ぬめった鎧



どういう風に言えば伝わるんだろう
どういう言葉を使えば伝えることができるんだろう

いや
そもそも伝えたいのか
もし伝えたいのなら、伝えてそこからどうしようとしてるんだろう


理解を得て共感されて肩を抱いて欲しいのか、強く抱きとめて欲しいのか、涙を流して欲しいのか

どれも違う
たぶん

わかられてたまるもんかと思っている、どちらかと言えば。
それが一番正しい。

ふぅっと力の抜けた感覚はある
けど、足が地についていないそんな浮遊感があるわけじゃない
抜け殻感はない。
そもそも自ら力を抜こうとたわけじゃない

見えない何かに
見えない何かが
吸い込まれていってしまった


中身はある
確かにここにある

ただ
ただ。
外でも内でもない
強いて言うなら、皮膚の一枚下にあったヌメヌメとした粘膜のような分厚い膜がズルズルと足元から地面へと落ちていって消えてしまったような感覚


そう
砂地に水が染み込んでいくように
何かが抜けていった


軽くなった
飛べるほどではないけれど


もう無理に踏ん張らなくていい

焦茶色で分厚いゼリー状の鎧がするんと脱げ落ちた


今日はそんな日





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