得過程で福祉経営福祉政策について学ぶ。ソーシャルワーカーの役割として福祉サービスや事業の経営、政策提言等が期待されているからである。

 日本のソーシャルワーカーと呼ばれる人の多くは、個別のケースに関しては大いに力を発揮する。しかし、残念なことに経営や政策提言といった局面になると謙虚なのか?遠慮なのか?私みたいな者にはとてもとても・・なのか?個別のケースと比べ積極的な人が少ない印象がある。私の周りでは、ソーシャルワーカーと言えば一匹狼で、世話好きで、いつも電話が鳴って走り回り、忙しいからデスクに書類が散乱しているタイプの人が多い。「忙しい!」「給料が安い!」と不満の多いソーシャルワーカーに、効率的なシステムや加算の仕組みを提案してみても、反応が薄かったりする。
※上記の話は、私の経験による印象なのてで、ここは統計や研究とは関係ない部分です(笑)世の中には、専門性、経営力、倫理観を兼ね備えたソーシャルワーカーは沢山いらっしゃると思います!!

 結果的に職場内でも、日本の社会の中でも、ソーシャルワーカーの立場は相対的に低く、『世話焼き』『便利屋さん』といった印象が強い。その専門性についても周囲に理解してもらうことが困難ば場合が多い。

 研究において、欧米のソーシャルワーカーとの立ち位置の比較を行った。その中で、日本のソーシャルワーカーの課題はまだまだ多いことを再認識した。社会の中の立ち位置が低い⇒アイデンティティが確立しづらいことも大きな課題である。誰もが努力をして職務に当たっていると思うが、努力の方向性は大切である。

 電話が鳴りっぱなし、走りっぱなし、残業しっぱなしの状況では、いつまで経ってもアイデンティティは確立できないのではないだろうか。ソーシャルワーカーは、クライエントの目の前の課題だけでなく、クライエントを取り巻く社会の全体像を把握することが必要である。

 ソーシャルワーカーが胸を張って仕事が出来る環境を目指したい!私自身の課題でもある。

 


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