豪徳寺|梟焙煎研究所|豪徳寺から心に残る1杯を
こんにちは。CONOMACHI STORIES編集部です。
定期的に小田急沿線の「この街」スポットを紹介していくレポート。
今回は、豪徳寺にある「chouette torréfacteur laboratoire(シュエット トレファクチュール ラボラトワール)」というコーヒーショップにお話をお伺いいたしました。
―――頼れるコーヒーアドバイザーがいるお店
「chouette torréfacteur laboratoire(シュエット トレファクチュール ラボラトワール。以下「chouette」)は、コーヒー豆の焙煎・販売、カフェ、シェアロースターなど多彩な顔を持つコーヒーショップ。
三つ星料理人の経験を活かし「素材」の魅力を引き出したコーヒーやフードがいただけます。
その確かな味わいや、先進的な取り組みが国内外で注目を集め「読売新聞」「ぶらり途中下車の旅」「OZ magazine」など名だたるメディアに掲載。
1店舗でコーヒーに関するあらゆる「体験」が叶い、頼もしいコーヒーアドバイザーがいるお店として、地元内外のお客様が足を運ぶ名店です。
オープンは2017年4月。食材からいただいた命に感謝し、その想いを「熱」を使うことで形にし、お客様へ幸せを届けたい…と、この豪徳寺にお店を構えました。
店名を直訳すると「梟焙煎研究所」。お店を構えた豪徳寺は招き猫発祥の地。かつて料理人として腕を磨いたフランスに、猫と梟の像が屋根に飾られた建物があったことを思い出し、店名に用いたそうです。
福を招く猫と、幸福を運ぶ梟と共に、豪徳寺からお客様へ幸せを届けられるように…街とのつながり、店主・髙山さんの想いを感じるステキな店名です。
フードやスイーツも自家製。なんとホットドッグのソーセージやパンも1からすべて手作りというから驚きです。
店内のベンチやテーブルもご自身で手掛けたもの。クオリティーに妥協しない三つ星料理人のこだわりと、手作りのあたたかみを感じるお店です。
ーーー豪徳寺は「あたたかみ」がある街
chouetteは豪徳寺商店街方面に5分ほど歩いた、踏切前にお店を構えています。
お店の近くには個性豊かな商店、神社仏閣があり、店内からは電車や行き交う人々の姿が見え、ゆったりした時の流れを感じることができます。
(髙山さん)
「豪徳寺は見所が多くて、おもしろい街。新旧それぞれの住民が力をあわせている、あたたかみのある街ですね。子どもたちにも寛容で、『理想の街』ではないでしょうか」
そう笑顔で語る髙山さんの表情からも、人情味あふれる街のよさが伝わってきます。
ーーー「コーヒー体験」ができるお店
chouetteは驚きの「コーヒー体験」ができるお店。まず、コーヒーをオーダーしようとすると、メニューらしいメニューがみつかりません。
すると「コーヒー豆ですか?コーヒーですか?ミルクは入れますか?浅煎りや深煎り等どんなコーヒーが好きですか?」と髙山さんが「コーヒーの相談に乗る」形式でオーダーが始まります。
お客様の好みやその時の気分、コーヒー豆の「飲み頃」を掛け合わせて、ベストなコーヒーを「提案」してくれる方式なんです。
「どのコーヒーを選べばいいのか分からない、難しいと感じることがないように。飲みたいコーヒーに出会えるように」という心配り。
マグカップで提供されると思っていると、度肝を抜かれます。
ラテは泡のクリーミーさに驚き、美しいラテアートにも心を動かされます。
そして、1番の驚きは「味わい」。「コーヒーって、こんなにフルーティーになるのか」とその果実感に驚きます。低温焙煎されたコーヒーは、香り、甘さ、酸味、飲んだ後の余韻など豊かな味わいを楽しめるのが特徴。
chouetteはコーヒーを飲むだけではなく「体験」できるお店。焙煎ワークショップや、「chouette blanche(コーヒーの定期購買)」を通して気軽に社会貢献に参加できる等、たくさんの「!」な体験がお客様の心をつかんでいます。
ーーー素材のおいしさを最大限に表現する
chouetteではコーヒー豆の選定、焙煎、抽出、フード…すべてにおいて「素材」を大切にしています。
なぜ「素材」を主軸にしているのかーそれは髙山さんがかつて勤めた三つ星レストラン「カンテサンス」での経験が大きく影響しています。素材を最大限に活かすことがおいしさにつながること、その素材を生み出す自然への尊敬の念、生産者の想いなど、多くのことを学んだといいます。
(髙山さん)
「素材の状態からお客様にお届けするまで全てに携わりたかったので、焙煎は自分で…と考えていました。料理は素材に調理という変化を与えることで、価値を生み出します。コーヒーでいえば、焙煎がそれにあたる。焙煎も、料理と同じ価値をお客様に提供できるーそう気づいてから、コーヒーの世界がよりおもしろいものになりました」
ーーーお客様がchouetteを選ぶ理由
コーヒー豆は常時12種ほどあり、自宅でもおいしく淹れられるよう徹底した品質管理がおこなわれています。
(髙山さん)
「お魚やお肉でも高温で焼くと、身がボロボロになったり、硬くなって、おいしくなくなりますよね。素材によって『適切な温度』というのが存在します。コーヒー豆も同様に考え、豆が自然と変化できる温度、香りや味を最大限に引き出せるように焙煎を行った結果が、低温焙煎です」
「同じお米でも、魚沼産コシヒカリと別の産地の米では、味や食感が違いますよね。そういう産地特性や、どんな農場で、どんな生産者によって作られた豆なのかという栽培環境を大切に、豆の選定をおこなっています。コーヒーを淹れる際には、素材すべてを落としきることを意識しています」
お話をうかがい、お客様がchouetteを選ぶ理由がよく分かりました。「chouetteに行けば本物のコーヒーが飲める」ーそんな確信や安心感があるから。
オリジナリティーの高さの裏には、明確な理由が存在する。「素材を引き立てるためにベストな方法は何か」を常に探求し、変化を続ける髙山さんの姿勢に、おいしさの理由とプロの仕事を見ました。
ーーー豪徳寺から愛を込めて…コーヒーの先にある人を支える
chouetteは2020年4月に「chouette blanche」を設立。コーヒー豆の購入金額の25%を環境保護や人道支援する団体へ寄付、残りをコーヒー農家やその活動に関わる人々に支払うという、コーヒーのサブスクを始めました。
(髙山さん)
「きっかけは熊本県の豪雨災害です。被害状況を知り、ショックを受けました。コーヒーショップとして『自分ができること』を形にしたのがはじまりです。一時的ではなく、継続した支援が叶うようにサブスク形式をとりました」
サブスクの豆は、新しい品種や精製方法で作られた珍しいマイクロロットのトップクラスのハイクオリティコーヒー。
「おいしいコーヒーを提供すること=地球環境の保護」だと考える髙山さん。お店でもさまざまな取り組みを実施しています。
プラスチックストローやカップ、ペーパーフィルターを廃止。
焙煎で出るごみ(コーヒー豆の表皮)から栄養価の高い土づくりを試み、野菜や果物の栽培に挑戦しています。
利便性にとらわれず、毎日飲むコーヒーだからこそ、少しずつ変えられる、環境保護につなげられることがあると髙山さんは言います。
コーヒーだけでなく、その先にあるものに心を配り、アクションを起こすー髙山さんの人間力がそこにはあります。
chouetteは心に残るコーヒーをいただけるお店。そこで提供されるコーヒーは、多くの人の心を動かすコーヒーだから。
斬新な驚きを、おいしさを、感動を味わえるお店。そして、世界中の人を笑顔に、地球を豊かに、子どもたちの未来を創るコーヒーを提供するお店だから。
chouetteは今日も豪徳寺から最高のコーヒーを、そしてその先にある「つながり」に愛情を注いでいます。
chouetteさん、ありがとうございました!
また、コノマチぷらす編集部もその日にしか出会えない最高の一杯をいただきにお邪魔いたしまします!
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。