#36 育休復職で自分の想いと会社の対応がすれ違ったスクラ生からの相談
今日はですね、オンラインスクールの受講生のAちゃんからの相談をちょっと取り上げたいなと思います。Aちゃん、ご相談と放送へのご協力ありがとうございます。
Aちゃんはですね、10月から復職することになっています。なんと、出産から半年未満の復職が今回です。その半年未満の復職の経緯としては、これまでにじっくり育休とったこともあって、今回は短くても良かろうと思えたこと。そして自分が担当する新規事業のまさに大事なタイミングで出産が重なったので、早く戻りたいと思っていること。そしてコロナの影響もあってですけども、在宅復帰することに会社から了解をもらえて、在宅復帰することができるようになったこと。この辺が期間としての理由ですね。
そしてAちゃんはですね、上司とAちゃんのあとを引き継いだ後任の後輩との面談やミーティングをするために復職前に先々週会社に行ったそうです。
そこでどんなことがあったかというと、その上司も後輩もすごくよそよそしかったと。ミーティングに参加しても、Aちゃんには在宅で出来る仕事を切り出して、渡せる範囲で渡しますよというスタンスだったと。
Aちゃんとしてはここまで工夫して復職に向けて備えをしてきて、復職したらチームや事業に目一杯貢献しようと思っていただけに、すごくショックを受けたと。しかももう一つ、以前24回目の放送で、「育休からの復職面談」というテーマで復職面談の基本の話を私させていただきました。
(#24 上司と部下の効果的な『キャリア面談』のポイント ~育休からの復職面談を例にして~)
その時に自分の仕事への思いをきちんと上司に伝えることと、一方で上司の側の話もちゃんと聞くこと。チームの方向性だとか、上司が持っている期待や課題感もちゃんと聞いた上で、復職に備えていき相手とも合意形成するっていう、そんな話をしたんですけれども。
Aちゃんはですね、仕事の思いもこれまでに上司にきちんと伝えてますし、早い復帰時期もその思いから決断した行動だったと、こういうことですね。
今日はですね、この出来事をどう捉えて、みなさんだったらどうしますか?私だったらどうするかなというのも一緒に考えてみたいなと思っています。
復職に臨んだ気持ちがくじかれた!そのときどうする?
まずこの話聞いてどう思いましたか?割とよくある話じゃないかなと思います。がんばろうとかやるぞとかチームの役に立ちたい、そう思って復職に臨んだ気持ちがくじかれた時のショックや落胆ってめちゃくちゃ想像がつきますよね。わたしも思わず感情移入しちゃうなって思いますし、あとこのままいったらマミートラックのっちゃうんじゃないか、そんな不安や心配だって湧きおこるんじゃないかなと思います。
でも今日はあくまで冷静にここからどうするかっていうのを考えていきたいと思うんですけれども、いろんな考え方あると思うんですが、まず私だったらどうするかなというのをちょっとイメージしてみました。
まずこれはやめた方が良いなって思うことが二つあります。
それ何かというとまず一つはですね、ガッカリを引っ張っちゃう。そしてどうせこの上司じゃ無理だ、このチームや職場じゃ無理だ、ここでは仕方がないと思って、期待するとその期待が裏切られるのがショックになるじゃないですか。なのでもう期待しないって思って、自分の殻に入っちゃう。これはまず避けた方が良いですよね。何もいいことないし何も生まれない。
もう一つ避けた方が良いのがですね、このショックをバネにする。まあ見てろよとか、ぎゃふんと言わせたるみたいな感じで、上司や環境に果敢に立ち向かうのも正直やめた方が良いなって思います。上司や環境を対戦相手に据えて負けないように戦っていくっていうアプローチ・姿勢も望ましくないな。でも、思わずそうしちゃう気持ちはめちゃくちゃよくわかる上で、あえて冷静に言ってますよ。
じゃあどうしたらいいのかなっていうところなんですけども、ここではですね、まずこの上司の心境を予測したいなと思います。Aちゃんの上司ではないけれども、Aちゃんの上司がどんな心境や心持ちでこういった態度や言動をしてしまっているのか?あくまで予測ですけども、一つ確実に言えそうなのはAちゃんのケースはですね、6ヶ月未満児を持って仕事する部下を多分持ったことがないんじゃないかなって。そしてもう一つは在宅で割と重要なプロジェクトを進行する部下をマネージしたことももしかしたら経験がないんじゃないかな。そうなってくると本人が私できますって言ったとしても本当にどこまでできるのかが実感がやっぱり持てないんですよね。逆の立場だったら。
もし子供が小さいだけに何か起きたら怖いなって思いますし、できるっていうからじゃあって言って任せて、できなかったらこれもチームとしてのリスクになっちゃう。なので本人の言葉ややる気っていうのは百も承知だけれども、それだけでは信じられない心境ってやっぱりあるんじゃないかな。こういう心境だとですね、できますやらせてください、私が、私なら、みたいな一方的な押し付けは、むしろ相手やチームの心境や状況を無視した行動に見えちゃうリスクがあるなと思います。
相手を敵にせず信頼関係を築く期間を設ける
なのでじゃあどうするかっていうところなんですけれども、追々発揮していく力だとか主張していきたいことがあったとしても、一旦「私」っていう主語は脇に置いて、まず相手との信頼と着実な実績をつくっていく期間を挟むっていうのが大事かなと思います。具体的には例えば、任された仕事をまず完璧にする。その上で困っていることだとか、チームのためになることを相手に聞きながらそれをやっていく。その業務プロセスだとか関係者を観察して、いない間の情報を埋めながら新しい情報をストックしていくとか。あと在宅での仕事を自分からオープンに開示していく。例えば今日何をして明日何をするかだとか、何を考えてそこからどんな気づきを持ったかっていう、そういうことオープンにしていくことの積み重ねですかね。これによって相手の中で任せて安心だとか、頼れるっていうそういった信頼ができたら、少しずつ「私」を主語にした話をしていけるのかな。やっぱりとにかく信頼関係だと思いますし、上司も人間なんですよね。言葉だけでは腹落ちできないとか、心情的に抵抗感があるっていうことは必ずあるんじゃないかなと思います。
だからこそ、絶対に相手を敵にしてはいけない。これですね、重要なポイントなんですけども、相手が敵になっちゃうんじゃなくて、相手を敵にするかどうかっていうのは、結局自分の捉え方次第なのかなと思います。だから敵にしちゃいけない。だって最終目的は相手をぎゃふんと言わせることじゃなくて、やっぱり自分の豊かなキャリアじゃないですか。なのでそれに向けていくために何が今大事なことなのかを選び取っていけたらいいなと思います。
Aちゃん相談してくれてありがとうございます。そして放送で使わせてくれてありがとう。もう本当にめちゃくちゃ応援しています。復職時の第一リアクションとしては、ともすれば順風ではないかもしれないですけれども、こういうのって本当によくあります。普通。なのでそうきたかーぐらいの捉え方をして欲しいなと思いますし、Aちゃんならこの今の出来事に向き合って、このプロセスを糧にできる力があるなと思っていますので、心から復職とその後の仕事を応援しています。
ということで以上になります。
みなさんも、もしこんな復職時の困ったがあれば、コメント欄にいただければと思います。
小田木朝子プロフィール
「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール“育休スクラ”から出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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