ガオプラチャンとセンアーティット姉弟がバンコク、ドバイで同日に勝利~2023年8月26日
ラジャダムヌンワールドシリーズ(RWS)では、現在、男子スーパーウェルター級、ウェルター級、スーパーライト級、ライト級、女子バンタム級で、それぞれ各階級で実績のある選手によるトーナメント戦「RWS Tournament 2023」を実施している。それぞれの階級の優勝者は、賞金300万バーツ(約1200万円)を手にすることができる。
8月26日に行われた女子バンタム級準決勝では、ルークサイゴンディンジムのムエタイ16人兄弟の11番目、ガオプラチャン・ルークサイゴンディンが登場し、トルコのセヴィギ・ヴェノムムエタイ相手に判定勝ちを収め、9月30日に実施される決勝への進出を決めた。
ガオプラチャン対セヴィキ゚については、152勝20敗というセヴィギはサウスポーで思い切りのよい左右ストレートを打ち込み、ガオプラチャンの顔面にヒットさせる場面も何度があったが、ガオプラチャンは時折パンチで打ち勝ち、左右のヒザをボディに当ててダメージを与えた。2分3ラウンドを戦い抜いた。
パンチ主体で見ると1-2は、セヴィギが上回っているように見えたが、ヒザやキックなどの攻撃、ムエタイのテクニックで、全体ではガオプラチャンか。3回はガオプラチャンが左ストレートをクリーンヒットさせ、セヴィギを後退させて会場を沸かせた。実力が拮抗した両者の試合だったが、試合終了後勝利を確信したガオプラチャン陣営は、彼女を肩車をして勝利を確信した様子だった。採点は29-28、30-27、29-27の3-0でガオプラチャンの手が上がった。
勝利の瞬間に妹たちの姿も映しだされたのと、ロッタンとアイダ夫婦もリングサイドから声援を送っていた。アイダは、昨年行われた女子フライ級トーナメントに出場したが、その試合が記念すべき、ラジャで行われた女子選手の初試合となった。(ラジャダムヌンスタジアムは、創設以来77年、女性がリングに上がるのを禁止していた)
この日、ガオプラチャンのセコンドには16人兄弟の6番目にあたる兄、ヤヤー(ペットスリヤー・シンワンチャーのリングネームで日本で太尊康輝と対戦)が付いており、兄弟の絆で獲得した勝利とも見るものの眼には映る。
そして、この日、女子バンタム級では、もう一試合の準決勝についても行われており、ソムラッサミーがガムライペットを判定で下し、決勝戦はガオプラチャン(左)vsソムラッサミー(右)に決まった。
9月30日のRWSでは男子ライト級、男子スーパーライト級の決勝戦も併せて行われる。
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そしてこの8月26日は、もう一人のルークサイゴンディンもリングに上がった。兄弟の14番目のセンアーティットは、ドバイで自身の持つWBAアジアスーパーライト級王座の防衛戦を行った。
このイベントには、センアーティットと同じTL&ギャラクシープロモーションに所属する、WBAアジアスーパーウェルター級王者のティラチャイ(テワ・キラム)も出場した。
ティラチャイは中国のバイシャンボ・ナスイウラ(5月に湯場海樹に10回判定負け)に9回TKO勝ちを収め、節目の50勝目(50勝1敗)を挙げた。センアーティットは、これまで8戦全勝の中国のリ・クワンワン選手を相手に終始優勢で試合を進め、3回には左フックで2度ダウンを奪い(1度目はレフェリーが見逃し、ノーカウント)、大差の判定勝ちを収めてWBAアジアスーパーライト級9度目の防衛に成功した。
センアーティットはこれでプロボクシング戦績は19戦全勝となった。16歳でデビューし、19歳とまだ若い。身体に柔軟性があり、安定感はある反面、決定力が不足している印象を受ける。
そして今回の勝利から間もなく、センアーティットのスポンサーのボクシング、ムエタイグローブやユニフォームのメーカー、「YOKKAO」のフィリップ・ファウンダーがセンアーティットのアメリカ進出の手助けをしたいとバックアップを表明した。
「YOKKAO」は、センアーティットのアメリカ本土での長期間練習及び、現地プロモーターとの交渉、試合出場なども行っていく方針で、センアーティットはこれまで契約していたTL&ギャラクシープロモーションと袂を分かつこととなった。
現在、スーパーバンタム級のチャイノイ・ウォラウット(WBC世界スーパーバンタム級3位)と合わせて、ボクシング界の二大ホープとも言えるセンアーティット、新しい環境で今後、世界に肉薄していけるのか興味を引くところである。しかし、最新のWBA世界ランキングでは、これまで9位にランクされていたセンアーティットの名前がなく、世界ランキングから落ちた模様だ。
※試合はYoutubeなどで観戦、photo credit= RWS - Rajadamnern World Series
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