#51 株式会社フライヤー執行役員 久保彩さんに今の職場に居続けていいのか分からない時の選択肢の広げ方について聞いてみた
スペシャル対談企画をお届けしたいと思います。株式会社フライヤー執行役員の久保彩さんに来ていただきました。久保さんの会社はビジネス書の要約サービスを手掛けるはベンチャー企業なんですけれども。そこで新事業担当の執行役員をされています。久保さんと私はここ数年、お友達なんですけれども。2人ともビジネスの話が大好物なんですね。それをおやつにいくらでもお茶が飲めるっていう。そんな関係性なので、私の事業の大事な壁打ちパートナーでもあります。今運営しているオンラインスクールの最初の構想ブレスト段階から、久保さんに入ってもらって。ちょうど第二子妊娠中だったんですけれども。そこだけ聞くと本当バリバリっていうイメージを持たれるかもしれないんですけども。声がめちゃくちゃ優しいんですよ。そんな優しい久保さんのトーンの対談を一緒に楽しんでいただければと思います。
迷いがあるときは新しい選択肢を見つけるチャンス!
(小田木)本日のスペシャルゲストです。株式会社フライヤー執行役員久保さんです。久保さん、今日はよろしくお願いします。来て頂いて、ありがとうございます。
(久保氏)よろしくお願いします。ありがとうございます。
(小田木)さっそく話に入りたいぐらいなんですけれども、もしかしたら初めての方もいらっしゃるかもしれないんで、ぜひ自己紹介お願いしてもいいですか?
(久保氏)はい、わかりました。今、ご紹介預かりました、株式会社フライヤー執行役員で新規事業担当しております久保彩と言います。最近、くぼあやさんとかくぼあやちゃんとか呼ばれます。
(小田木)ちなみにどんな会社ですか?フライヤーの社名知ってる方も、知らない方もいらっしゃると思うので。
(久保氏)フライヤーというのはサービス名でもありまして、ビジネス書の要約を毎日配信させていただいています。今、読むべきビジネス書を10分で簡単にキャッチアップできる要約として配信をさせていただいています。もちろんですね、毎日見ていただいてこれは!と思いましたら、買っていただいて読んでいただきたいと思いますけども。まず本を読むハードルを下げて、多くの人に本を読むだったり、そこから自分を高める方法や自分の考えを深めていくというところを広げたくて。まずは要約っていうところをやっているそんな会社です。
(小田木)これ、私は本当にいつも思うんですけど、時間なくてなかなか読みたいけど、読めないっていう人にはめちゃくちゃいいサービスですよね。まずエッセンスを知りたい。本の紹介じゃなくて、本の要約ですもんね。
(久保氏)そうですね。どんなに分厚い本でも最初に要点3つ、4つぐらいの形でポンポンと書いてあって、その後に本で書かれている重要なコンセプトの一部を取り上げさせていただいてるんですね。もちろん全てをそこに入れるわけにはいかないので、興味を持っていただいたら買っていただくのがいいんですけども。加えて、私も個人的なお勧めとしては、毎日新しい書籍に触れるというのも良いんですけども。自分が今、気になるキーワードで検索していただくと、10冊、20冊が一覧で出てくるんですね。自分が気になるキーワードで情報手に入れられる、比較ができる、自分の考えを深めることができるっていうような使い方ができるんです。
(小田木)その使い方はしたことがなかった。フライヤーさん教えてくださいみたいな。あとは自分で読んでも、じゃあ要点3点なんだった?って聞かれても「うっ」てなっちゃいますもんね。
(久保氏)そうそうそう。1冊本を買いました。で、それをじっくり読んだ後に要約を読んでも整理になったりして。
(小田木)なるほど、自分の持っている本を検索してもいいと。検索してなかったなと思ったんで使わせてください。
(久保氏)はい、ぜひ。
(小田木)ありがとうございます。そんなの面白いビジネスをやっている企業の役員でもある久保さんですけれども。今日は久保さんにせっかく来ていただいたんで、お題を用意しといたんですよ。いいですか?持ち込みで。いつも私が持ち込んじゃうんですけどね。
(久保氏)ありがとうございます。
(小田木)相談をいただいてまして。このテーマで久保さんとぜひ話したいなって思ってるんです。なんでちょっとまずはお悩みベースで聴いていただいてもいいですか?
テーマですね。今の場所、今の仕事を続けていいのかわからなくなっているっていう。こういうお悩みなんですけれども。背景としてはですね、その方も15年勤続されていて、新人として入社した会社でお仕事をされているんですけども。今の部署でもやりがいも感じているし、社歴も上がったんで一通りの仕事もできるようになって頼られていると。仕事自体もやりがいを感じるし、面白い。ただ、何が悩みかというと、なんかちょっと成長が止まっちゃってる気がするっていう。そういう悩みだって言うんですよね。
なので、ここに留まるべきか?それとも、もうちょっとチャレンジをした方がいいのか?って言う観点と。もう一つは結婚されていてそろそろ子供を持ちたいなという気持ちもあるんで、これからライフステージを迎える観点で、このテーマをどう考えたらいいのかって言う。こういうお悩みなんですけれども。ぜひ久保さんにぶつけながら一緒に考えたいなと思っていますね。
(久保氏)そうですね、すごく共感しますね。こういう時ありますよね。
(小田木)この悩み、めちゃくちゃありますよね。多分共感しながら聞いてる方も多そう。
(久保氏)多いと思いますね。
(小田木)どこから考えていきます?
(久保氏)そうですね。私はこういうことを感じている時こそ、1つのチャンスだと思うんですね。目の前に夢中になる仕事がある時って、自分を客観視することなく目の前のことに向き合っていればいいという状態になると思うんですけど。こうやって足がちょっと止まってしまったり、少しこの先について悩んでいる時って、1度俯瞰して、自分自身を過去や未来に思考を投じるいい機会だと思うんですよ。ただ、どこから手を付けていいのかわからないっていうことでご相談になっているんだと思うんですけども。
(小田木)なるほど。まさにそこが悩みなんだと思います。
(久保氏)私も、過去同じようにキャリア10年目ぐらいの時(1社目の時)にですね。変わり映えしなくて、仕事も慣れてきて、私自身はどうして行くんだろうって言った時に、結果的にすごく私自身が変わったな、考えられたなと思うのは、人に会いに行くといううことでしたね。会いに行くということをやって、いろんな人の考え方に触れて、繰り返して行く中で、自分自身の考えがクリアになってくる感じがしましたね。
(小田木)なるほど。
(久保氏)迷ってる時こそ、何か自分にある考えというのが、多分まだ言語ができていない状態で、モヤモヤしている状態なんで。それを言語化するためにも、他の方の言語化を聞いて、それをもとに自分の考えを整理していくっていうスタートにしたらいいんじゃないかなというふうに思います。
(小田木)なるほどね。つい自分はどうしたいんだろう?みたいな形だとか、どういう選択肢があるかなって自分の中だけで考えたりだとか、今の材料の中で答えを出そうとしちゃうかもしれないけれども。むしろ変化のチャンスって捉えると、今ない情報を取りに行った方がいいよっていうそういう考え方ですね。
(久保氏)まさにね。先ほど、迷ってるときに、こういう選択肢もありそうだけども、そうするとこうかもしれないって。今、見えている選択肢でいろいろ考えていらっしゃるんだと思うんですよね。
(小田木)そうなんだと思いますね。
(久保氏)今の部署にいると、こうなるかもしれないしって。今、自分の身の回りにあるような選択肢だけで考えていらっしゃると思うんですけど、それはそれで普通によくって、そうやっていろいろ思考してみるのが良いと思うんですけど。一通り、1人である程度考えて、それでも何かモヤモヤが残っているなということであれば、ちょっと離れた場所で働いている、例えば尊敬する上司に会いに行ったりだとか、何か自分の身の回りで少し引かれるような輝きを感じる友人に話を聞きに行くとか。輝いているとか尊敬するっていう人を選んでる時点で、実はある程度自分の中でこういう要素を身につけたいのか、そういうところを自分にも取り入れたいと思って選んでいるはずなので。その時点ではあまり気づかないと思うんですけど。
他の人の意見を聞くことで自分の意思をクリアにしていく
(小田木)これって、久保さん自身も経験があることですか?
(久保氏)そうですね。私は今、3社目なんですけども、1社目が12~13年勤めていた会社なんですね。新卒から大企業に勤めていたんですけども。その時に、この先どれくらいアクセル踏んで、やっていけばいいんだろう。ある程度仕事も見えたしっていう時があったんですね。
その時に、私の場合は夫の意向でシンガポールに行くことにしたんですね。その時に選択肢として、私は子供がいましたので、子供と私だけ日本に残って、夫だけ単身赴任するという形もあり得たんですけれども。私はその時にあえて違う選択肢を見てみたいと思って。いったん仕事をやめて、シンガポールについていくということを選択したんですね。
辞めるという選択肢を決めるときにも、実はすごくいろんな人に会いに行っていて。自分の中で決めかねたんですよ。何ヶ月も前から夫の赴任したいという意向は聞いていたので、準備期間はあったんですけども。どうしてもどちらを選択するということができなかったので、自分で決められなかったんです。少し先輩に会いに行ったり、海外赴任を経験した方に会いに行ったり、元上司に会いに行ったりということをしていたんですね。
直接的にアドバイスがほしいというような聞き方とか、教えてもらうんではなくて、その方々の取られた選択肢や、そこでの経験というものがどういったものだったのかっていうのを聞きに行きました。
(小田木)なるほど。結構そこ大事ですよね。「こういうことで悩んでるんだ。アドバイスください。あなただったらどうしますか?」じゃなくって、その人の過去の選択だとか、背景を聞きに行くっていう、そういう動き方をされたそうですね。
(久保氏)もう会いに行く人を選んでる時点で、実は気づいたんですけれども。実は海外に行っている人や、海外で仕事をやって、違うことに足を踏み出している人ばかりを選んでいたんですね。あ、私はここに希望を持っていて、そこに足を踏み出したいんだっていう風に結論付けることができました。それで仕事を辞めて、シンガポールに行くっていう選択肢をとったんですね。迷いがある時って、いろいろな情報を得て俯瞰をするすごくチャンスだと思います。
(小田木)なるほど、振り返ってみればっていう、そんな話ですね。ちなみに、同じような経験と他にもあったんですか?
(久保氏)そうですね。実は今、3社目と申し上げましたけども。今の会社に移る時も同じような経緯をとっています。2社目のコンサルティング会社にいた時に2人目の育休をとったんですけども。その時に働いていたコンサルティング会社もすごく好きで、すごく充実してると思ってたものの。この先10年、20年この会社で居続けるかどうかっていうと、分からないなっていうふうに思ったんですね。
(小田木)楽しくて、充実感があった一方で?
(久保氏)そうなんですね。なんでそういう風に思うのかっていうところも自分でうまく言葉にできなかったので。この機会にいろんな人に会って、自分なりの考えを整理するタイミングなんではないかなというふうに思って。ちょうど育休中ということもあり、赤子を抱っこひもに入れながら、いろんな人に会いに行ったんですね。それは、仕事をしている時には目の前に本当に夢中になることばかりなので、それ以外の選択肢を考えてない状態ですけど。その時は、母校の先生方に会いに行ったり、前の会社の上司に会いに行ったり、もっと広げて知り合いに紹介していただいた起業家の方に話を聞きに行ったり、いろんな人に話を聞くっていう形をとりました。
それは単純にお茶するとか、ランチするとかそんな感じのカジュアルな形で聞きに行ったんです。そうやっていたら、とある人から、今、新規事業で検討しているものがあるんだけどちょっと来ないかっていうお話を頂いて。少し興味を持っていたので、行ったのが今のフライヤーだったんです。
(小田木)なるほどね。
(久保氏)育休中に赤子を連れて、話を聞きに行って。今、私がやっている読書コミュニティってものの責任者なんですけど。当時、その企画の検討段階で始めたばかだったんですよ。それを検討していたら、本当にフライヤーの方々がすごく魅力的で、外部の人間がいても話題に対して、私が話していることに対してもすごくポジティブに耳を傾けてくれるし、どのメンバーも目をキラキラさせながら、そのコンセプトについて話していて。
この読書コミュニティの自分の可能性を広げるっていうところに対してもすごく共感をしたので。面白いなあと思って、話題に入ってたんですね。でも、その時点では何かキャリアを変えようとか、そういうところまで考えが至ってるわけじゃなくて。ただ、そうやって話していると、私こういういろんな人の未来を創るやっぱり事業に関わりたいし、こうやって関わっている人が目をキラキラさせて、将来がすごく輝いているような話をしている場にやっぱりいることが楽しいというふうに思って。自分の好きなことが段々と見えてくる。
(小田木)なるほどね。本当に行動してみたり、新しい場に行ってみたり、新しい人と対話をしたり、話を聞いたりっていう中で、自分どうしたいかなっていうことがだんだん形になって見えてきたっていう、そういう話ですよね。動く前に答えもなかったし、方向性もなかったし、根拠もなかった中でっていう。
なるほど。ありがとうございます。「今の場所にい続けていいのか?」って言う相談なんですけど、そういう思いを持つっていうのは、自分の中でクエスチョンやどんな意味や自分なりの期待が隠れているのかという考えるチャンスだよっていう。ただ、自分の中にまだない答えを形づけていくには、1人だけで考えずに、外に出ていろんな人に会い、いろんな場に触れて、その中で掴んでいけるんじゃないか。
誰に合うか、どんな場所に足を運びたいと思うかってところに答えがありそうだと思いますね。ヒントが知らず知らずのうちにあるんだなって言う、そういう話でしたね。なんか2つのエピソードがすごく重なりました。ありがとうございます。
応援メッセージ
(小田木)「今の場所に続けていいのか」って言う悩みを共有してくれた方も、私のすごく大事な人でもあるんで、こうやって久保さんが一緒に考えながら経験を話してくれたっていうのがすっごい嬉しかったんですけど。
ありがとうございます。久保さんから、この悩みを持つ方って本当に多いと思うので、最後にまとめじゃないけれども、メッセージいただきたいなと思います。今の場所に続けていいんだろうか?このままでいいんだろうか?っていう悩みを持った、これから持る人もいるかもしれないし、ぜひ久保さんなりのメッセージもらえますか?
(久保氏)冒頭にもね、申し上げましたけれど、居続けていいのかって言うと、いいんだと思うんですよ。今、無理にそこを変える必要はなくて、ただ、そうやってこう感じていることは、後から考えたら絶対チャンスになることなので。そう感じているのであれば、誰かに会いに行くとか、そういった小さな行動で良いので、少しだけで考えを整理するきっかけになるような事をやってみるといいかなと思います。
私の場合は、人に会いに行くっていう例を挙げたんですけど、本を読むでも良いし、違う切り口のものに触れてみるっていうのもいいと思うんですよね。自分だけで考えちゃうんじゃなくて、他の考えに寄り添ってみたり、他の経験されている方の経験を参考に。じゃあ自分はどうだろうって、その後問いを自分に戻すのは結構大事ですね。
本を読んだり、人に話を聞いたりしながら、じゃあ自分どうかなって、もう1回改めて考えると、今まで全然見えなかった答えが、モヤモヤしてたのも少しもしかしたら答えが見えるかもしれないので。そんなきっかけにしていただけると思うかな。
(小田木)なるほどね。
(久保氏)そして、パートナーとも話してみるといいなあっていう風に思います。私の場合もそうだったんですが、夫が海外赴任の希望を持っていて、そのタイミングで私も結果的にキャリアチェンジになったんですけども。これから長いライフステージがまだまだあるので、2人でお互い支えながら続けるっていうシーンが出てくると思うので。自分だけの選択して考えずに、パートナーの選択肢に聞いたり、自分の希望を伝えたり、相手の希望も聞いたりしながら、合わせる必要もないと思うんですけど。お互いにせっかくの機会なので、少し長期的な話しない?とか、その先どうしたいのか?ということも引き出してあげるようなスタンスで会話ができたら、新たな気づきがあるかもしれないなあと思うんです。
(小田木)ありがとうございます。今、悩んだり、モヤモヤするっていうところを起点にして、自分の考え方をいろんな人にお相手にしながら、確認するっていうタイミングでもあるし、パートナーとどう付き合いたいかとか、どんなことを考えるかというのを共有しながら、自分なりの答えを形作っていく機会にもできるっていう、そんな感じですかね。
(久保氏)はい、ありがとうございます。互いのステージ移行も柔軟に役割チェンジしながらやっていけるのではないかなと思います。
(小田木)久保さんの場合は、2回とも転職っていう決断につながりましたけれども、今の場所に居るとか、転職するどっちがいいかという話よりは、自分どうしたいかっていうところに改めて、次の選択っていうか、動いても動かなくても、自信を持ったり、自分なりのその意味につけるためのプロセスみたいな、そんなイメージですかね。
本当、定期的にこういう問いかけって自分の中に起こってくる感覚ってみんなが持ってるんじゃないかなって思うんです。その時に悩むとか、早く放したいって思うよりも、チャンスだなって捉えたらいいという考え方は本当にすごく大事だなって思いましたね。
(久保氏)ネガティブ・ケイパビリティと言いますけど。必ずしも問いって、すべて答えを出さなきゃいけないものじゃなくて、ずっと持ち続ける問ってあると思うんですよね。そういうのをネガティブ・ケイパビリティといいますけれど。
自分って何したいんだろうって。そんなパーンっと答えが出るものじゃないから、ゆっくりこう考えていくものでもあるので。そういう機会を経て、ちょっとずつちょっとずつ明らかになればいいなって。そんな風に思いますね。
(小田木)ありがとうございます。私自身もどう答えようかなって思ってたテーマを本当一緒に考えていただいてありがとうございます。今度は、久保さんが新しくキャリアチェンジして、今どんなことに一生懸命取り組まれているのか?っていう話も、ぜひ聴いてみたいなと思いますので、よろしくお願いします。
(久保氏)はい、ありがとうございます。ぜひ。
(小田木)私はいつも悩んだ時に、久保さんのたまに捕まえて壁打ちをさせていただいていますので、これからもよろしくお願いします。ということで、今日のスペシャルゲスト久保彩さんでした。今日は本当にありがとうございました。
小田木朝子プロフィール
「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
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