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#1226 大事にしたいことは違うから、尊重し合う~朝ドラ「虎に翼」感想~

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、チームワーキングで仕事をもっとおもしろく、キャリアもっと持続可能に、オンラインスクールスクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今週も金曜日がやってきました。
雨が降ると、暑さも和らぐなと思いながらも、あっという間に一週間が過ぎていったなという感じです。

9月10日はHRライブ!チーム体験にフォーカスしたイベント

今日は本編に入る前にお知らせをさせてください。

続きはぜひVoicyでお聴きください。

NHKの朝ドラ「虎に翼」にハマってます

今日の放送は、今、私がはまっているドラマと、そこからの所感をお届けしたいと思います。
ここまで聞いた時点で、「いや、またか」と思う方がいるかもしれません。そうなんです。先週は『進撃の巨人』を取り上げ、そうじゃなくてもこのチャンネルでは、「このマンガがおもしろい」とか、「この歌の歌詞がいい」みたいな話をちょくちょくさせていただいていると思うんですが、またかと思わずにぜひ聴いていただければと思います。
何がおもしろいかといいますと、こちら。
NHKの朝の連続テレビ小説『虎に翼』これが本当におもしろいんですよね。
この放送を聴いてくださっている方の中にも、たぶん見ているという方もいるんじゃないでしょうか。
平日毎朝たった15分の放送なんですけど、この時間尺がいいんですよね。
私はリアルタイムではなくてNHKプラスで見ているんですけど、毎日、夜に今日の『虎に翼』を家族でチェックするのがわが家の一つの楽しみになっております。
『虎に翼』という朝ドラはどんな話かというと、時代は戦前から戦後にかけての話なんです。主人公は通称「トラちゃん」と呼ばれる佐田寅子さんという方なんですけど、この方は実在の人物でモデルがいて、戦前から戦後にかけての時代で、まだまだ希少だった女性弁護士になり、そこから女性初の裁判官になったという方をモデルにしながら作られているドラマなんですよね。ここだけ聞くと、「おいおい、バリバリした話だな」みたいな感じで聞こえるかもしれないんですけど、人間臭くて、等身大で、さすが朝ドラという感じですけど、本当におもしろいストーリーになっているんです。
見どころが本当にいろいろあるんですけど、わたしがすごいおもしろなと思うことの一つに、憲法と法律という軸があるんですね。時代が時代なので、戦争をはさんで帝国憲法が日本国憲法に変わっていき、その流れの中で民法改正があって、そういう時代の枠組みが根底にあるんですけど、これって私たちは歴史上の出来事としてなんとなく知っているみたいな、そういうレベルじゃないですか。
でも、このドラマを通じて見ると、今ある当たり前が決して昔から当たり前だったわけじゃなく、どういった時代背景や、そこにある人々の生活や思いや感情が、どんなものからどんなふうに今につながる形で変わっていくかみたいな、そういうことがドラマチックに織り込まれているんですね。
憲法の条文の中で「すべて国民は法の下に平等」みたいなフレーズがあって、これも私たちにとっては「そうでしょうね」みたいな感覚なんですけれども、これがうたわれた時に涙を流してそれを見るという人がいる、そんな生活や感情の変遷というところが本当におもしろいなと思いました。
さらに、ここにキャラクターとか登場人物の魅力はもちろんあるんですけど、話の筋として今でもリアリティがあるいろんなテーマがこれでもかというぐらいちりばめられていて、そこで起こるドラマに全く古さを感じないんですよね。
例えば、主人公のトラちゃんが仕事と家庭の両立に苦悶するとか、女らしさ男らしさみたいなものに多くの人が悩みながら向き合うとか、家父長制の価値観にもとづいたいろんなしがらみとか、家を守る考え、嫁姑問題、LGBTQや同性婚の話や、国籍による差別、外国人への偏見、最近だと夫婦別姓や職場での旧姓利用ということまで、本当にこれでもかというぐらいリアリティのあるテーマがちりばめられていて、繰り返しですけど、全く古さを感じなんですよね。
こういう葛藤や思いやテーマって今でもあるよねということを本当に考えさせてくれる、そんなドラマだなと思っています。

おかしいことにおかしいって気づくことは簡単じゃない

NHKの朝ドラは半年ワンクールじゃないですか。
なので、『虎に翼』は9月末までで、あと一カ月足らずで終わっちゃうんですけど、最初からおもしろすぎちゃって、あと一カ月で終わるのが惜しいな、でもどんなふうに終わるのか見たい、そんな感覚で毎日を楽しんでおります。
私も見てますという方、ぜひコメントで教えてください。
もちろん見てないという方もいると思うんですけど、そこから私の所感のどんなことを考えたかというのを少し放送にできればと思うんですけど、まず思うのが、おかしいことにおかしいって気づくことは、これそのものが簡単じゃないし、まして、「え、ちょっと待って、おかしくない?」みたいな声をあげるのは本当に難しいんだなということをドラマを見て感じます。
例えば、今は8月なので、結構戦争の時代や起こったことを振り返るというドキュメンタリーとかがあるじゃないですか。
そういうものを見ると、私たちは「何でそういう考えをしちゃうかな?」とか、「なんでそういう判断をしちゃうかな?」ということを、今の感覚で振り返るといくらでも言えると思うんですけど、当時はその時代の空気感があって、そこに根付く「これが当たり前」という常識があって、そもそもそれ以外の発想や選択肢を知らないという人たちにとって、おかしいことにおかしいって気づいたり、ましてや「ちょっと待って」と声をあげることというのが、どれぐらい難しいかというのを本当に感じるんですよね。
それと同じような感覚が、『虎に翼』にもあって、こういうシーンでは「我慢するものだ」みたいな、例えば、20歳になったらお見合いをして結婚するものだとか、子どもをもって一人前だとか、もしくは、女性の弁護士がいたとして、同じ女性でさえも、ちょっと女性にお願いするのは不安かな、みたいな感じで考えちゃう。そういうことに「あれ?おかしいね」と気づいたり、ましてや、「ちょっと待って、おかしくない?」と声をあげるということは、本当に難しいんだな。
時代が違って、常識が違って、客観的にいくらでも見られる人ならいざ知らず、その渦中にいる当事者が「おかしくない?」と声を上げることの難しさを本当に感じるなと思っています。
そういう意味でいくと、このドラマの中で主人公のトラちゃんは「はて?」みたいなお決まりフレーズがあるんですけど、「ちょっと待って、おかしくない?」と、流されずに自分でちゃんと考えて、かつ声をあげられる、このスタンスに本当に力をもらったり、勇気づけられたり、こうありたいと思うことを、繰り返し感じるなと思っています。

誰かにとっての些細なことは、誰にとっても些細なことではない

もう一つ思うのが、本当のダイバーシティみたいなものについて考えられるなと思います。
両立だとか、家父長制だとか、夫婦別姓とか、LGBTQみたいな、こういうキーワードはあるんですけど、そういうレベルじゃなくて、このドラマのさらに根底に根付くのは、一人一人ちゃんと対話しようよ、モヤモヤを開示し合う、言葉にし合うということが大事だし、さらにここから相手が開示してくれたそのモヤモヤを自分で評価するんじゃなくて、「あなたはそうなんだね」と受け止め合うことのすごい大事さを繰り返し教えてくれるなと思います。
例えば、夫婦別姓みたいなテーマがあったとして、主人公のトラちゃんは一番最初にした結婚では姓を変えたんですよね。
もっと言うと、むしろ姓を変えたかったという背景があったんです。
結婚をしていないと一人前と見られないというもどかしさを感じていたので、一人前に見てもらうために結婚もしたいし、「私、結婚しましたんで」というアピールをするために、姓も変えることに何の違和感もなかったというのが最初の結婚だったんですけど、2回目の結婚に際しては、今ある姓を変えたくないという気持ちになっている。
なんで変えたくないかというと、これまでの自分の歩みがなくなってしまうようで怖い、裁判官佐田寅子としての歩みがなくなってしまうようで怖いということを感じて、でもそれ以外の選択肢が見えなくて悩むという。
周りに相談すると、「そんなことで悩むなよ」「そんなの些細なことじゃん」とか、「贅沢な悩みじゃないの?」みたいな感じで言われることもあるんですけど、でもこのドラマが伝えてくるのは、誰かにとっての些細なことは、誰にとっても些細なことではなくて、私にとっては些細なことではないとか、あなたにとってはそれは些細なことじゃないんだね、こういう一人一人こだわりたいことも大事にしたいことも全然違うし、それが違ったとしても、尊重し合おうよという、そんなメッセージと、そうすることへの期待と希望にあふれた本当にいいドラマだなと思っています。
ついつい私たちは、開示することにも勇気がいるし、相手が開示してくれたことに対して、「いやいや、こう考えるべきでしょう」とか、「あなたのその考えはおかしい」みたいな感じで頭に浮かんじゃないかもしれないけれども、でも本当は私にとってそれは些細なことでも、相手にとっては些細なことではなくて、こだわりたいことも大事にしたいことも違うわけだから、それを尊重し合えるような関係を築けたらいいな。それが本当の意味でのどんなテーマに関しても共通する、望ましいベースにあるべき関係性なんだなと、そんなメッセージを日々に受け取らせてもらっています。

いろいろかたくしゃべったかもしれないですけど、とにかくおもしろくて、終わってしまうのが惜しいなと思っている、そんなドラマをあと一カ月楽しみに続けたいなと思います。

ということで、最後までお聴きいただきありがとうございます。

今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクールスクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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