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#1133 交渉のポイントは「全体観」~働き方を時短に変えたいケースより~

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、チームワーキングで仕事をもっとおもしろく、キャリアもっと持続可能に、オンラインスクールスクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今日の放送は、チャンネルの質問ボックスにいただいたご質問を取り上げて、放送をお届けしたいと思います。
名前をつけるとしたら、「働き方を短時間勤務に変えたい、働き方を変える時の交渉のポイント」こんな感じになりそうです。

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本題に入る前にお知らせをさせてください。

続きはぜひVoicyでお聴きください。

「フルタイムから時短勤務に変更するために、上司との交渉へのアドバイスがほしい」というご質問

今日のご質問は、ともこさんにいただきました。
なんとラジオネームが、私と同じ名前「ともこ」さんです。
この時点で他人という気がまったくしてないですけど、ともこさん、ご質問ありがとうございます。
読ませていただきます。

【小田木さん、いつもすてきな放送をありがとうございます。
私は、育休復帰以降、フルタイム残業ありで仕事にまい進してきました。
昨年、流産を経験したことを機に、これまで通りの業務量で仕事を継続するのがしんどくなり、上司と時短にする方向で調整する予定です。
現職では、時短にしつつ、業務量が変わらないという方が多く、時短かつ業務量を減少させるにあたっての交渉へのアドバイスなどを教えてほしいと思っています。
現在、チームリーダーの役割と、メンバーと同じ業務を兼務している状況です。
どうぞよろしくお願いします。】

ともこさん、ご質問ありがとうございます。一緒に考えてみたいと思います。
改めて今回のご質問は、働き方を変えるための上司との交渉へのアドバイスがほしい、こちらです。
具体的には、フルタイム残業あり勤務から短時間勤務に移行をしたい。この移行に際しての上司との交渉へのアドバイスがほしい、こんなお題をいただきました。
ここからは小田木所感ですが、一緒に考えながら進めていきたいと思います。

まず、ともこさんは去年流産も経験されたということで、これは他者には想像もできないぐらいのショックと葛藤を抱えていることと思います。
そういった背景も含めてのご質問をどうもありがとうございます。
今回は、交渉していくにあたってのアドバイスがほしいということで、ここに着眼点をおいて私も一緒に考えようと思います。

交渉というのはお互いが納得できるゴールに向けて話し合うこと

改めて、この交渉なんですけれども、まずスタートラインが、交渉というものを自分の中でどんなものだととらえるか?これが意外と大事なスタート時点ですので、ここから始めていきたいと思います。
私的には、交渉というのはお互いが納得できるゴールに向けて話し合うこと。これが交渉ですよね。
なので、交渉の着地点というのは、お互いが納得する着地点で合意を形成すること
もちろん、自分としての希望や期待があると思います。
一方で、相手にも相手の希望や期待や事情があるので、ここをよくすり合わせて、お互いが納得できるゴールに向けて話し合っていくこと。
これが交渉ですよね。
何を当たり前のことを言っちゃってるの?と思うかもしれないですけれども、何が言いたいかというと、一方的に主張を通すことが交渉ではない、この前提がめちゃくちゃ大事なんですよね。
説得することでもないし、論破することでもないし、もちろん勝ち負けでもない。
お互いが納得できるゴールに向かうこと。
なので、今回のともこさんの説明の意図は、短時間勤務という選択に関しては、制度だから望めば誰でも選択できるじゃないですか。
でも、たぶんともこさん自身もそれだけではうまくいかないと思っているから、このご質問をくださったと思うんですよね。
ですので、お互いが納得できるゴールに向けて話し合うという交渉のポイントについて、ちょっと小田木所感を話していきたいと思います。
これはたぶん働き方を変えるというケース以外にも、大事なことは実は一緒なんじゃないかなと思いますので、ぜひ皆さん、ご自身がイメージする交渉の機会を前提にお聴きいただければと思います。

交渉のポイントは「全体観」

今回、大事なことは何かというと、全体観。漢字三文字で「全体感」これだと思います。
この三文字だけ頭の中に置いといてください。
シンプルに言うと、こういうことなんですけど、全体観というのは、例えば今回のケースでいくと、チーム全体で仕事をどうするかを前提に、上司と一緒に話ができるかどうか
これがたぶん今回のケースで全体観をおさえて交渉に臨むということになると思います。
「チーム全体で仕事をどうするかを前提に」とはどういうことかというと、すごく分かりやすくシンプルな数字で表現しますけれども、例えば、4人で100の仕事をやっていたとするじゃないですか。4人のチームで100の仕事をやっていた。そうすると単純に考えて、一人当たり25の仕事をやっていることになりますよね。すごくシンプルな例えで言ってますよ。4人で100だと、単純計算で一人当たり25の仕事をやっている。
こういった状況で、そのうちの一人が20の仕事に変更したいという希望を持った。そうした場合に、じゃあ残り5をどうするか?これがチーム全体で仕事をどうするかを前提にするということですよね。
うまくいかないケースというのは、こういうケースです。
私は25だけやるので、それ以外のことはそっちで調整してください。
めっちゃ極端な話をしていますよ。でも、これはうまくいかないケースだと、だいたい皆さんも想像がつきますよね。
自分も25を20にすることだけを目的に交渉してしまうケースが、うまくいかないケースだと言えると思います。
とにかく自分の25を20にすることだけを目的にしちゃう。
これが全体観を欠いたケースということですよね。
そうするとどうなるかというと、5をどうするかは一方的に相手に押し付けられるわけなので、よく起こりがちなのは、上司が巻き取るか、それとも5をどうするかを考えないので、勤務時間は変わっても誰かがやるしかなくなって、誰かがやらないとしたら、自分がやるしかない。
これがたぶんともこさんが言うところの、「時短にしたのに、業務量は変わらない」という状況ですよね。
これは、上司が巻き取ろうが、仲間が巻き取ろうが、自分がやるしかなかろうが、結局持続性がない着地点だと言えると思います。
どこかに、誰かに、無理や負担が生じている状況ですよね。

チーム全体で仕事をどうするかを前提に、上司と一緒に話をする

じゃあ、全体観をおさえた交渉というのはどういう交渉かというと、まず何を交渉するのか?
全体の100を95にできないか?
自分の25の20にできないかじゃなくて、全体の100を95にできないか?
5を減らせないか、なくせないか、もしくは、自分の25の仕事を20相当の時間や力でできるようにならないか?
このいずれかの実現に上司の協力や支援を得られないか。
これを上司と一緒に考えることが、今回の交渉のポイントですよね。
くどいようですけれども、この解を自分で出すことではなくて、交渉ですから、これをどうやって実現させるかを上司と一緒に考える
これが、今回の交渉のポイントになると思います。
なので、交渉の大原則「お互いが納得できるゴールに向けて話し合うこと」の前提に照らし合わせると、今回の交渉の共通のゴールは、チームの仕事のスムーズな継続。これですよね。
その結果として、ともこさんの不安のない働き方のシフトが得られる。
こういった構造で考えると、私はぐっと建設的で、「勤務体系は変わったけれども、仕事量は変わらない」といった不安を解消しながら、建設的かつ前向きな交渉になるんじゃないかなと思います。
現在、ともこさんはチームリーダーもされているということなので、当然上司も、チーム目線で考えるというスタンスの交渉コミュニケーションを期待しているはずですので、ぜひそんな観点で、お互いにとって望ましいゴールに一緒に向かうというコミュニケーションがとれるといいなと思います。
くれぐれも答えを自分で考えて持っていくとか、自分で考えなきゃいけないといった荷物の背負い方をするのではなく、全体の100を95にできないか、25の仕事を20相当の時間でできるようにならないか、その実現に上司だとか他の大事な人の協力や支援をどうやって得ていくか、これを題材に相手と一緒に考える。
くどいようですけれども、こんなスタンスで望むといいんじゃないかなと、小田木所感としては考えます。

いかがでしょうか?
ともこさんにとっても、そしてともこさんのチームにとっても、良い着地点に至れるように、心から応援をしております。
同じ名前の仲間として、ともに頑張りましょう。

ということで今日は、交渉をテーマにしたご質問を取り上げて、放送させていただきました。

最後までお聴きいただき、ありがとうございます。
それでは、今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクールスクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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