スーパーレックがゴントラニーと対戦、スアブラックは危険な再戦に挑む~6月28日にONEが豪華興行
格闘技団体ONE Championship は毎週金曜日に開催の定期興行・" Friday Fights" をバンコクのルンピニースタジアムで行っているが、6月28日(金)の”Friday Fights68”は、普段、メインイベント、セミファイナルで行われるような対戦カードを9組並べた豪華興行となっている。
この日のメインイベントはプラジャンチャイ・PKセンチャイがジョナサン・ディベラを相手にONEキックボクシング世界ストロー級王座防衛戦を行うが、セミファイナルには東京での武尊戦以来の登場となるスーパーレック・キアトモー9がゴントラニー・ソー・ソンマイとフライ級3回戦(ムエタイ)で対戦する。
※ONEストロー級=56.7KG、同フライ級=61.2KG、同バンタム級=65.8KG
スーパーレック対ゴントラニー
ゴントラニーはONEではこれまで、9戦8勝(3KO)1敗の戦績を誇る27歳の長身のサウスポー。まだタイトルマッチには絡んでいないが4月の前戦ではジャオスアヤイ・モー・クルンテープトンブリーからダウンを盛り返しての判定勝ちを収め、ONEと10万ドル選手の契約を結んだ。
スーパーレックはONEの看板選手の1人であり、タイを代表するムエタイ選手の一人でもある。これまでONEで14戦13勝(3KO)1敗、ONEキックボクシング世界フライ級チャンピオンでもある。9月にアメリカ・デンバーでのONE興行で、ONEムエタイ世界バンタム級王者のジョナサン・ハガディー(イギリス)へのタイトル挑戦が決まっているが、それを前に危険な対戦相手を選んだ形となった。
ゴントラニーは「もしもスーパーレックに勝てれば、(スーパースターへの)高速道路を行くようなもので、それは私の人生を大きく変えるでしょう。人生を次のレベルに引き上げて、人々は私のことをもっと知るようになる」と、ONEのオフィシャルインタビューで話していた。ゴントラニーは、決してスーパーレックと比べて格下ではなく、かつてはラジャダムヌンスタジアム認定のスーパーバンタム級、ライト級の2階級でチャンピオンとなった実績もある。
昨年2月にONEに参戦し、2戦目のペットスクンビット戦に判定負けしたが、その後は7連勝を飾っている。ONEと1試合10万ドル契約を勝ち取って、初戦がビッグネームの”スーパーレック戦”となった。
「ONEがスーパーレックとの対戦を打診してきた際には、すぐに試合を受けることにした」というゴントラニー、「世界レベルで自分を証明するチャンスである」とも話している。
今回は、武尊戦よりも練習を積んでいる~スーパーレック
そして一方のスーパーレック、1月28日のONE日本大会で、武尊の挑戦を受けて勝利して以来の実戦となる。「ゴントラニーはONEで9戦して、まだ1敗しかしていない。毎試合成長しており、油断できない相手。勇敢な脚運びとパンチ、キック、ヒジ、ヒザ、どれもスムーズに出てくる。フットワークも良い。この試合に向けて、武尊戦よりもきつい練習を積んで来た。私は対戦相手を低く見たり、「大体こんなものだろう」と済ませることはない。ゴントラニーの能力を信じている」とONEのオフィシャルインタビューで語っていたスーパーレック、ゴントラニー戦に向けて準備は万全の様子だ。
「私のチーム皆、対戦相手の悪口を言うことはないし、リングの上では最大限注意していく。それはこの試合に勝ちたいから。自分自身のランキングは1位(ONEフライ級ランキング(ムエタイ))なので、まずはそれを維持したい」としている。
スアブラック対キアムラン2がONEのリングで実現
そして6月28日のONE興行で、因縁の相手キアムラン・ナバティ(ロシア)との再戦に挑むのが、スアブラック・トープラン49(スーブラックとも表記)である。
スアブラックは昨年6月にONEに参戦後、6戦6勝(4KO)と乗りに乗っている選手で、ONEとは1試合10万ドル契約を結んでいる。
しかし、ONE参戦直前のロシア遠征では、キアムランと対戦して、初回30秒足らずで顎にヒザを喰らってKO負けを喫していた。キアムランも現在、ONEに参戦し、2勝、通算では20戦20勝(7KO)でロシアの団体RCCのチャンピオンでもある。
6月24日に、タイのテレビ局Thai PBSのトーク番組に出演したスアブラックは自身の生い立ちを語ると共に、ロシア遠征でのエピソードも披露していた。
「ロシアはとにかく寒くて調子を崩していた。戦える状態ではなかった」と説明していたスアブラックだった。「私がキアムランの無敗記録を破ることになる」とONEのオフィシャルインタビューでも語っており、再戦には自信がある様子だ。
ONE参戦に結び付いたスアブラックのSNSでのアピール
スアブラックがThai PBSでのトーク番組で披露していたのは、これまで著者がNOTEも扱ってきたエピソードが殆んどであったが、ONE参戦のきっかけについては語っていた内容が興味深い。(エピソード例=ペッブリーカレン族の出身、カレン族の村にスアブラックムエタイジムを作ったなど、、。文中リンクのスアブラック過去記事を参照下さい)
当時、ONEではない他のムエタイ興行などに出場していたスアブラックだったが、「ONEの試合中継を観ていたら、かつて自分に負けた選手が出ていて活躍していた。FACEBOOKに「俺にはチャンスがない。3ラウンドのムエタイは自信があるし誰にも負けない。チャンスが欲しい」と投稿したら、ONEから来月出られるか?と連絡が来た」と、SNSがきっかけでONEへの参戦が叶ったとしていた。
ONEでは観客を熱狂させる連続KO勝利で、10万ドルファイターとなったスアブラック、キアムランへのリベンジが叶えば、タイトル戦へも道が開けていくのではないか。
※6月28日のONE興行では、3月の初戦で両者合わせて5回のダウン応酬という激戦(ポンペットの判定勝ち)となった、スリヤンレック対ポンペットの再戦、元RWS王者シャドウ対ジミー・ビエノ戦なども個人的には注目している。当日はルンピニースタジアムで現地取材の予定。
↓ ↓ スアブラックが出演したThai PBSのトーク番組 ”Made My Day”
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