![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/93294927/rectangle_large_type_2_8b68da54874c129f45dadebc91bc7213.jpeg?width=1200)
加工がしやすく、強度がある『耐熱ガラス』とは?
本ブランドでは、耐熱ガラスという種類のガラスを使用しています。ランプワークで職人が手作業で加工する際に、耐熱ガラスの特徴を活用しておりますので、ご紹介させていただきます。
ガラスの原料
そもそも、ガラスは何を原料にして制作されているのでしょうか?
![](https://assets.st-note.com/img/1669857875333-ygs8CcC1ik.png?width=1200)
じつは、ガラスの主な原料は「珪砂(けいしゃ)」と呼ばれる砂で、公園の砂場や浜辺にあるあの砂と同じ成分です。この珪砂をドロドロに溶かすることでガラスがつくられますが、珪砂を溶かすには1700℃以上の高温が必要になります。
そこで、溶ける温度を下げる「ソーダ灰(ばい)」を加え、さらに水に溶けないガラスにするため「石灰」を加えています。ソーダ灰や石灰も、砂や岩と同じ成分です。「珪砂」「ソーダ灰」「石灰」を混ぜて溶かしたものを板状にし、ゆっくりと冷やすことで透明のガラスが出来上がります。
私たちの身近にある砂が透明で綺麗なガラスになるなんて驚きですね!
ガラスの種類
生活で使われているガラスは大きく3つに分かれます。
![](https://assets.st-note.com/img/1669857830564-mDv9yMlWoL.png?width=1200)
ガラスの種類は非常に多く、それを化学成分、使い道、製造方法などで分類していますが、その種類は数え方によっては数千種類にもなります。例えば、光字ガラスだけでも、屈折率や分散(色による屈折率の差)の違いを厳密に分けたガラスが数百種類も作られ、使われています。
しかし、普通良く使われているガラスは、化学成分で分類すると三つの大きなグループに分けることができます。ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、ほうけい酸ガラスです。この三つで、すべてのガラスの95%くらいになります。残りの5%くらいは特殊ガラスで、種類はたくさんありますが、作られている量はそれぞれごく僅かです。
一部の例外をのぞいて、ほとんどのガラスは二酸化けい素(SiO2)を主成分とする「けい酸塩ガラス(けいさんえんガラス)」です。
①ソーダ石灰ガラス
![](https://assets.st-note.com/img/1669858211224-88XF1RTJHg.png?width=1200)
窓ガラス、びん、多くの食器類などに使われる、もっとも普通のガラスで、古代に最初に作られたガラスもソーダ石灰ガラスと考えられています。二酸化けい素、酸化ナトリウム(Na2O)、酸化カルシウム(CaO)が主成分です。酸化ナトリウムの代わりに酸化カリウム(K2O)が使われることもあり、両方が使われることもあります。ソーダというのは、原料として使われる炭酸ナトリウムのことを指す言葉です。
②鉛ガラス(クリスタルガラス)
![](https://assets.st-note.com/img/1669858037806-b3qXnKfWFq.png?width=1200)
高級食器や装飾品などに使われガラスで、二酸化けい素、酸化カリウム、酸化鉛(PbO)が主成分です。ソーダ石灰ガラスに比べて、屈折率が大きく、カット模様をつけるとキラキラと良く輝きます。
③ほうけい酸ガラス(耐熱ガラス)
![](https://assets.st-note.com/img/1669858278851-nErcc6FfH0.png?width=1200)
ほかの二つのガラスに比べて、二酸化けい素の割合が大きく、ほかにほう酸(B2O3)、酸化ナトリウムあるいは酸化カリウム、酸化アルミニウム(Al2O3)などを含んでいます。ほうけい酸ガラスは、化学的な侵蝕や熱衝撃(急な温度の変化)に強く、化学工場の製造プラント、実験用ガラス器具、薬のアンプルや薬びん、大型の照明器具などに使われています。一般家庭でも耐熱用品として使われることがあります。
耐熱ガラスの特徴
ガラスはどうして割れるのでしょうか? ぶつけたり、落としたりしたときの衝撃で割れたり、熱湯をいれたり、熱いうちに急に冷やしたりといった温度差によって割れることがほとんどです。つまり、衝撃と熱の変化に弱いものなのです。
耐熱ガラスは、熱の変化で割れるという事に対し、熱による膨張係数を小さくして割れにくくしたのが耐熱ガラスです。
iriserでの耐熱ガラスの加工風景
酸素バーナーを用いて形の加工を行う場合は、サングラスをつけて作業します。理由としては、作業者の目を保護するためと、燃焼する光で眩しい中、細かい作業をするため光を遮断するために着用します。
![](https://assets.st-note.com/img/1671002386178-YxLvvjSzuS.jpg?width=1200)
上記の通り、耐熱ガラスは粘土が高いため、細かな形成をすることができます。ハンドメイドの細やかな作業にぴったりですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1671002386224-n0rHqcGtuK.jpg?width=1200)
こちらは成形した商品です。温度を覚ました後、熱を均等に入れるために、徐怜という作業を行います。
![](https://assets.st-note.com/img/1671002391060-St62ISRdg0.jpg?width=1200)