#0075 能登半島地震から考える: 自然との調和
2024年、私たちは大地震という未曽有の災害に直面しました。突然に訪れたこの自然の脅威は、私たちに自然との共存の重要性を改めて問いかけています。いまこうしている間にも、困難に直面されている方々がいらっしゃいます。また、救援、復旧のためご尽力されている自衛隊、公務員、医療、インフラ関連の方々もいらっしゃいます。被災された皆さんにお見舞いを申し上げるとともに、現場でご尽力されている方々に敬意を表したいと思います。
直接的な被害を受けていない我々は、通常生活を営みつつ、自衛隊や消防、医療、インフラなど、関係者の邪魔をしないことが第一になると思います。
この時期に不謹慎と思われるかもしれませんが、自然の一部である私たちがどのようにして災害と向き合い、自然と調和していくべきか考えていました。(2041文字)
○ 能登半島の自然と地形の特性
能登半島の地形は、起伏に富んだ丘陵、断崖絶壁の海岸線など、その美しさの裏に厳しい自然の力を秘めています。2022年以降の地震活動は、自然の力を改めて意識させました。能登半島は地震による隆起を繰り返して長い時間をかけて自然が作り出した壮大な作品であり、私たちが住む日本列島成立のダイナミックな側面を示しています。この地震を通じて、私たちは自然の中で生きる人間としての自分たちを再認識しました。
○地震とその影響
もともと能登半島は地震の多い地域という認識はありませんでした。2022年頃から地震が頻発しだしてから、国土地理院、産総研、防災科研のデータを調べはじめました。すると東西に複数の断層が走っていることを知りました。能登半島も大地の隆起によって成立した地形であることがわかりました。
元旦に発生した能登半島地震は、こうした大地の活動を目の当たりにする機会でした。この地震で輪島市で約4m隆起し、西側に1.3mズレたそうです。完全に海岸線も変わってしまっている。
東日本大震災でも関東大震災でも房総半島が数メートル隆起していますが、この繰り返しで房総半島の丘陵地や能登半島が成立しているという事実を考えると、私たちの住む地域が常に自然のダイナミックな力にさらされていることを示しています。
このような自然の変動は、人間の存在が地球上でいかに脆弱であり、ちっぽけなものであるかを教えてくれます。同時に、これらの変動が私たちの風土や文化に与える影響は計り知れないものであり、自然の力を尊重し、それに適応していくことの重要性を改めて認識する必要があります。
○人間と自然の関係性
古代メソポタミア文明のギルガメッシュ叙事詩では、都市の人間と自然界の人間が城壁の内外で描かれています。これは、古代から現代に至るまで、人間が自然とどのように関わってきたかの象徴しているように思います。私たち現代人も、技術が進歩し経済的に豊かになっても、自然の前には依然として無力です。地震や他の自然災害は、この事実を突きつけ、私たちに自然の一部であることを思い出させます。自然を征服するのではなく、それと調和して生きる知恵が求められています。
○自然との調和:城壁の外へ出てみよう
私たちは自然災害との調和を真剣に考える必要があります。防災対策の強化、環境への配慮、そして地域コミュニティの支援など、様々な側面からアプローチすることが求められています。自然と共生する未来を実現するためには、科学的な知識と技術だけでなく、自然と対話する姿勢も大切です。その一つの解が、一度都会を出てみるということではないかなと思います。地理マニアの私としては、火山で大地の動きを感じながら温泉に入るなど、自然がもたらす脅威と恵みの両方を体感することで、自分が生かされていると感じることをオススメしたいと思います。絶対安全や地震を予知するといった科学至上主義的な人間の傲慢な態度は少なくとも最小化されるのではと思います。私たち一人一人が自然を体感して尊重し、それに適応することで、より持続可能な社会を築くことがではないかと思います。
○まとめ
能登半島地震は、私たちに自然の力と人間との関係を再考させました。美しくも厳しい能登半島の自然、地震による地形変化、そして古代から続く人間と自然の関係について思いを巡らせました。ギルガメッシュ叙事詩から現代に至るまで、私たちは自然の一部であり、自然と調和して生きる知恵が求められています。都市にいる人は、たまに都市の外へいき、自然の力や人間のちっぽけさを体感し、自然の中の自分というのを中心に持続可能な未来に向けて、防災対策の強化などを考えることになるのではと思います。私たち一人一人が自然を尊重し、共生の道を歩むことで、より良い未来を築いていけることを信じています。
よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!