地方の資産は、450兆円
地方人だけでも、金融資産を450兆円も持っている国が日本です。
これを活用する事が地方創生なんですけどね。
実は使える仕組みになっていません。
地方には投資先が無い。と言われます。理由がデフレ。
でもよく考えると投資しないからデフレなんです。
旧来のマクロ経済学では、民間投資ができない時は公共投資で需要を喚起することになっています。
これが有効な条件は、民間が貧乏で金が無い時です。
でも今は違う。地方には金はあるのです。だから公共投資が乗数効果を生まずすぐに貯金になってしまう。
コロナ給付金も大半はたぶんそのまま貯金になっています。
政府が景気刺激策を取っても使われず貯金になる。
どうしたらいいか?
地方には投資先が無いという認識が間違いなのです。
正確には地方には融資先が無い。
地方には投資の受け皿が無い。
私は、デフレの原因は、構造改革と金融検査マニュアルだと思います。
借金するな、経費は減らせ、公共部門の赤字はけしからんって言うのが構造改革。
金のあるやつにだけ金を貸せ、って言うのが金融検査マニュアル。
これでデフレにならない訳が無い。
政府がどんなに赤字国債発行しても、デフレは直りません。
何が欠けていたのか?
それは金融機関ので構造改革です。え!メガバンクができたじゃ無いか?三井と住友が合併したくらいだから、どこよりも構造改革が進んでるのでは?
と思っていましたが、とんでもない。地方の金融マンは未だに会社からガラケーも支給されていないし、メールアカウントも無い。
でもそんな事は、投資のできない銀行であることに比べたら大した話ではない。
日本の金融資産が活用されないのは、デッドだからです。豊かな社会で新しい投資先を作り出すには、エクイティでないと無理です。
信金の担当に問いかけてみると、
あんたら、毎年返済されてしまう金利1%以下の融資なんか探す競争していないで、返って来ない配当2%くらいの投資先見つけたらいいじゃないの?
うちの原資は定期貯金なんで無理ですよ。
だったら、0.03%の定期貯金じゃなくて、0.2%くらいの地域創生ファンドでも開発したらいいじゃない?
うちにそんなノウハウある訳ないじゃないですか?だいたい金融庁が認めませんよ。
それに、上場exitのない投資先に誰が投資するんですか?
って言うんですよね。
平成後半の20年は構造改革の時代。つまり借金減らして金儲け優先と言う理念の時代。
だから、投資と言うとVCみたいなイメージをみんな持つようになった。
反面、融資先は優良企業に限られるので金利は上がらない。
金融機関は、国債と海外運用先に資金の大半を回す。
儲からない投資など想像できなくなってしまった。
でも、儲からない投資こそ本当に必要な投資なのです。日本はそれで成長して経済大国になった。
私達の小学生の頃、子供貯金というのがあって毎月100円から1000円くらいを学校に持って行って、郵便局や信金の担当が集めて回っていた。
これは明治以来の国策なんですね。貯金奨励して日本国の自己資金を確保していた。
まだ、新幹線建設の時代には自己資金が無くて世界銀行から借りていたのが戦後の日本です。
そうやって集めた貯金を財政投融資に回して、国家の予算でできない高速道路や低価格住宅の供給をしていました。
つまり、儲からない投資で日本は豊かで格差の無い社会を実現したのです。
同時に成長する経済に通貨を供給する事でインフレの調整もできていた。
でもでも、高度成長がバブルを生み出し重層的な借金が日本経済を奈落に突き落とすことになる。
肥大した財政や特別会計が槍玉に上がり、財政投融資は廃止されました。
その究極が小泉内閣の郵政民営化、民主党政権のコンクリートから人へという政策です。
これはアベノミクス時代になって多少改善されて、震災復興需要もあり回復していますが、財投を含めた公共投資額でみるとまだ以前より少ない。
デフレ脱却には公共投資の増額だと言う意見には一理あります。
でも、それを言うなら財政投融資を復活させたらどうでしょう。
地方にはバブル期を遥かに上回る預貯金があるのです。
郵貯の預貯金の3分の1は、国債。3分の1は、海外運用。
農協の預貯金の4割は、海外運用、4分の1は、国債。
信金はさすがに貸し出しがまだ大きいのですが、中には貯貸率10%未満で、海外運用して職員はトレーダーなんてところもある。
と言っても、昔のような財政投融資はできません。低金利時代の地域への投資は別の形を取る必要があります。
それが地域法人へのITインフラ投資です。再生可能エネルギー投資もアリですね。
国内への財政投融資と言っても、高速道路が要るのは都市部、住宅ローン金利は最低レベル。
という事で、ITインフラ需要に投資したらいい。
実は、その分野には、補助金も各種なんちゃらファンドも政策金融公庫のほとんど無利子融資もいろいろあるじゃない?
って思いますよね。まぁペイできるところは、それを使えばいい。でもね供給側の投資は収益を生みますが、需要側の投資が収益を生むには、広域ネットワークの参加者みんなが投資してくれないと収益が出るのが遅れます。
つまり、設備投資の償却に収益が追いつかない。
中央のネット企業であれば逆に早期に償却して節税したいところですけど、地方の企業や医療介護教育建設農業などは、現時点で過剰投資になります。
顧客のアカウントレベルまでネット化できてはじめて収益が出るのがITインフラ投資なのです。
これは、中央のECやコンテンツビジネスなら元々アカウントのある人を集めてレバレッジかけるので収益が出ます。中央に居なくても例えばYouTuberでも同じです。
でも、地方やエッセンシャルワークだと顧客が地域のみんなだったりする。公的部門だとさらにそうなる。
だから、バラバラに投資されるITインフラでは赤字投資になりかねない。
対策としては、地域みんなで一斉に投資する。そして利用料を支払えばいい。一斉にリース契約するというてもありますが日本のリース相場は異常に高い。低金利時代硬直したカルテルみたいなものです。
それと、システムの利用方法やマーケティング思考での活用には、インフラ法人が設備して、オペレーションと分けた方がいい。
設備投資には償却期間があるので、これを再投資したり評価見直ししながら延長できる経営体制にしておかないと、どこからも利益が出せない事になる。
その辺りの見込みがまだ不鮮明なので、本格的な投資が進まない。
需要側がもたついている構造なので、供給側がどんどん投資を進めると、医療も教育もソフトバンクやGoogleにノウハウが集約されて益々地域の付加価値が搾取される心配があります。
儲からない分野には投資をするには、投資と経費を分ける。固定費リスクと変動費リスクを分ける仕組みが必要です。
インフラ投資法人には、長期融資かエクイティで民間資金を使えばいいと思います。
再生可能エネルギーについて、って言うかCO2排出46%削減とかEVカーへの流れなどについては、いろいろなサイトでも取り上げられるけど、これについての意見は書ききれないほどある。
でもそちらは他の方に任せて、容認してしまった上で、地方創生の視点でこの流れを生かすにはどうしたらいいか?
例えば、太陽光パネルや風力発電を地方以外の資本で作れば、付加価値は地方が得る事は少ない。せいぜい土地代金くらいの話になる。
では、自分で投資でして電気を起こすとどうなるか?自家消費したら設備投資がペイできない。電力会社に売れば今の買取価格では大した利益にならない。
46%という目標は、損してでもCO2を減らせ!というメッセージになっている。
これを損しないで、地方の利益になる方法を考える事がイノベーションになる。
ソーラーパネルと風力発電も設備自体は量産と技術進化でコストダウンが進んでいる。でも土地を整備して設置する部分まで含めると買取価格が45円から20円以下になったほどには下がっていない。
テスラの考えでは、再生可能エネルギーを蓄電池と自動車に蓄えて、自前の送電網で相互利用するというモデルだ。
この部分の議論が日本ではまだ進んでいない。蓄電池の性能とコストが送電網に比べてまだ劣るからだ。
でも、テスラでも中国でもトヨタなど国内でも全固体電池他の技術が進めば、分散型発電を蓄電池で貯めて相互利用する仕組みができる日は来ると思う。
例えば、カートリッジ型のバッテリーでEV車に利用する試みは今まで何度もあったけどコスト的に合わなかった。
でも、例えば民間屋根のソーラーパネルや、林道脇の風力発電でできた電力をその場で統一規格化されたカートリッジに貯めて、車でも家庭でも利用できるようにしたら、余った電力の流通システムができる。
同時に、普段は150キロくらいしか走れなバッテリーを積む安価なEVカーにカートリッジを追加して長距離走行が可能な車を作る方が効率的だと思う。
カートリッジ経由した電力システムなら、大規模な送電網が要らないので、電力の地産地消ができるし、地方でできた電力の直売も可能になる。
蓄電池の性能向上とシステムのスケール化で開発するテーマになると思う。
自治体と地方金融機関とトヨタさんで地域開発法人を作りカートリッジシステムの開発して欲しいと思う。
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