【Edge Rank 1135】都知事選1夜明け【奥野】
今日は午前中から気温が35度超え。このまま猛暑期間に突入したら、暑さも水不足もヤバそう。暑いのは何とか受け入れるとして、水不足は勘弁してくださいね、ほんと。
都知事選から1夜明けて
2024年7月7日。七夕の日に東京都民にとっては大きな「祭」がありました。都知事選挙です。終わってみると話題には事欠かなかった選挙だったのかなあとは思います。さすが日本の首都。
上位5人の得票数を画像にしました。入力ミスあったらごめんなさい。
小池さんが快勝したって感じの得票ですが、石丸さん・蓮舫さんの数字を合わせたら小池超えを果たせていたこともあり、「反小池」陣営が一枚岩になれれば変わったかもしれませんね。
まあ、そうなったらそうなったで小池さんも戦い方を変えたでしょうし、例えるなら「ムチを使わずに直線余力残して5馬身差の勝利」みたいな感じだったんじゃないでしょうか。ちなみに僕は安野さんに投票しました。
記録に残しておいた方が良いかなと思ったので、思ったコトを書いておきます。自分の記憶を元に感想を書いているものなので、何か数字上などの事実と異なる部分があったらごめんなさい。優しく指摘していただければ荒立てずになおします。
好き嫌いには個人の嗜好が入ることはご容赦ください。
初めて「ネット選挙」が本格化したように感じた
導入されて約10年となったネット選挙。初めてネットを活用してこれまでの戦い方の人に迫る候補者が出てきたな、と感じました。はい、石丸候補です。
2015年でしたかね、三吟院選挙の東京選挙区に三宅洋平さんが立候補して、落選したもののその選挙活動が話題になっていたのを思い出します。音楽と演説を交えて自らの理想を訴え、「選挙フェス」と名打って、選挙に興味のなさそうな方の耳の自分の方に向け続けました。当時もあっぱれな落選者だなあと思ったものです。
石丸さん大躍進
石丸さんは安芸高田市長時代からネットを存分に活用し、ネット利用に長けた人々の支持を上手に得てきたと思います。その手法の一つに、テレビや新聞に厳しく当たることで、これらメディアを「マスゴミ」と評する人たちの支持を上手に得てたのではないでしょうか。もちろんそれだけではないでしょうが、僕個人の印象としてはとても印象的です。
このことは、既存メディアからは煙たい存在として捉えられたと思います。もし石丸氏が選挙期間中に、テレビや新聞の自分に対する扱いが甘いとお感じになったのであれば、煙たいと思われていたからなのかなあと。個人だけでなく「法人」も「人」なので、好きでないものは可能な限り扱いたくないのは仕方ないかな。
逆に、SNSの利用に長けていない人の理解を得られにくかったんだろうなあとも思いました。東京も高齢者が多い=その分SNSの活用に習熟していない人も多い、ので、テレビと新聞に苦言を呈することの多かった石丸さんは、マスメディアから情報を得ている方々へは良い露出を得にくかったろうし、その辺りが
・若い人
・ネット活用者
の支持を得たモノの、地盤の強い小池さんに差をつけられた理由なのかなと思います。
今回の選挙で石丸さん陣営がどこまで勝てると踏んでいたかわかりませんが、本当に遮二無二勝ちに行くなら、テレビや新聞はしつけようとする立場でなく、なだめすかしておく立場で接していた方が良かったでしょうねえ。それが石丸さんの立ち位置とズレることは想像できますけれど。
それを選択せずに当選するには、もっともっと無党派層の投票率を上げていかなければならなかったと思いますが、どういう戦略を考えていたのでしょうかね。
小池さんからは強者のゆとりを感じた
小池さんは2期8年の実績があるので、格闘技でいえばディフェンディングチャンピオン。王座防衛を狙う側です。防衛経験もある、したたかな王者の立ち位置を感じました。
初手から伊豆諸島の方に出向いてみたり、都電を貸し切って行なわれたプロレス興行に登場して、プロレスラーにチョップをお見舞いしてみたり。
王者の余裕としか言えない動きでしょう。
終盤の演説では、アンチによる帰れコールの大合唱が聞こえてきました。ああいうところでネガティブな反応をしないところが経験豊かなベテラン政治家ですね。
石丸氏のところで触れた、石丸氏が得票できない層が最も厚く、表に出ない形で(めっちゃ目立つ黒子の格好をしていた)政党の地盤も上手に活用して勝ちを確信出来ていた選挙なのかもしれません。
ほかの候補者に投票した僕ですが、結果は結果なので、多分小池都知事の政(まつりごと)による東京で生活し続けることでしょう。
ネット選挙の本格化と語りたくもない候補者たち
選挙と直接関係ありませんが、僕は「ルールブックに書いてないすべての事柄はやってもOK」とは考えません。そのものの存在意義みたいなものを理解して適したことをすべきだと考えています。
その考え方を元にすると、選挙ポスターの場所を売買する政治団体とか、それに悪乗りしてわいせつ物を陳列しようとした白塗りとか、さらにそれに便乗した判断力皆無の全裸女とか、政見放送で脱ぎ出す痴女は、選挙に相応しくない存在だと感じました。そもそもそんなゲリラ的な手法しか採れない人のどこに東京の首長の器があるのか。理解に苦しみます。
ああいう輩は悪乗りが大好きな一定の人たちの支持を受けてしまうもので、その分ノイズが増えてしまうのが困ったものです。
でもって、そういう輩のために、用途が限定されまくっている禁止事項がルール上増えていって、ルールがますますややこしくなっていくんですよ。そういうところまで考えが及ばないのが、輩のダメなところです。
選挙には昔から、一定の「出馬が趣味」な人たちはいました。それ自体、まあ望ましくもないものの、ほかに迷惑をかけるわけじゃないので、好きにやってなよ、と放っておける存在だったわけです。
でも、今回のポスターや破廉恥行為は、場所を取ったり、子供の目に入る可能性が生じたり、ただひたすら不快感だけを与え続けていたりして、害が大きいんですよね。せめてそのくらいの判断ができる人が、被選挙権者として選挙に関わってほしいものです。
自分の推し以外は敵、な有権者たち
これもネット選挙の影響とは思いますが、自分の推し以外をすべて敵視していたり、名誉毀損すれすれ(もしかしたら超えてる?)で落選運動をしている「支持者」がとても目立った選挙だったと思っています。選挙終了後も、小池さんが知事になったことで「東京終了」「日本終了」言ってますけれど、まあ多分東京も日本も終わらないですよね。
小池さんの演説の時に帰れコールをする他の候補の支持者なんかも、妨害行為が非常に汚らしいモノに見えました。ネット選挙、有権者側が成熟しないと、気持ちいい選挙戦は見られなさそうですね。
むかーし見ていたボクシングや格闘技の試合は、試合前に必ずといっていいほど両陣営が汚らしい言葉で罵り合っていたんですよ。でもって試合がぐだぐだだったりして、「ゴング前が一番盛り上がったな~」なんて感想を持っていたものです。
でも、フィリピンの英雄・マニー・パッキャオの登場以降、試合前のインタビューが美しくなったような印象を持っています。どの試合でってことは思い出せませんけれど
「相手の陣営も最高の準備をしてきてくれた。感謝している。でも勝つのは自分だ」
的な言葉を述べるんですよ。これがうわべの美辞麗句ではなくて、闘志タップりの雰囲気で語られるから美しいのなんの。
そしてパッキャオの試合は、とても美しいものでした。大抵は自分より身体の大きい選手が相手になるんですが、スピードと左パンチの強さで圧倒していったんですよね。この姿にしびれ、憧れたんです。
有権者、もう少し成長しないといけない。そう思います。次以降の選挙でボランティアスタッフを集める時には、事前注意の中で品格を大切にすることを伝えてほしいな。
ネットとリアルのバランスがこれからの選挙を勝つ要素になるかも
都知事選の2着になった石丸さんの戦い方は、これからのネット選挙本格化に向けて大いに参考になるものだなと思いました。
今の30代・40代が50代・60代になるころは、高齢者もネットをそれなりに使いこなすでしょう。そして、マスコミとネットのどこから情報を取るかも、バランスがとれてくるんじゃないかと思います。
でも、特定の大きな政党の「地盤」も、そうそう亡くならない。
となったときにはバランスをどうやって取って、どうやって勝ち抜きに行くか。そういう発想を持った陣営が、戦局を優位に進めて行けるんじゃないかと思います。やることが増えて大変だと思うけれど、良い日本を維持していくために、これからの立候補者は頑張ってほしいなと思った選挙でした。
編集後記
いやほんと、暑い……。数日前には毎年恒例の流しそうめんを堪能してきましたが、そんな清涼感をもっともっと味わいたくなっています。そうそう。これまでどんなに暑くても常温で飲んでいた炭酸飲料、ついに冷蔵庫にしまうようになりました。
冷たいものって美味しいなあ……。
次号はゆうせいさんの予定です。お楽しみにね。