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スクラップ


ばらばらに壊れた音が
昔奏でたメロディを

繋がりを忘れた言葉が
耳に馴染んだ文字たちを

この耳をかすめ通るのは
木枯らし一歩手前の冬の風

唇から覗く白い歯と
溢れでる白い息
真っ直ぐな視線に
絡みつく面影

あの言葉は
あの笑みは

2度と戻らないまま
すり抜けてゆく

木枯らしが吹き終えたら
何もかもが遠くなる
枯葉をひとり踏み鳴らし

夜が明けたら焚き火をしよう

揺らめく炎の奏でる曲と
弾ける木の葉の言葉とともに


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