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フラットワウンド弦レビュー (ライトゲージ編)

こんにちは。

以前の記事でFender Custom Shop 1959 Precision Bass Journeyman Relicをご紹介しました。

本記事ではこのベースにこれまで張ってきたフラットワウンド弦をご紹介したいと思います。

私はここ数年フラットワウンド派です。余計な音が出ないシンプルな楽器でグルーヴを作って、バンドアンサンブルをよいものにするのは奥深い楽しさがあります。指先に熱量をかけてがっしりしたフラットワウンド弦を弾き、ロックンロールすることができたらもう最高なのです。

この記事を書くにあたって、「様々な媒体でプロミュージシャンの演奏付きのレビューがあるのに、アマチュアが感想を述べて何か意味があるのか?」ということを考えました。しかし、通販サイトのレビューを購入の参考にする人も多いでしょうし、その通販サイトのレビューも使用状況が様々なので、一本のベースに張った弦の比較として自分用の備忘も兼ねて書いてみることにしました。というわけで、レビューというより感想ですが、ご興味あればお付き合いください。

高額な楽器のネックを痛めるのが怖かったので、本ベースで試したのはほとんどライトゲージ(040-100前後)になります。レギュラーゲージ(045-105)は別のプレべで試してますので、これはまたいつかレビューできたらと思います。

このような形式でご紹介していきます。

ゲージ:1弦からのカタログ値。
傾向:いなたい ☆☆☆☆☆ モダン (5段階でどちらよりか。)
テンション:弱い ☆☆☆☆☆ 強い (5段階でどちらよりか。あくまでライトゲージとして)

レビューする弦はこちら。


ROTOSOUND SM77

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/889/

最初に張った弦はこちら。当時の私はフラットワウンドはテンションが強いという印象が強く、040-100という細めのゲージで比較的安価だったのでチョイス。

ゲージ:040、060、080、100
傾向:いなたい ☆☆★☆☆ モダン
テンション:弱い ☆☆★☆☆ 強い

フラットワウンド弦はステンレスが多いですが、モネルという合金を使用しているそうです。老舗ブランドですが、ちょっと変わっていますね。手触りはツルツルですが少し凹凸を感じます。テンション感はあまり強くないですが、弾き心地は弦の伸びが少なく固い感じがしました。出音もハイミッド寄りでちょっと固い印象です。これは045-105だとかなり印象が違ってきそうなので試してみたいですね。ピック弾きだとピックが弦の上をいい感じに滑るので弾きやすいです。

La Bella LTF-4A Low Tension Flexible Flats

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/257181/

新品購入直後のネックが動きやすい時期に冬を迎え、ROTOSOUND SM77ではネックが反り始めたので、ストックしてあったこれを張ってみました。

ゲージ:042、056、075、100
傾向:いなたい★☆☆☆☆ モダン
テンション:弱い★☆☆☆☆ 強い

手触りはツルツルでしなやかなLa Bellaっぽい感じです。テンション感が柔らかく、ロー、ローミッド寄りのとても温かみのある音です。サスティーンは結構あり、意外と色々なジャンルで使えると思います。タッチのコントロールで表情はつけやすいです。トラディショナルなフラットワウンド弦の無骨な質感を求めていると肩透かしを食らうと思います。逆に弦からのアプローチでメローで温かい音を出したければ、フラットワウンド未経験でもおすすめできます。

La Bella Deep Talkin’ Bass Flats 760FX + 760FL

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/257709/

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/174254/

定番のLa Bellaです。ネックの1弦側が反りやすいように感じたため、2セットの弦をニコイチしてゲージバランスを変えてみました。「なんと贅沢な!」と思うかもしれませんが、音質変化が少ないフラットワウンド弦は頻繁に交換しなくてもいいので、年単位で弦+1セットと考えるとそんなにお財布にダメージはありません。

ゲージ:039、056、082、104
傾向:いなたい☆★☆☆☆ モダン
テンション:弱い☆☆★☆☆ 強い

この弦がもっとも張っていた期間は長いです。パンチがあり弾むようなうねるサウンドとしなやかな弾き心地で、一番弾くのが楽しい弦でした。レンジは狭めで、ハイは張りたてから落ち着いています。プレべにフラットワウンド弦を張るならLa Bellaが一番わかりやすいキャラが出ると思います。ですが、無骨過ぎて鳴らすのが大変ということもないので色々なジャンルで使えます。このベースでは変則ゲージにしてしまいましたが、760FLの043-104というゲージはとても絶妙で、私の基本セットになっています。

Thomastik-Infeld JF344

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/132457/

ゲージ:043、056、070、100
傾向:いなたい☆☆☆★☆ モダン
テンション:弱い★☆☆☆☆ 強い

テンションがとても緩いので、トラスロッドを緩めて弱順反り+弦高高めのセッティングが良い感触でした。この弦は「魔法の弦」です。独特の押し出し感があり音抜けがとても良く、同時にバンドアンサンブルによく馴染みます。サスティーンはとてもよく伸びます。ローポジションでの支えからハイポジションでの華のあるプレイまで素晴らしい音です。指でもピックでもどちらでも。エクストリーム系を除けばほとんどのジャンルをカバーでき、特に歌モノでは最強の弦です。この弦を張って演奏すると必ずお客さんや共演者から音を褒められます。欠点はその裏返しで「TIの音になってしまう」かもしれません。寿命は他のフラットワウンド弦より短い気がします。特に1、2弦が気づいたらもっさりした音になっていたりします。フラットワウンド弦は高いので、弦交換時に取っておいてまた張ったりしますが、この弦はそれを繰り返すのも良くないかもしれません。

Jim Dunlop DBFS 40/100

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/251255/

ゲージ:040、060、080、100
傾向:いなたい☆☆☆☆★ モダン
テンション:弱い☆★☆☆☆ 強い

手触りはつるつるでコツっと固め、テンションは低めです。透明感のあるクリアなサウンドです。レンジが広くサスティーンがあり癖が少ないですが、ちょっと硬め、腰高な印象です。後で45-105が登場しますが、結構キャラが変わります。

Ernie Ball Flats Group III + Group IV

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/32607/

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/32605/

ゲージ:040、060、080、100
傾向:いなたい☆☆☆★☆ モダン
テンション:弱い☆☆★☆☆ 強い


手触りはJim Dunlopとよく似てつるつるでコツっとした感じですが、テンションはもう少し強めです。レンジは広めですが、ミドルに少し癖がありバキッとしたパワフルな出音です。ハイもしっかり出ます。フラットワウンド弦としてのキャラクターもしっかりと持っていますが、色々なジャンルに対応できそうな弦です。

Jim Dunlop DBFS 45/105

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/251253/

ゲージ:045、065、085、105
傾向:いなたい☆☆☆★☆ モダン
テンション:弱い☆☆★☆☆ 強い

045-105ですがテンションは低めで、Ernie Ballの040-100よりも低いかもしれません。ラウンドの045-105とあまり変わりません。040-100と比べるとクリアなサウンドキャラクターはそのままですが、音の重心が下がりハイ-ハイミッドがおとなしくなるので印象が結構違います。弾き心地と出音が肉厚になり、ずいぶんフラットワウンドらしさが増しますが、La BellaやDRの同ゲージよりは断然モダンです。使いどころの幅広さではTIの対抗馬にもなれそう。

番外編

別のベースで試したライトゲージ弦の感想も少し書いておきます。

D’Addario Chromes Bass Custom Light  (040-100)
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/207865/

定番弦メーカー。手触りはサテンっぽくさらさらです。レンジが広いですが、どしっとしたボトムがありながらブライトさもある、みたいなレンジが広いことによるポジティブな面があまり感じられず、かといってLa BellaやDRのようなゴツい音でもないのであまり好きになれませんでした。

Fender 9059L (045-100)
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/152405/

D’AddarioのOEMっぽく、手触りも似ているんですが、音が全然違うのは面白いです。レンジが広めでサスティーンもあるモダン系フラットとして、色々なジャンル、奏法に合う扱いやすい弦です。ラウンドからの移行もしやすいと思います。フラット弦としては安価で、歌モノのバックでしっとり演奏したいけどTIは高い、って人にもお勧めです。

まとめ

これまで張ってきた弦の中で、カスタムショップ1959 PBと最も相性が良かったのはLa BellaとTIだと感じます。それぞれキャラクターがしっかりしつつ、バンドでの実用性が非常に高い弦です。また、Jim Dunlop の2種類のゲージを弾き比べた感触から、フラットワウンド弦はレギュラーゲージ(045-105)であることに大きな意味があるのではと思い始めました。ネックも購入当初より安定してきた感があるので、色々なブランドをトライしていきたいですね。

弦選びは演奏者や楽器、共演者、ジャンル他との相性だと思いますので、感じ方もそれぞれかと思いますが、ご参考になれば何よりです。

それでは!

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