#408 「苦労は買ってでもしろ」問題を考える
おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、他人と比べない、自分だけの生き方、幸せを見つけられるオンラインスクール育休スクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。
今日もあきさんが考えてくれたタイトルコールでスタートします。
あきさん、ありがとう。
今回の放送は、質問ボックスに質問をいただきまして、こちらを取り上げたいと思います。
「質問ボックスって何?」というところですが、プロフィール欄に実は質問ボックスのURLが貼ってありまして、コメントに書ききれないような文章量が書けるようになっているんですね。
別に長くなくてもいいのですけれども。
こちらの質問ボックスを匿名で使っていただきますと、放送でお答えできるという仕組みになっておりますので、「コメント欄に書きにくいな」ということがあれば、ぜひ質問ボックスもお使いください。
今日はどんな質問をいただいたかというと、みっつんさんからです。
【いつも放送ありがとうございます。
ヘルプシーキングが重要と分かりつつ、立て込んだ仕事や大事な仕事ほど、ヘルプシーキングが難しい場合があります。
その際、自分の中のマインドブロックになっているのが、「自分でやらなきゃ」という思い込みです。
なぜそう思うかというと、「自分で苦労して身についたものでないと価値がない」という思考があるように思います。
「苦労は買ってでもしろ」と言われた時もありました。
小田木さんはどう思いますか?
「そんなの苦労の種類によるでしょう。後々なにか得られそうな苦労は自分ですればいいし、優先度の低い無駄な苦労はしないほうが効率的だよね。」という話で終わってしまいそうですが、でも無駄な努力もめぐりめぐって、今役立っていることってありませんか?
ここら辺の思考が、自分の優先度の低いことを捨てられないことにもつながっています。
こういった考え方について、ヘルプシーキングの本を出される小田木さんに伺ってみたいと思い質問させていただきました。】
こんな感じです。
みっつんさん、ありがとうございます。
ぜひ一緒に考えてみましょう。
「苦労は買ってでもしろ」問題を考える
もう一度質問をまとめますと、「ヘルプシーキング」一人で抱えない仕事のやり方が大事だと理解しながら、難しい時がある。
具体的には、仕事が立て込んでいる時だとか、大事な仕事を自分でやりたいと思っている時。
さらに、それを手放せないマインドブロックとして、「苦労は買ってでもしろ」、「苦労してやったことしか身につかない」、「自分で苦労して身につけたものにこそ価値があるんだ」こういった考え方が影響しているような気がする。どう思いますか?
こんな感じですかね。
ちなみに、まずベースとしては、私は全く同じ思考をしております。
「苦労は買ってでもしろ」これが割と自分の根っこの部分に染みついちゃってる気がするんですよね。
良い意味でもです。
そして、今の自分を支えているのは、頑張って努力して身につけたもの。
失敗も含めて、痛い思いをしながら気付いたこと。
これが今の自分につながっているなという感覚もあるので、この感覚を手放す必要は、私はないと思っています。
ただ、「成果に影響しない抱え込み」抱え込んだとしても、アウトプット品質が上がらないとか、自分の成長につながらない抱え込みや、チームのリスクや負担になってしまう抱え込み、これを覆い隠す苦労には注意が必要ですよね。
ですので、みっつんさんが言うように、「どんな苦労を進んでするか」、もしくは、「どんな苦労を自分に仕掛けていくか」というところは、結構大事な観点だと思います。
ヘルプシーキングの側面
そしてもう一つが、ヘルプシーキングを発信したり、いろんな人と対話する中で、どうしても境目が難しいなと思うのが、ヘルプシーキングといったときに、「ポイポイ投げ出しちゃったら、それってチームにとって良くないことだよね」もしくは、「その人にとって踏ん張れない、成長できないことになっちゃうよね」とか、「気合と根性に頼らない、それもそうなんだけれども、でも気合と根性が大事な場面もあるよね」そして、「みんなが抱え込まないことで、仕事がなーなーになっちゃって、成長もできないし、成果が上がらなくなっちゃったらどうしよう」こういう意見、黒か白かではなくて、「一方でこういう側面はどうしよう?」こういう考え方が必ず付いてきますので、ここに自分なりの考え方や意見、そしてそういう考え方を持ってしまうこともあるという、ここに対しての許容も一方で必要かなって思います。
大事な仕事ってどんな仕事?
今日の場合は、どの辺に着眼点があるかな?ですけれども、まず「大事な仕事」という観点がありましたよね。
「大事な仕事ってどんな仕事か?」ここが実は、苦労以前に大事かなと思います。
例えば、みっつんさんがやることが、チームの誰よりもアウトプットの精度が上がって、例えば、顧客のことを真に理解した提案ができるとか、そういう意味での大事な仕事であれば、みっつんさんがやった方が良いですよね。
ただし、それを抱え込んでギリギリでやるのではなくて、じゃあ、「他の業務をヘルプできないか?」とか、「今後同じような仕事ができた時に、他のメンバーも同じぐらいの精度でできるように、やり方を教えて、メンバーの成長機会に活かせないか?」こういったことは考えられるんじゃないかなと思います。
つまりどういうことかというと、ヘルプシーキングって、とにかく何でも自分の仕事を誰かに振るだけじゃない。仕事の分担だけじゃない。この前提が大事ですよね。
誰がどのタイミングで、どうやることが、最もその仕事の精度が上がるのかという観点が、たぶんチームの成果のためにヘルプシーキングするということになると思います。
なので、みっつんさんがやることが最もパフォーマンスが高い仕事であれば、そのタイミングではみっつんさんがやるべきですよね。
もしくは、他の人がみっつんさんと同じようにできないことで、みっつんさんの抱え込みが生じているのであれば、みっつんさんは今度は自分のノウハウだとか考え方ややり方を他の人に教えることで、みっつんさんがレベルアップする必要があるのかなと思っております。
派手な苦労と、地味な苦労
もう一つは、「苦労は買ってでもしろ」価値観問題ですよね。
これは私も大事にしている価値観なのですけれども、ただ、みっつんさんも書いている通り、「どんな苦労でもいいか?」というと、これはやっぱり苦労を見極める必要がありますよね。
私は、派手な苦労と地味な苦労があるなって思っています。
派手な苦労というのはどういうことかというと、苦労してやることそのもの以上に、派手な服を着ちゃってるんですよね。
どういう派手な服かというと、ギリギリでやるとか、切羽詰ってやるとか、追い込まれてやる。
こういったお化粧を施しちゃうと、苦労の実寸以上に大きな苦労に見えてしまう。
それによって私たちも、「でかい苦労がきた、ここで踏ん張らなきゃ」という感じになっちゃうのですけれども、「それって派手な衣装をむくと、実は中身は小さくないですか?」だって、仕事にはあらかじめ納期があって、そして自分が取り組む以上、所要時間を見積もって事前に計画できるわけですよね。
ギリでいろんなことが突発的に生じるということもありますけれども、それって頻度としては、通常の業務よりは少ないと思います。
なので、実は実寸としてはそんなに大きくない苦労に、派手な衣装を着せてしまって、「やべえやべえ、キャパオーバーだよ、はみ出しそうだよ、でもここで頑張るから」という感じで、軽くお祭り騒ぎになっちゃってるのが、派手な苦労かなと思います。
地味な苦労の方を進んでしたい
そして、地味な苦労というのは、そういった過度な装飾を取って、実寸大の苦労ですよね。
ギリじゃないから、そういう意味では目立たない。
しかも、キャパの中でじっくり考えることができるから、そういう意味では目立たないのですけれども、こっちはたぶん、きちんと向き合うべき苦労だと思います。
私は今、結構パツンパツンになってる時があるのですけれども、それでも心がけているのは、例えば、資料とか顧客に提案する企画書があれば、最低期日の3日前にあげて、メンバーにシェアする。
もしもフィードバックがあれば、それを反映させて出せる形にする。
こんなことを心がけていますが、ギリじゃないので目立たないんですよ。
しかもキャパの中できちんとじっくり考えてやるので、目立たないんですよ。
苦労は苦労でも、ギリにお祭り騒ぎをしながらやってた時代もありましたけれども、こういった仕事を一気にまとめてやろうと思わず、まず前提を整理するのに30分、企画の格子や構成を考えるのに一時間。そのタイミングでメンバーにシェアをして、フィードバックを得たり、自分で大事な仕事のハンドルを持ちながら、周りの力を借りて仕上げていく。
そんな仕事のやり方ができるようになったなと思います。
そういう意味で、みっつんさん、「苦労は買ってでもしろ」の価値観は手放してないから安心して、みたいな感じですかね。
もちろんいろんな仕事の種類によって、どういった工夫が必要かというところは変わってくると思いますけれども、今日の質問のポイントは、ヘルプシーキングというのは、誰かに仕事を振るだけじゃないよ。大事な仕事は、自分でハンドルを手放さずにやったほうがいいでしょうという話と、苦労には派手な苦労と地味な苦労があって、地味な苦労の方を進んでしたらいいんじゃない?そんな話でした。
みっつんさん、ありがとうございます。
それでは、今日も一日良い日にしましょう。
小田木朝子プロフィール
「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール“育休スクラ”から出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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