#0143 非効率が一番効率的という話
こんにちは。小田原です。
ついにきましたね。真夏日。釧路人の私はもう溶けそうです。
(体重は減りませんが…💦)
今週は大阪に一泊二日で出張に行ってましたが、大阪も蒸し暑くて大変でした。皆さん、暑さが本気出してきましたので、体調管理にはお気を付けください!
今年に入って月に1~2回のペースで宿泊出張が入るようになりました。
コロナ禍ではリモート全開で、東京にいながら地方の企業さんや地銀さんとの個別の打ち合わせ、数十社集まる全体会議などをZOOMで行っていました。
効率化が図られてメリットも十分享受したわけですが、コロナ禍が明けて、再び出張で現地に行けるようになり、対面で人間関係を築けるようになったことで、わざわざお金と時間をかけて出張して人と会って話すという非効率なコミュニケーションの価値に改めて気付いたので、そのことについて綴っていきたいと思います。
○リモートワーク定着の効用
私はPPP・PFIと呼ばれる官民連携事業におけるファイナンス(出資、融資、資金計画作成、銀行交渉など)の仕事をしているのですが、大手企業と地元企業で構成されたコンソーシアムでプロジェクトを進めていきます。
案件によっては、交渉相手の銀行が地元の地銀だったりするので、全体会議や重要な交渉があるときは現地を訪問することが原則でした。
コロナ前は、東京からわざわざ行くことがこちらの気合を示す行為の一つでしたが、コロナになってからは、東京人=コロナというレッテルが貼られ、むしろ来るなということになり、リモート会議の定着によって出張が激減しました。
これによって、家族との時間を捻出することができたこと、取組件数の増加と出張旅費削減によりビジネスとして「数字」を作りやすくなったことは、リモート定着の効用です。
私自身、夫婦で子育てをしていると、仕事だけに時間的リソースを投下できないので、リモートでできるものはリモートでと、できる限りリモートにフルスイングをしていました。
○仕事は東京にあるんじゃない!地方にあるんだ!
コロナ禍を機に地方の案件の全体会議は現地に行かず、リモートでこなすようになり効率化が図られた一方で、お客さんとの個人的な人間関係や、現地を訪れてその土地の歴史や文化に触れることなどが圧倒的に減りました。
今の会社に入ってから、自分はどのような仕事をして成果をあげてきたかと棚卸をしているなかで、案件名や幾ら稼いだといった無機質な記憶しか思い出せなくて、どこの誰が活躍したとか、どんなトラブルがあったかなどの思い出が少なくて、織田裕二じゃないですけど、「仕事は東京にあるんじゃない!地方にあるんだ!」みたいなことを感じていました。
○非効率なくせに仕事がしやすい
コロナも明けて、今年のGW以降は、2週間に1回のペースでコンスタントに出張が入っています。
出張者を受け入れる側の地方も、東京人を病原菌扱いをしないようになってきました笑
これまで制限があった懇親会もオフィシャルに開催することができるようになりました。
出張には、お金がかかる、時間を使うなどのデメリットも確かにあります。
実際に取り扱い件数の面では、前期に比べると減っていて、非効率だとの指摘がもしかすると入るかもしれません。
ですが、出張して対面で会議をやって飲み会をするという、非効率で昭和的な仕事のやり方は、実は一番効率的な仕事の仕方だったりするのです。
コンソーシアムには、設計、建設、維持管理、運営等々、様々な業種・規模の会社が入って事業を行っていきます。持ち場持ち場で役割を発揮して、ときにはぶつかりあったりしますが、戦友みたいな関係を築けるのも醍醐味です。
コロナの中でも効率的に仕事はできましたが、手触り感がない。
効率的なのに仕事がしにくいと感じていました。
でも今は非効率だけど、手触り感がある。
そして、非効率なくせに、すごく仕事がしやすい。
この違い。もしかすると、仕事をする仲間とのリアル(対面)で時間を共有することで、パッションを交換しあっているからなのかなと感じています。
対面で会って、パッションが伝わってくると、やってやるぜ!という気になりますし、人の熱量を画面を通じてではなく、肌で直接感じることで、それがコンソーシアムのメンバーにも波及していくような雰囲気を感じます。
日常的なコミュニケーションは、リモート会議やメールなどで行い、要所要所でリアルで会議を行うことで、一定の効率性を確保しながら、気持ちも通じ合って仕事に取り組めているように思います。
だから会社の枠を超えて、凄くスムーズに仕事の依頼をしたり、逆に依頼を受けたり、ミスをカバーしあったり、上手く機転を効かせたりというチームプレイがしやすくなっています。
○無駄話から得られる価値が「飲み会」にある
そして懇親会(飲み会)の影響力の強さも感じます。
懇親会を通じて、人となりが知れたり、仕事へのパッションを通じあえたり、プライベートでの共通点を知ることができたりと、仕事とは関係のない無駄から得られる価値が懇親会にはありますね。
コロナ前のような頻度では、さすがに出張はいけなくなりましたけど、対面の重要性を知れたからこそ、濃度の濃い出張が最近できているように思います。
ふと困ったことがあると、○○市の○○さんに相談してみようとか、○○さんと○○さんを引き合わせたら面白いんじゃないかとか、いろんな人の顔や声が浮かんでくるようになりました。
そこで新たな案件がスタートしたり、進捗が悪かった事業が一気に進みだすようなことも起きました。
コスパ・タイパだけでない、会って話して感じるコミュニケーションの効用。
対面でお会いして、お顔や雰囲気、何が好きで嫌いかななど、こうしたことを知りながら、パッションを通じ合いながら構築したリレーションは、長続きするし、非効率に築いた人脈は、仕事に効率性をもたらすなと思いました。だけど私たちは効率ばかり追い求めてしまう。人間て不思議ですね。