【読書感想文】オペレーション トランスフォーメーション

結論

帯買いしたが、私が期待していた内容ではなかった。あくまで個人的な感想としては、経営戦略・オペレーション戦略のいずれの分野についても、考察が浅く、具体性に乏しい。

著者は経営コンサルタントであるにもかかわらず、本書の中で具体的なクライアントのケーススタディが登場しない。

コンサル会社で何らかの成果を上げ、パートナーとして書籍を出版する場合、クライアントから了承を得た上で、具体的なビジネスケースを著書で紹介すべきだと考える。

なぜなら、会社そして自分自身の成果をPRすることで新たなビジネスに拡大することができるからである。

しかし、繰り返しになるが本書の中で具体的なクライアントのケーススタディが登場しない。

著者を検索エンジンで検索した際、コーポレートHPと書籍に関する検索結果のみ表示されており、具体的なコンサルタントとして業務に関する成果やアウトプットを確認することができなかった。

前提

生命保険会社でバックオフィス部門のオペレーション推進・企画業務に従事しており、最近DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進チームにアサインされている。

社内の縦割り意識やセクショナリズムが強く、DX推進が円滑に進んでいない状況を打破すべく、「そもそもオペレーション推進とは何か」から考える必要があると感じている。

会社からはバックオフィスの効率化、業務プロセスの最適化、コストダウンといった一筋縄ではいかない経営課題の宿題を出されており、どのように打ち返そうか情報収集を行っている。

動機

何か新しい情報を期待したわけではなく、既存の情報の分解・再構築、ビジュアル化による頭の整理を期待した。

タイトルサマリー

【タイトル】
ニューノーマル「変革」する経営戦略
オペレーション トランスフォーメーション

【アイキャッチ】
先の読めないVUCA時代に、企業が生き抜くためには、何を、どのように変えるべきか。「幅広い用途に転用できるコストを増やす」「個人のスキルを汎用化する」「やり直しがきく意思決定環境をつくる」といった具体的な手法を、数多くの企業変革を支援してきた著者が例示や実践方法を交えて解説。本書を読めば、企業変革を経営トップが自分事化してとらえ、企業を抜本的に変えることができます。

【発売元】
日本実業出版社 (2020年11月27日発売)

【著者名】
高砂 哲男(たかさご てつお)

【著者プロフィール】
慶應義塾大学法学部卒。大手エレクトロニクス企業、外資系コンサルティングファーム戦略部門パートナーを経て、現職。18年にわたり企業変革、事業変革、人材変革、M&A等のコンサルティングに従事する他、大手事業会社に二度出向し、ハンズオンで企業変革を支援した経験も有する。現在はデロイト トーマツ コンサルティングにて、オペレーショントランスフォーメーションの日本リーダーを務める。

はじめに

著者は、ニューノーマル時代において経営トップはヒト・モノ・カネを変革すべきだと考えている。

しかし、マネジメントリソースは一般的に人・物・金・情報・(時間)の4つまたは5つで捉える場合が多く、なぜDX推進が必要なこの時代に「情報」を除いて捉えるのだろうか。

【第1章】コロナショックで顕在化した企業経営の課題

最初に気になるのが注釈。経営者であれば誰でも知っているキーワードを解説していることから、本著書は経営者向けではなく、新入社員や学生を対象にしているのではないか、と考える。

著者は、戦略を頭脳、オペレーションを心臓とした上で、近年オペレーションの優位性こそがケイパビリティだという考えが一般的になってきたと述べているが、一般的にはどちらも重要であり、両輪の関係である。

コスト構造の変革については、管理会計レベルで現在のコストをドリルダウンして可視化することで支出を抑制できると述べているが、可視化したところで必要な支出を抑制することはできない。

人材の変革については、総じて何を述べたいのか、要するにどういうことなのかが述べられていない。

意思決定の変革については、そもそもモノ=意思決定という定義づけが上手くハマっておらず、一般的なデシジョンメイキングの話に終始している。

第1章全体を通して、浅く漠然とした課題設定のまま第2章へ続く。

【注】第2章以降を流し読みしメルカリ出品


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