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シリモンコンが24年ぶりムエタイファイト、シーサケットも6回戦で判定勝ち~NKL boxing

プロボクシング元2階級世界王者のシリモンコン・シンマナサックは、2月23日にパタヤのMAX ムエタイスタジアムで行われた、ナコンルアンプロモーションの興行、NKL boxing に登場、シリモンコンにとって、24年ぶりのムエタイファイト3回戦をイランのメイジ・ヨートムエタイと戦い、これに判定勝ちした。

ナコンルアンプロモーションの興行は、パタヤのMAXムエタイスタジアムで実施(全6試合)

当日のNKL boxing は、元WBC世界スーパーフライ級王者のシーサケット・ナコンルアンプロモーション(シーサケット・ソールンビサイ)も出場する、プロボクシングのイベント。主催者側は、話題性も考慮して、47歳のシリモンコンの86キロ、クルーザー級ムエタイファイトをプログラムに組み込んだ。その他、WBCアジアフェザー級王者サターポン・サアートの王座防衛戦や、2月12日に名古屋で畑中建人と対戦予定だったタナンチャイ・チャルンパック(畑中の負傷で試合中止)のノンタイトル戦も行われた。

シリモンコンは2022年ベアナックルファイトのBKFCタイランドでクルーザー級チャンピオンとなったが、試合で右親指を骨折し、以降BKFCのリングには上がらず、シンマナサックジムの運営やトレーナー業に専念していた。

その一方で2022年のインタビュー時などで、「まだまだ戦える」と著者に語っていたのは確かだったが、まさかのムエタイでのリング復帰である。

↓ ↓ シリモンコンの前戦、ベアナックルファイトのタイトルマッチのレポート、インタビューはこちら。

シリモンコンは、テレビの解説者の説明では、ムエタイの試合については24年ぶりとのことだが、キックボクシングも含めると、2008年に韓国・ソウルで判定負けしたK1ファイトから16年ぶりとなるようだ。

この日、WBCアジアフェザー級タイトルマッチに出場したサターポンは、ウズベキスタンのイスロムベックスに判定勝ち。

メイン挌のWBCアジアタイトルマッチが終わると、続いてアナウンサーに紹介されたシリモンコンとメイジがリングに上がった。試合が開始されると、かつてバンタム級(53.5キロ)だったことが信じられない、シリモンコンの、86キロの大きな体は軽快で、意外に前蹴りがうまいことに驚かされる。37歳のメイジは前に出ようにも前蹴りで止められる。そして、時折見せるシリモンコンの右フックにスピードが乗っており、良いタイミングでメイジの顔面を捕らえそうになる。ローキック、首相撲もシリモンコンはうまい。

太目の体ながら動きは軽快なシリモンコン

ムエタイでは、シリモンコンは16歳の時に105ポンド(47キロ)でランシットスタジアムのチャンピオンになったそうだ。元プロボクシング王者の印象が強いが、元ランシットスタジアム王者の肩書も伊達ではないようだ。逆にイランのメイジはキックが少なく、パンチに頼る部分が多い。試合前のワイクルーでは、メイジがよりムエタイ選手らしく舞っていた印象で、シリモンコンはほとんどワイクルーを舞わなかった。

メイジはワイクルーはうまかったが、、

初回、2回ともシリモンコンが優勢、時折浅くヒットするメイジのパンチは重そうだが、スピードがない。シリモンコンのパンチのスピード、キックの技の多彩さにも驚かされる。

シリモンコンはトリッキーなキックやとび膝蹴りも披露

1月にラジャダムヌンスタジアムのRWSでメインを張った、タイ最凶ファイター、コントゥアラーイ・JMボクシングジムとシリモンコンが対戦してもいい勝負になるのではないかと思わせられた。(シリモンコンは麻薬密売の罪で収監中、同じく囚人だったコントゥアラーイのコーチをしていた時期もあるという。シリモンコン対コントゥアラーイは、師匠と弟子の対決となる)

    ↓ ↓ コントゥアラーイの1月の試合レポート

シリモンコンは、3ラウンドを通じて相手をよく見ていた。

3回、メイジはバッティング、頭がシリモンコンの鼻に当たる。これにシリモンコンの頬にキスをしてごまかすメイジ。そしてシリモンコンは、メイジの額にキスを返し、観客席が湧くという場面も見られた。

ノックアウトに結び付くような、決定的なパンチやキックはないものの有効打、優勢点でシリモンコンが上回り、ジャッジ3者が30-27のフルマークを付ける採点でシリモンコンが判定勝ちを収めた。まだまだ動けることを披露したシリモンコン、NKL boxing での再度のムエタイでの登場もある見込み。

個人的には、47歳のシリモンコンにとっては、怪我が多いベアナックルファイトよりもこの日のようなムエタイファイトが観ていて安心できるし、より彼に向いているように思う。

シリモンコンは、息子を抱きかかえ、判定の結果を待つ

この日、第2試合に出場したシーサケット・ナコンルアンプロモーションは中国のユン・ナーンを相手にプロボクシング6回戦を戦い、3-0で判定勝ちした。ノンストップの打ち合いで2022年6月の世界戦敗退(アメリカで当時のWBCスーパーフライ級王者、ジェシー・ロドリゲスに8回TKO負け)からの復調をアピール。なかなか現在のスーパーフライ級の世界戦線に割って入るのは難しいが、しばらくはノンタイトル戦を続けていく方針のようだ。

パタヤでのファイトの後日、試合を放送した8チャンネルのトーク番組に出演し、これまでの人生を語ったシーサケット

この興行の二日ほど後に、地上波テレビ、8チャンネルのトーク番組にシーサケットが出演、ナコンルアンのボスのスチャート氏も同席し、時々タイのゴシップ報道を賑わず、シーサケットのプライベートが明らかになった。

トーク番組でのシーサケットとスチャート氏

 ↓ ↓ トーク番組の詳しい内容については、以下のリンクを参照

スチャート氏はトーク番組でナコンルアンのボクシング興行について、(リニューアルしたNKL boxing は)ボクシングの試合だけでなく、ムエタイも混ぜた他にはないイベントとした。今回は、シーサケットも中国人選手と激しい打ち合いを見せて、面白いファイトをしたし、シリモンコンも判定勝ちした。今後、毎月、月末の金曜の17時から定期興行をパタヤのMAX ムエタイスタジアムで行うので、是非観て下さい(試合は8チャンネルで生放送)とコメントしていた。


※2月23日の試合は8チャンネルでの観戦、写真はNKL boxingのFacebookページとYoutubeより。photo from NKL boxing (youtube and facebook ) and 8 channel (Youtube)

 ↓ ↓ NKL ボクシングの動画(シリモンコンは1:18~シーサケットは0:14~)

 ↓ ↓ シーサケット出演CMの日本語訳


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