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嗣ぐまれる刺激

炭酸のあの刺激が苦手だった。飲みづらいとしか感じなかった。
初めて飲めるようになったのはいつだったか、記憶をたどる。

小学校時代の夏休み、初めて友達だけで近所の夏祭りに出かけた時
みんなは出店で氷水に浸かった「三ツ矢サイダー」を買っていた、
僕はいつも通りオレンジジュースを取ろうとしたが、なぜかその時
同じようにサイダーを選んだ。
仲間外れが嫌だったのか、注目されるのが嫌だったか今では覚えていない。

祭りの騒音から外れて、学校やゲームの話をしていた。
その中でみんなに気づかれないように、少しづつ飲んだ。

親は知らない、少し悪い事をしたような感覚と、
あの刺激を受け入れれた自分の変化に対する喜びを微かに覚えている。

今僕には、2人の子供がいる。
上の子は炭酸は飲んでいるが、下の子は僕と同じように苦手だ。
いつか飲めるようになった時、
少し誇らしげな顔をしているかもしれない。

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