#912 「私、迷子です」と言えることの価値
おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
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「私、迷子です」って言えますか?
今日の放送は、「私が最近、思うこと」をお届けしたいと思います。
ちょいちょいある、小田木所感放送ですね。
今日は、こんなタイトルをつけてみました。
「私、迷子です」って言えることの価値がすごいあると思う。
例えば、小さいころに迷子になったとして、「迷子なの?」と大人に声をかけてもらう前に、「すみません、私、迷子なんですけど」と言えたかというと、私はそういうことは言えない子どもでしたけれども、子どものリアル迷子というよりも、大人になって仕事の中でちょいちょい発生する迷子状態のときに、「私、迷子です」って言えますか。
これをちょっと考えてみようというのがスタートです。
そもそもどういう状況かですが、例えば、ミーティングに参加していて、「ちょっと待ってよ、今、どこを話していたのか分からなくなっちゃったな」こういうことってありませんか。
これが、大人の迷子ですよね。
今、どこにいるのか、何を話しているのか、現在地が分からなくなっちゃったなとか、今日、どこまで決めるのか、ゴールがよく分からなくなっちゃったなとか、今、何がテーマだったか、もう一回確認したいなとか、ミーティングにおけるリアル迷子ですよね。
こういうことってたぶんちょいちょいあると思うんですけど、ただ、ここで「私、迷子です」って言えますか。
「すみません、ちょっとどこを話しているのか分からなくなっちゃって、私、迷子です」これを言おうと思うと、たぶん勇気がいるケースが多いんじゃないでしょうか。
あと、せっかくみんなは迷子じゃないっぽいのに、話を腰を折っちゃうなとか、分かってないと思われそうでいやだなとか、一生懸命に進行している相手に悪いなとか、いろんなことを考えると思うんですけど、冷静に考えてみてください。
この発言って、むしろナイスだと思うんですよね。
だってみんなで立ち止まって考えるとか、確認をするチャンスじゃないですか。
これを言わないということは、迷子のまま、なんとなく迷子じゃない顔をしてやり過ごすことになっちゃうし、進行者からしてみても、みんなでちゃんと考えたいという思いがある中で、「ごめん、ちょっと迷子になっちゃったから確認をさせてほしい」と言われたことが、全体の雰囲気に影響を与えて、「私ももう一回、念のために確認していい?」という声があったり、もしくは、他の誰かからすると、「分かっているつもりだったけれども、自分もギャップがあるってことに気づけたな」こういうことをみんなで確認し合って、同じ景色を見るチャンスなんですよね。
むしろ「私、迷子です」と言ってくれることが。
「私、迷子です」と言えることの価値ってこういうことにあると思うんですけど、イメージができますか。
場全体に絶大にいい影響を与える
他にも、こういうシーンもあると思うんです。
みんなで研修だったり学習をしていたときに、ファシリテーターの質問がよく聞き取れなかったとか、聞いたけど理解ができなかった、こういうことはないですか。
私は、ファシリテーターをする側のケースのほうが多いんですけど、こういうときに「すみません、もう一回、お題を言ってもらっていいですか?」とか、「質問をもう一回、確認してもいいですか?」これを言ってくれる人がちょいちょいいるんですけど、これは本当に「ありがとう、よく言ってくれたね、心から感謝します」というレベルなんですよね。
その人は、もしかしたら勇気がいったかもしれない。「やばい、分かっていないのは自分だけかもしれない」と。
でも、それが言えるということは、ちょっと恥ずかしいなとか、話の腰を折るかもしれないなというよりも、自分がそのテーマについてちゃんと考えたいというコミットメントのもとに発せられる言葉だと思いますし、だいたい何人かが集まると、一人が「あれ?」って思うと、もう何人かも同じように、「自分も聞き取れてなかったな」とか、「もう一回、質問が確認できるとよりいいな」って思っているはずなんですよね。
だって目的は、なんの停止もなく進めることではなくて、テーマについてみんなが真剣に考えたり、いろんな視点で考えることによって、学習が深まることになるので、ここでもやっぱり「私、迷子です」と言えることの価値って、その人にとっていいだけじゃなくて、その場全体に絶大にいい影響を与えているし、実際は、そんなことで腹を立てたり、おいおい、腰を折るなよと言う人って、ほとんどいないんじゃないかなって思っています。
でも、言う側になると勇気がいる言葉。それが、「私、迷子です」だと思うんですよね。
他には、「私、今、キャリア迷子です」と上司に言える、もしくは、誰かに開示できる。これも例えば、あなたの役に立ちたいと思っている人にとっては、何が関心なのか、どういう状態にあるのかが分かれば、より良くサポートができると思いますし、同じ場に何人かがいるシーンであれば、そうやって開示されるという安心感が全体に広がっていく、そんなインパクトを持つ言葉が、「私、迷子です」だと思うんです。
なんていう投げ込みなんですけど、どうですか、皆さん。
そう思いませんか?というのと、「私、迷子です」と言えていますか?
何が言いたいかというと、改めて「私、迷子です」という発言って、その場にいる誰にとってもめちゃくちゃ価値のあるアクションだと思うんですよね。
ミーティングでも、学びの場でも、一対一のコミュニケーションでも、本当にもれなく。
この一言は、私は場を止める効果というよりも、むしろこの一言によって、ぐっと場が動いていく、前進していく、そんなインパクトのある言葉だと思うんです。
例えば、「今、何を話しているのか分からなくなっちゃいました」これによって、全員で改めて、何を考えるかとか、どこがテーマか、どんなゴールを目指していくのかの景色が合う。それによって、よりテーマに対してみんなの集中が高まる。まさにぐっと場が前に動く感覚ですよね。
何を考えるか、どこに集中をしているのか、ここを確認し合えるということは、言い換えると、大事なことにちゃんとみんなの目がもう一回向き合えるということにもつながると思いますので、すごく場にインパクトを与えると思います。
もちろんそれを発してくれる人のハテナがなくなる効果もありますし、仲間がその一言をきっかけに改めて自分も確認する、もしくは、目を向け直す。それによって、仲間の考えもぐっと前に進む効果もあると思いますし、その場を引っ張る人にとっては、みんなで目的に向かって前進できるとか、そもそも到達したい目的がちゃんとできる、そんなキーになる一言だと思います。
ミーテイングとか、研修とか、特定の場をイメージしながら言いましたけれども、そういう1シーンや一つの時間帯だけじゃなくて、仕事そのもの、プロジェクトとか、とある案件とか、こういうのも全部同じだと思うんですよね。
やっているうちに、ちょっと迷子になっちゃうって、チームを組んでいろんな人が関われば関わるほど、普通に起こると思うんですよ。
当たり前に起こるけれども、勇気をもって誰も言い出さないうちに、迷子状態が放置されちゃって、本来みんなで発揮されるべきパフォーマンスが発揮されないとか、もしくは、「もっと早くに確認できていればよかったのに、ズレちゃったな、ギャップがひらいちゃったな」こういうことが振り返ると多々あるかと思うと、誰の中にもある迷子状態を放置しちゃう影響って大きいなと思います。
迷子だと言えるようになろう
だから今日の放送のタイトルは、『「私、迷子です」と言えることの価値』なんですけど、じゃあ、どうしていくかですが、この一言に尽きます。
私もみんなも迷子だと言えるようになろう。
「あれ?」とか「ちょっと迷子になっちゃったな」と思ったら、臆せずに、自分のために、そして仲間のために、「私、迷子です」を言えるようになろう。言ってみよう。
これをぜひ共有したいなと思います。
そして、もしも自分じゃない誰かが、「すみません、私、迷子です」と言ったら、言ってくれた人を、みんなで「おー、よく言った!言ってくれてありがとう!ナイス」みたいな感じで、みんなでたたえ合っていきませんか。
たぶんそれによって、ハードルがなく言える空気がどんどん作られていくと思いますし、迷子だという開示が増えることで仕事の本質や生産性がどんどん高くなっていくと思います。
「でも、そういう空気がないから言えないんですよね」ってつい思っちゃうかもしれないですが、そうじゃなくて、ぜひこの夏は、「私が言ってみることで、そういう空気を作り出そう」そんなふうに考えたチャレンジができるといいなと思っています。
これは、リーダーとか先輩とか、そういう人が言うほど価値が大きい言葉だと思いますし、インパクトも大きいですので、「若手は言いやすいかもしれないけど、自分は難しいな」と思う人ほど、ぜひこんなトライに踏み込んでみていただきたいと思います。
私ももちろん迷子になったら、すかさず仲間に「私、迷子です」って言っていこうと思っています。
という話でした。
今日もお聴きいただきありがとうございます。
それでは、今日も一日良い日にしましょう。
小田木朝子プロフィール
「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜
び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール“スクラ”から出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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