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復帰プログラム 39

教室は少し肌寒い秋の風が窓から吹き込む中、社会科の授業が静かに始まった。教師は黒板の前に立ち、前回の江戸時代の治水についての話題を振り返りながら、かつての奉行たちが洪水を防ぐためにどれほどの熱意で取り組んでいたかを語り始めた。児童たちは真剣なまなざしで聞き入っていたが、「洪水がなくなってほしい」「もし失敗したらどうしよう」と、小さな声で感想を漏らすのみで、話題は深く広がることはなかった。教師は、もっと多くの意見を引き出せるように、もう少し詳しい背景の説明が必要だったかもしれないと感じた。

続いて、明治時代の治水工事の映像が流れた。しかし、映像の進行が予想以上に速く、児童たちの表情には戸惑いが浮かんでいた。教師はすぐに黒板に要点を箇条書きにし、わかりやすくまとめていった。ひとつひとつの言葉が、児童の目に新たな理解の灯をともしていく。そして、最後には現代に至るまで洪水対策が続いていることを話し、歴史の繋がりについて考えてもらえるよう、過去と現在を結びつけた。

次の算数の授業では、数が1ずつ増えない表を取り上げ、グラフの活用方法を提案したが、児童の中には「書き方が難しい」と不安げに訴える子もいた。そこで教師は、表を0まで伸ばす方法も教えながら、丁寧に補足説明を行った。グラフからどんな情報が読み取れるかを尋ねると、児童たちの小さな声が次々とあがり、増加量や縦軸・横軸の見方についての理解が深まっていく。

一方で、タブレットの画面を大型ディスプレイに映し出していたが、遠くの席からは見づらい様子だった。授業後に管理職からも、「板書の方が見やすいかもしれませんね」とアドバイスを受けた。教師は、次回からはさらに視覚的な工夫を加え、全員が見やすい授業にしようと決意を新たにした。課題設定が完了するまでは教科書を開かない方針をとり、児童が自由に考察し、書き込める空間を大切にしていた。

特別支援の算数の時間になると、教室の空気がまた少し変わった。教師は、「割合」という少し難しい概念をわかりやすく教える工夫を凝らしていた。2つのデータを比較し、同じ差でも割合にするとどれほど異なる増加具合に見えるか、具体的に説明した。その後、児童がゴムを使って実際に伸び具合を確かめることで、わり算によって増加を視覚化できるよう導いた。

さらに、試合数が異なるチームの勝ち数を公平に比較する方法も教えた。赤や青の丸で視覚的に整理することで、公式「割合は比べる量÷もとの量」をわかりやすく示し、児童の理解を深めた。練習問題に取り組む中、彼らの自信に満ちた表情が印象的だった。シンボルを頼りに答えにたどり着くたびに、児童たちは「できた!」と小さな歓声を上げ、教師の心にも小さな誇りが灯るようだった。

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