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THE FIGHTER NEXT GENERATIONで、ジョーカー、チャイヤプックが躍進へ〜タイのプロボクシング

プロボクシングの新人発掘イベント、"THE FIGHTER NEXT GENERATION "が12月2日にバンコクのSPACE PLUSで行われるが、このイベントで、タイ地下格闘技のカリスマ、ジョーカーや、このブログで何度か取り上げたチャイヤプック・チャイニコムが出場する。

12月2日、ジョーカーはジュリアノ・ファントン(仏)、チャイヤプックはジャン・イオソン(中)と対戦する。

THE FIGHTER NEXT GENERATION は、タイの老舗ボクシングプロモーションである、TL &ギャラクシープロモーション が手がける月一回のイベントで、これまでWBAアジアなどの地域タイトル戦を中心で行われてきたTHE FIGHTERから、新人選手の発掘を目的とした”NEXT GENERATION”へ、新しい展開を始めている。

これは、THE FIGHTER の看板選手であったスーパーライト級世界ランカーのセンアーティットの離脱や、ウェルター級で世界挑戦経験もあるティーラチャイ(テワ・キラム)の引退が続いた事情も響いていると思われる。

ダン(バンタム級)やジョムオー(フライ級)といったWBAアジア王者も同プロモーションが契約しているものの、9月、10月、11月と続けて”NEXT GENERATION”を開催した。試合は四回戦が中心で、三回戦で行われることもある。一般層に向けた起爆剤として、今年7月に三浦孝太とRWSで戦った、タイ地下格闘技の有名選手ジョーカーを起用し、このイベントでプロボクシングデビューさせた。

ファイトクラブタイランド(2022年アユタヤ大会)
対戦相手に挑発的な笑みを浮かべるジョーカー

ジョーカーの10月14日のデビュー戦では、イラン選手を相手に1ラウンドKOの速攻劇を演じたジョーカーは「世界タイトルを狙う」とリング上でコメントしていた。ファイトクラブタイランド、もしくはRWSでの三浦孝太戦で魅せていたような躍動感も見せ、可能性を感じさせた。(以下はジョーカー出場のファイトクラブタイランドと、三浦孝太戦のレポート)

11月4日のNEXT GENERATION では、ジョーカーは早くもプロボクシング第二戦を戦い、判定勝ちでデビューから二連勝となった。階級は59キロ契約としている。

10月のデビュー戦のジョーカー
11月の2戦目の白星を祝う、プロモーターのテリー氏とジョーカー

この日は低いガードから単発で中国人ボクサー、ル・ファボ―にパンチを打ち込むジョーカー、ル・ファボ―共に手数が少なく、これといった見どころもないまま、4ラウンドが終了した。ガードやパンチの打ち方など、初戦ではまだ分からなかった課題が明白となった。これでプロボクシング戦績は2戦2勝(1KO)となった。

基本的に無観客のテレビマッチで行われるNEXT GENERATION の広告塔として、話題選手として、地下格闘技のカリスマ、ジョーカーの知名度は活用できるが、課題がこのままでは頭打ちとなる。しかし、数々のアンダーグラウンドの戦いに身を投じてきたジョーカーが、ボクシングのテクニックを習得して、今後どこまで伸びていくのか興味深い。

12月2日のジョーカーの対戦相手はタイで活動するフランス人選手、ジュリアーノ・ファントンで、ジュリアーノはこれまで3勝(2KO)1敗の戦績を残している。

11月4日は、これまで6勝(3KO)1敗のスーパーライト級、チャイヤプック・チャイニコムが登場し、TL&ギャラクシープロモーションが押すアサユトン・パヌマーンとの対戦した。チャイヤプックはタイでは数少ないボクシング専用ジム、THE BOXでトレーナーを努めながら、選手活動を続けている25歳。今年4月には大阪遠征も経験している。

アサユトンは、アマチュアの元タイ代表チームの左ボクサータイプでチャイヤプックと同じ25歳。デビュー戦はTHE FIGHTERの3回戦トーナメントに出場し、判定負け。その後、三年ぶりに再びプロボクシングに挑戦するとして、NEXT GENERATIONで二連勝を飾り、ここまで2勝1敗。

プロ経験で上回るチャイヤプックが、ややアンダードッグと見られていたものの、これまでの7戦(6勝1敗)のキャリアを活かして、サウスポーのボクサーファイターのスタイルから、力強い攻撃を終始見せての判定勝ち。アサユトンは長い距離からのジャブでチャイヤプックのコントロールを試みたが、初回の開始早々に良いパンチ(右ストレート)を顔面に当てて、チャイヤプックのバランスを崩すも、全体を通じてオープンブロー気味で有効打は少なく、逆に押し込まれるシーンが目立った。

力強いパンチがアサヌトンを襲う

チャイヤプックは、今年4月での大阪の野口海音戦の悔しいKO負けからこれで2連勝を飾った。(以下は野口戦と再起第1戦のレポート)

先日、チャイヤプックに直接話を聞いたところ、この試合を振り返って「アサユトンより、大阪で戦った野口さんのほうが強かった。アサユトンはアマで実績があり、パンチも強かった」とコメント、12月2日の試合については、中国選手が相手だが、アマチュア出身のアサヌトン、そして大阪での野口と、今年に入って強敵との対戦を経験しており、「自分自身にフォーカスするだけ。中国選手は僕のレベルには届いていないと思うけど、対戦したら想像よりも強かったということもある。きつい練習をして、勝利を収める」とした。

判定勝ちを告げられるチャイヤプック(11月のNEXT GENERATIONより)

12月2日は、チャイヤプックは最終試合での登場となる。ジョーカーと並んで今後、THE FIGHTERの顔となるのか、WBAアジアなどの地域タイトル戦に絡んでくるのか、注目したいところ。

また、8月のNEXT GENERATIONでは、日本人ボクサー、成上清人がデビュー戦(3回戦)を行い、地元タイのカシクリットに3ラウンド判定勝ちしている。THE FIGHTER は毎月第1土曜日の昼間(日本時間17時など)に行われ、テレビ生中継もある。TL&ギャラクシープロモーションのFACEBOOKページや、YOUTUBEでも配信があり、日本からも視聴可能である。

タイでデビュー戦に勝利した成上(8月のNEXT GENERATIONより)

※8月、10月、11月のNEXT GENERATIONは、ネット中継での観戦、写真は、TL&ギャラクシープロモーションのFACEBOOKページより。

Photo credit : TL & Galaxy Promotions

↓ TL & Galaxy Promotions (facebook)

↓  11月4日のTHE FIGHTER NEXT GENERATION全試合 

↓ 10月14日のTHE FIGHTER NEXT GENERATION、ジョーカーデビュー戦


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