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成城学園前|2024年7月6日・7月7日|未来へバトンをつなぐ「成城100年祭」が開幕


こんにちは。CONOMACHI STORIES編集部です。

定期的に小田急沿線の「この街」スポットを紹介していくレポート。
今回は、成城学園前で2024年7月から2028年2月まで約3年半にわたって開催される「成城100年祭」の実行委員会の皆様にお話しを伺いました。


成城は2024年7月6日に100年を迎えます。

お祝いとして「成城100年祭」が、2024年7月から2028年2月まで約3年半にわたって開催されます。
成城のまちを歩くと、商店街や並木道に公式マスコットの「ゲンちゃん」のフラッグがはためいていて、あたたかなお祝いのムードに包まれているようです。

今回はその「成城100年祭」について、実行委員の3名にお話をお伺いしました。
副委員長で、記念植樹班の班長でもある岩村徹さん。開祭式班からは班長の伴剛志さん、大賀朱里さんです。

左から岩村徹さん、伴剛志さん、大賀朱里さん

■「成城100年祭」について

「成城100年祭」の準備委員会は2019年から開始され、会議は70回にも及びました。
自治会だけではなく、まち全体で参加できるように2022年10月に実行委員会ができました。開祭式班、記念植樹班、PR班、モニュメント班、音楽班、展示班、記念誌班、パレード班、お助け班と9つの班があり、総勢90名ほどです。

(岩村さん)
「約3年半もあるお祭りなので、自分たちで考えてゼロからやっていこうと思います」

「成城100年祭」に向けた打ち合わせ

約3年半も続くお祭りはめずらしいです。

(岩村さん)
「まちについて調べてみると、ピンポイトでできたわけではなかったんです」

まちの起点は、1924年7月6日に成城第二中学校(現成城学園)と台地開発の起工式がおこなわれた日としています。翌年には成城第二中学校が移転、開校。1927年に小田急線が開通し、1928年に自治会が設立されました。

突然まちは生まれたのではなく、長いストーリーを経てできたのです。そして、今もなお変化し続けています。

「成城100年祭」では、2024年度は「成城100年祭スタート」、2025年度は「成城学園の年」、2026年度は「東宝の年」、2027年度は「小田急線の年」とテーマを決め、毎年お祝いされます。

小田急線「成城学園前駅」

■「成城100年祭 presents Seijo 100th Anniversary Festival」を皮切りに

「成城100年祭」がはじまるにあたり、7月6日(土)と7日(日)の二日間にわたって開祭式がおこなわれます。場所は成城学園内の澤柳記念講堂と大学9号館前広場です。

(伴さん)
「『成城100年祭 presents Seijo 100th Anniversary Festival』が開祭式の正式タイトルなんです。ここを皮切りに『成城100年祭』が正式にスタートします」

「開祭セレモニー」をはじめ、「なんでも鑑定団 出張鑑定 in 成城」の公開収録や「住民のど自慢大会」「フリーマーケット」などが予定されています。
催し物を決めるにあたって意見がまとまらなかった、と伴さん。外で遊べるレクリエーションを考えたけれど、静かに暮らしたい方もいて、成城のイメージもさまざま。

開祭式班のリーダー伴さんの司会による「成城100年祭 presents Seijo 100th Anniversary Festival」の打ち合わせ

そこでアンケートをとり、票が多かったものに決めたそうです。

成城ホールで開催された「ふれあい感謝デー」や「成城学園前駅」付近でもアンケート

(伴さん)
「おすすめの催し物は、『自分も出してみたい』という声が多かったフリーマーケットですね。個人の方が70店舗も参加します。住民のみなさんの要望が叶えられたんじゃないかな、という思いもあります」
 
「住民のど自慢大会」は40年ほど前に北商店街で開催されていた、リバイバル公演とのこと。上は91歳、下は10歳と幅広い年代が参加します。大賀さんがMCを務められるそうです。

■それぞれのきっかけ

お祭りやイベントが好きな大賀さんは、成城大学の2年生でもあります。

(大賀さん)
「大学に入学してすぐに、自宅のポストに入っていた自治会広報誌でお祭りのことを知り、一緒にお祝いしたい!と思い参加しました」

伴さんは普段イベントの仕事をされているそうです。

(伴さん)
「準備段階から参加していました。イベントの仕事をしているので、自分の能力をまちに還元したいと思いました。これをきっかけに毎年楽しみになるような、大きな祭ができればいいですね」

副委員長には選ばれただけなんですけど、とはにかみながら言う岩村さん。

(岩村さん)
「記念植樹班になったのは、もともとみどりが好きだからです」

「みどりの巡環」をモットーに

成城にはまちづくりの基本理念として「成城憲章」があり、「みどりとゆとりに包まれた公園のような環境をもつまち」を目指しています。

左から「成城憲章ガイドブック」、「成城100年祭ガイドブック」、自治会広報誌『砧』845号

成城の美しい並木道は開発の時に植えられたもので、桜は100年、イチョウは80年にもなるそうです。

岩村さん率いる記念植樹班では、ただ単に植木屋から苗を買ってきて植えるのではなく、成城にまつわるオオシマザクラの植樹を企画しています。

(岩村さん)
「3月に記念植樹班のメンバー10人ほどでオオシマザクラの挿し木を50本植えましたが、全滅しました。次は拾った種から植えます。なぜオオシマザクラかというと、成城の開発のときに植えられた主流の桜がオオシマザクラだったからです。樹齢100年が11本残っています。みどりを引き継ぎ、みどりを守る。記念植樹班は『みどりの巡環』をモットーにしています」

岩村さんたちが植えたオオシマザクラが芽吹き、100年後も咲き続けたら、と未来の成城の春に思いを馳せました。

生まれも育ちも成城の岩村さんにとって、まちの魅力はみどりです。

「成城学園前駅」付近の並木道

壁のないまち成城

(大賀さん)
「中学生のころ、鍵を忘れて家に入れなかったことがありました。隣のお家に行ったら、家に招き入れてくれてココアを作ってくれました」

成城の人となりが分かるエピソードに、心が暖かくなりました。

また、成城大学には門がなく、街と一体化しています。

(大賀さん)
「大学のパン屋さんや食堂にも地元の人が食べにきます。『勉強なにしてるの?』と話しかけられて、仲良くなったりしますよ」

まちにも人にも壁がないのは、成城の魅力ですね。

次の世代へバトンを渡す

最後に「成城100年祭」がどんな祭になることを願っているか、お伺いしました。

(伴さん)
「もちろん成城の住民の方には楽しんでいただきたいです。これまでの100年をお祝いするという気持ちもありますが、150年祭とか、次の大きな節目には今の子どもたちが中心となってお祝いして欲しいですね。次の世代にバトンを受け渡したいです」

それはどんなバトンなのでしょうか。

(岩村さん)
「隣の人のことを知っていても、ブロック単位ではみんな知らない、関心がない。ぜひ窓を開けて、ドアを開けて出てきてください。どんちゃん騒ぎしてもいいし、ピクニックしてもいいし、隣同士でバーベキューやりましょうとか、そんな人間関係がつくれたら、成城のまちはもっと楽しくなります。人とのつながりを復活させたいです」

重みのある岩村さんの言葉に耳を傾ける伴さんと大賀さん

近頃は、隣の家に住む人の名前さえ知らないことも普通のことになっています。
「人とのつながり」というバトンは、成城だけでなく日本全体が抱える問題かもしれません。成城のようなまちが全国で広がれば、今より素晴らしい未来が開けるでしょう。

お誕生日を祝おう

私もいいですか!と手をあげる大賀さん。

(大賀さん)
「今後の成城について考えていることがふたつあります。ひとつ目は、まちを友達のようにお祝いしたいです。ふたつ目は、7月6日は私の20歳のお誕生日なんです!『成城100年祭』を、若者もまちを作っていけるステージにしたい、と考えています。」

なんとおめでたいことでしょうか。成城とお誕生日が同じ大賀さんは、成城の申し子ですね。

大学生という若さで大人たちに混ざって、開祭式班のメンバーとして活躍すること自体がすごいのに、堂々と意見を言う姿も頼もしい。

開祭式班のメンバーも、半分が大学生というから驚きです。

「非常にいい傾向ですね、そういうのを目指していましたから」とうれしそうな岩村さん。

バトンはもう受け継がれていますね。成城の未来は明るい。

■成城100年祭 presents Seijo 100th Anniversary Festival
〈2024年7月6日(土) 13:00~19:00〉
13:00~14:30 開祭セレモニー(澤柳記念講堂)
14:30~18:00 こども☆まんなか☆ひろば(大学9号館前広場)
14:30~19:00 フードエリア(大学9号館前広場)
13:00~17:00 文化でめぐる成城の100年(歴史記念館)
 〈2024年7月7日(日) 11:00~19:30〉
11:00~18:00 青空フリーマーケット(大学9号館前広場)
11:00~18:00 フードエリア(大学9号館前広場)
12:00~14:00 出張!なんでも鑑定団in成城(澤柳記念講堂)
17:45~19:30 住民のど自慢大会(澤柳記念講堂)

https://seijo100.com/


実行委員会の皆様、貴重なお話しをありがとうございました!

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

取材・文:CONOMACHI STORIES編集部