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日米首脳会談から見えるお金の話
2025年2月11日(火)。いにしえの神武天皇ゆかりの建国記念日。
先日行われた日米首脳会談。トランプ大統領と石破首相の初顔合わせということで注目が集まりました。
その後の共同記者会見では会談の主な内容が発表されました。
アメリカからは日米貿易赤字解消やUSスチール買収否定(買収ではなく投資)など、また日本からは100兆円をアメリカに対して投資するなど、両国間の今の関係をはっきり認識させてくれる、ある意味わかりやすい会談となったわけですが、日本ではそれほど話題になっていない、防衛費についてトランプ大統領から言及がありました。
大統領曰く、
Japan is committed to double its defence spending by 2027, compared to my first time...
「日本は防衛費を2027年までに、自分の大統領1期目に比べて倍増することを約束した...」
この後、その大統領1期目には親愛なるパートナーである安倍元首相と一緒に云々、という思い出話になるわけですが...
さて、防衛費倍増とは金額にするとどのくらいの規模になるのでしょうか。
現在の防衛費がGDP比1パーセントと言われています。これが倍のGDP比2パーセントになるということは、GDPを500兆円とすると、
5兆円⇒10兆円
になるということです。
さてこの10兆円、少なくとも増額分の5兆円をどうやって賄うのか、財源として何を見込んでいるのか。大変興味深いところですが、このあたりはすでに路線が決まっていて、はいそうです、増税です。
防衛費増額は増税で賄う、これが既定路線です。ただし、今現在の物価高を初めとする国民生活の苦しい現状の中で、増税議論はすべきでないということで、先送りされているだけです。
なお、ひとつだけ防衛予算に組み込まれることが決まっているものとして、東日本大震災復興特別所得税があります。
この復興特別所得税、従来の所得税に2.1パーセントを付加して課税する制度です。この2.1パーセントのうちの1パーセント、つまり所得税総額の1パーセントが新たに防衛予算の財源として組み込まれます(その代わりに本来の復興特別所得税は1パーセント減額されます)。
国の所得税収入がだいたい20兆円ほどなので、その1パーセントは2000億円です。
防衛費の増額分5兆円のうちの、たかだか2000億円。残りの4兆8000億円をどうやって予算確保するのか。
今後、どのような仕組みで巨額の防衛予算を成立させていくのか、引き続き注目していきたいと思います。