#0006 廃校の利活用~保田小学校の例に思う釧路へのあれこれそれ~
2023年6月23日~24日にかけて、千葉県のマザー牧場に1泊2日で遊びに出掛けた。以前から廃校を道の駅として利活用している「保田小学校」に行ってみたかったので、帰りの休憩ポイントとして立ち寄ってみた。
「買う」「食べる」「泊まる」「遊ぶ」そして「記憶」がここに!
訪れてみると、予想以上の車と人の量、機能だけではなく、校舎が上手にリノベされていて、学校の趣と記憶を残しながら、生まれ変わっている感が実に味わい深い施設になっていて感動した。
目的地になり得る施設
ランチで給食を食べられるのだが、とても人気で外に並ばなければならなかったので、妻と娘にプレイルームに待っていてもらい、一人で列に暫く並んでいた。すると途中から凄く具合が悪くなり、給食を食べて、宿泊施設やカフェ等もみずに帰宅してしまった。
(帰宅後、コロナ陽性であることが判明した)
そのことを差し引いても、もう一度行きたいと率直に思える施設だったし、地域の歴史や人々の生活や文化が肌身で感じられるので、目的地になり得る施設だと思ったし、自然と賑わいが生まれているように思えた。
「道の駅」とは
(一応、道の駅検定[オールジャンル]保持者なので少し触れておくと)そもそも道の駅とは、ゴミのポイ捨てや立ちション等の対策として国交省が主導して作られていったものなのだが、国の補助金を原資に自治体が運営事業者に指定管理料を支払って、道の駅の経営が成り立っているというのが大半を占めているのが実態で、創意工夫を凝らして独力で経営できている道の駅は非常に少ないと言われている。
(詳しい実態は木下さんのVoicyで!)
詳細は分からないが、結構な集客があったので、経営的には指定管理料に頼る程度は低いような気がしている(リノベの費用と、その投資回収計画が不明なので何とも判断し難い)。
気になった点
一つだけ気になったのが、運営事業者がドーミイン等のホテルで有名な共立メンテナンスグループで、地元企業ではない点。
もしかすると、下請け等で業務を受注できている地元企業がいるのかもしれないが、やはり元受で入って、当事者意識をもって取り組んで貰った方が、より地域の魅力を発信できると思うし、地元経済も潤って、鋸南町の税収も上がり、公共サービスも向上してという好循環が生み出せると思う。
釧路で活かせそうな点
廃校利用
賑わい創出
1.廃校利用
わが母校でありカルーセル麻紀を生んだ釧路市立旭小学校(TOKIOの松岡昌宏が数か月間在籍)は、釧路市立寿小学校との統合により2007年に廃校となったのだが、その後の利活用がOBとして非常にショッキングな結末で今でも切なく悲しい気持ちになってしまう。
(詳しくは写真をご覧いただきたい)
確かに記憶は残っているのだが、非常に無味無臭というか無機質な残し方をされていて、市民の思い出や町の歴史を肌感覚とともに保存しながら時空を超えて資産を活かしていくという精神が足らんかったのでは?と旭小学校の例を見て思えてしまうし、どうしても保田小学校と比較すると、保田小学校OBの皆さんや地域の皆さんが羨ましく思えてしまう。
もしかすると、旭小学校をこのような利活用にしたことが、釧路市中心部の空洞化を助長したのではとまで思えてしまうのである。
一服したはずの学校再編であるが、再び小中一貫という切り口から、再び市立小中学校の在り方が議論されており、市民から反発の声も寄せられているようだ。
斯かる声が出るのも、旭小学校の例が脳裏にあるからではないだろうか。
2.賑わい創出
縮小社会において、統廃合や小中一貫といった政策を取ることはやむを得ないことと思う。むしろ、なにもしないで現状維持でいることは、市の財政悪化→公共サービスの質低下という形で、自らを苦しめることにも繋がるわけである。
一方で、先述の通り、誇りの校歌は壁に掛けてくれていたとしても、母校が電気量販店やスーパーになってしまっては、OBとしては物凄く悲しくて寂しくて・・・言葉にできなくなるわけである。
そういった市民の気持ちを汲むだけでなく、保田小学校を参考にしながら、学校を核に育んできた地域の歴史と営みを時空を超えて保存しながら、地域の交流拠点のような形で活かしつつ、周辺のコミュニティを維持・発展していくような取り組みが期待されている気がする。
そのような取り組みを重ねることで、賑わいが生まれ、地域経済が循環し、税収も増え、公共サービスも充実していくという好循環が生まれていくのではないだろうか。
一言で釧路といっても、釧路は広い。
駅前を生活圏に育った自分は、桜ケ丘や鳥取や大楽毛の詳しいことはわからないし、スカイランドや十條サービスセンターにはあまりいったことがない。同じように、大楽毛の人が北大通にあまり詳しくなかったりすると思う。
都会と違って車ないと移動できないんだわというウィークポイントを、明治・大正期に鳥取村や真砂町といった小さな町が点在していたように個性ある点を散りばめて多様性のある街ができれば、もしかすると点が星座のように有機的に結びつき作用しあって、釧路市自体が活性化していくのではないか、具合悪いなりにそんな妄想を広げたりしていた。
市内にも様々な地域があり歴史があるのだから、何とか官民で知恵を出し合って両者が納得できる最適解を見出して街づくりを進めなければならないと思うし、それこそ公民連携事業の出番ではないだろうかと思う。
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