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#1028 「対話は大事だけど時間がかかる…」を考える

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、チームワーキングで仕事をもっとおもしろく、キャリアもっと持続可能に、オンラインスクールスクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

年末年始の放送予定

12月も26日ということで、クリスマスも終わると、本当に師走感という感じですよね。
私は実は、一年の中で、年末のクリスマスが終わってから大みそかにかけての「一年が終わるぞ」という雰囲気がめちゃくちゃ好きなんですよね。
もしかすると、お正月よりも年末感のほうが好きなぐらい。
そんな貴重な時期をかみしめながら、放送もお届けしていきたいと思います。
ちなみに、両立サプリの年末年明けの放送予定ですが、年内は29日金曜日を放送最終日にさせていただきたいと思います。
そこからお正月の三が日をお休みにさせていただきまして、年明けは1月4日から放送を再開したいと思います。
最終日もどんな放送をお届けしようかなと企画を練っておりますので、ぜひ29日まで年内のお付き合いをよろしくお願いします。

「チームで成果を上げる仕事のやり方」を手に入れよう(スクラお知らせ)

続きはぜひVoicyでお聴きください。

対話は大事だけど時間がかかる・・・?

今日は、いただいているご質問を取り上げて放送をお届けしたいと思います。
質問者さんは、325さんです。
325さん、ありがとうございます。

【いつも放送をありがとうございます。
対話について聞いてみたいことがあり、初めてこちらにコメントをしました。】

「こちら」というのは、両立サプリの質問ボックスですね。
チャンネルのプロフィール欄にリンクが貼ってありまして、325さん、こちらを使っていただいてありがとうございます。
続けます。

【自分なりに試行錯誤をしながら、対話にトライをしています。
いいやり取りができたなと思うこともあるのですが、対話って時間がかかってしまって、物事がなかなか前に進んでない?と思ってしまいました。
一方で、背景が見えないままに進んでしまい、あとからズレていることに気づき、対話が足りなかったなと思う場面もあります。
この「時間がかかって、なかなか前に進んでない?」というモヤモヤになにかヒントをいただけたらうれしいです。】

ということで、325さん、ありがとうございます。
対話って必要だと思うけれども、一方で時間がかかる・・・?
これを考えたいということでご質問いただきました。
めちゃくちゃいい質問ですよね。
私は仕事でいろんな企業やチームや組織さんに対話のトレーニングを提供するということを事業の一つにしているんですけど、トレーニングの初期段階で必ず出てくるご質問だとかクエスチョンが、やっぱりこれなんですよね。
「必要だというのは分かるんですけど、一方で対話ってやっぱり時間がかかりますよね。自分も含めて、誰もが忙しいチームの中で、対話を実践していくって、めっちゃハードルが高いなという思いもあります。」
これは、誰しも率直に感じることかなと思います。
なので、325さんだけじゃなくて、「そうそう、そこを考えてみたかったんだよね」という方がたくさんいるんじゃないかなと思います。
325さん、代表してのご質問をありがとうございます。
一方で、対話を実践しようとしている、実践して手ごたえを感じる場面も増えつつあるという背景も、すごくすてきだなと思っています。
だからこそ生まれるクエスチョンである、そんな感じですかね。
ということで、今日は「対話って時間がかかる・・・?」これを一緒に考えてみたいと思います。

対話は時間がかかるが、トータルでの生産性は劇的に上がる

まず話のスタートラインは、対話は確かに時間がかかるが、でもトータルでの生産性は劇的に上がる
これは、本当に私もめちゃくちゃ実感しているところですし、トータルでの生産性が上がると、入り口をきちんと景色を合わせるための対話の時間というのは、結局、巻き返せると思いますので、そんなふうに考えられるといいなと思います。
「対話は時間がかかるが」という枕詞を置かせていただきましたけれども、ちょっとニュアンスが大事なんですけれども、対話は時間がかかるというよりも、対話する分の時間がかかる
何が言いたいかというと、対話というのは、とにかく時間をもろに消費するコミュニケーションだという前提ではない
5分対話するにしても、5分対話する分の時間がかかるという意味での「対話は時間がかかる」ですので、対話=30分も一時間も、とにかく話をしなきゃいけないコミュニケーションだというイメージは、取っ払っていただきたいなと思います。
対話する分、時間がかかるけれども、トータルでの生産性は劇的に上がるという、これがスタートラインに置けるといいなということです。

「ほんまかいな?」と思うところもあると思うので、ちょっとリアルなイメージを想像していただきたいなと思うんですけれども、例えば、対話をするケースと、対話をせずに情報伝達だけをするケースと、想像して比べてみましょう。

ちなみに、今日のこの放送では、「対話」を意味や背景を共有するコミュニケーションという定義をさせていただいてますので、意味や背景をちゃんと共有することによって、結果として、相手と同じ景色を見られるとか、本質的に大事なことに気づける、これを目的にした意味や背景を共有するコミュニケーションを対話と呼ばせていただいています。

必要な場面で対話のカードを切る

対話があるケースと、対話がなくて情報伝達だけになるケースをイメージしていきましょう。
例えば、上司から「あなたにこれをやってもらうことになったので」という業務のアサインがあったとするじゃないですか。
「そういうことになったので、よろしく」これがいわゆる一方向の情報伝達ですよね。
でも、これでとりあえずアサインされたんだなということは伝わっても、これだけだと、私たちの頭の中には「なぜ私なんだろう?」とか「どういう意図なんだろう?」「何を期待されて、どういう結果を出すことを求められているんだろう?」こういうクエスチョンがめちゃくちゃ湧き上がってきますよね。
とりあえず「アサインされたんだからやるか」と言って、やるという方法もあるかもしれないですけど、「なぜ私なのか?」「どういう意図なのか?」「何を期待されて、どういう成果を出せばいいのか?」この意図や背景がきちんと分からないと、おそらく「とりあえず割り切ってやりますわ」と言ったとしても、生産性って上がらなかったり、期待とはずれた頑張り方をしちゃったり、もしくは勝手にいろいろ推察して、勝手にモチベーションを下げちゃったりということだって大いにありますよね。
そういう意味で、情報を伝えるというだけであれば、一方向の情報伝達のほうが早いけれども、その後にきちんと効果的に効率的に仕事を進めようと思うと、意図や背景をちゃんと最初の段階で伝えておいたほうが、生産性は劇的に上がるなというのは、結構容易にイメージができますよね。

もう一つ、ちょっと違うパターンなんですけれども、対話をちゃんとするケースと、対話をせずに、いきなり議論から入るケース、これも比べてみたらどうかなと思います。
例えば、ちょっとありえないシチュエーションですけれども、私たちがチームで食堂を経営していて、集客がいまいちなので対応策を練ろうという話になったとするじゃないですか。
これでいきなり議論だと、「味をやっぱり変えなきゃいけないよね」とか「メニューが多すぎるから、もうちょっと絞り込んでいこうよ」とか「それよりもお客の待ち時間を減らすことが優先なんじゃない?」とか「もっとお店の情報発信を強化しないと」いきなり議論から入ると、そもそも何が問題なのかという景色合わせがされていない中で、手段の話だけが飛び交うので、早く結論を出して動き出したいと思ったとしても、全然議論がまとまらないということはありますよね。
これは、議論がだめなのではなくて、議論の前にきちんと対話をして、問題の景色を合わせるということがされてないと、議論が手段の応酬になってしまったり、もしくはなんとか決定に至ったとしても、本質的な問題解決につながっていないということがあると思うんですね。
これは議論の否定ではなくて、いきなり議論するよりも、ちゃんと対話をして問題の景色合わせをしてから議論したほうが、仕事を効果的に進めるというイメージが持てるんじゃないかなと思います。

ということで、効果的に仕事を進めよう、トータルでの生産性を上げようと思うと、対話は欠かせなくて、すべてのコミュニケーションを対話にするというよりも、私たちが目指すのは、対話というカードを、例えば、情報伝達とか議論とか会話と並べて待って、必要な場面で対話のカードを切る
これが、効果的に仕事を進める上で欠かせないんじゃないかなと思います。
なので、325さん実践は、トータルでの生産性にきちんと寄与していると思いますよ。これをまずお伝えしたいなと思います。

対話を「小さく」使いこなす

その上で、「分かるけれども、でもやっぱり時間がかかるんだよな」このモヤモヤにどう対処していくか?ですけれども、私は、「小さく使いこなす
これだと思います。
今日はこの実践をみんなでつかんで、325さんと一緒に取り入れていきましょう。
とにかく対話というと、例えば、「30分対話しないと」とか「業務の手を止めて対話しないと」と思っちゃうんですけれども、発想が真逆です。
業務の中でガンガン使おうとか、その一言、そのワンフレーズを対話にするところから、小さく使いこなしていけますので、これを今日はみんなで持ち帰りたいと思います。

業務の中で使うそのワンフレーズを対話にするというのはどういうことかというと、あなたが発するその一言だけを対話に変えるだけで、対話を扱っていけるという、こういう発想ですね。
対話は、意味や背景をお互いに伝えて聴くことだとお伝えしたじゃないですか。
例えば、「なんでそう思ったの?」こういうフレーズを仕事の中でよく使うじゃないですか。誰かの意見が目の前にあった時に、その意見の背景を聴きたいと思って、「なんでそう思ったの?」と普通に聞くと思うんですけれども、これを対話的に変えると、「私はあなたが言ってることをちゃんと理解したいと思っているから、その意見の背景を教えてほしい」こんな感じの言い換えになるんですよね。
端的で簡潔なフレーズを、それを聞く意味、もしくはそれを言う意味が伝わるように、意味や背景を添えるというのが、対話的フレーズに言い換えるということかなと思います。
「理解したいと思ったから教えてほしい」とちゃんと言うことで、相手の勝手な推察を防いで、対話的コミュニケーションになる
あと例えば、「今日の夕飯は何がいい?」と言いながら、頭の中で「疲れているから、私としては買ってきたくって、あなたに賛成してほしいんだよね」そう思っての「今日の夕飯は何がいい?」であれば、その背景をちゃんと言葉にして伝える。
これがそのワンフレーズを対話的にする。こんなイメージですね。
本当にびっくりするほど、意外と意味や背景を伝えてないので、この一言を添えて伝えられるようになる。ここから変えていきましょう。

325さん、ありがとうございます。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクールスクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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