12人で音楽祭に向かい、生還したのは9人だけだった。
私は、モシャブ・キドロン出身のオメル・B・Dだ。NOVA音楽祭の惨劇を生き延びた者として、失った友人を偲んで証言をしたい。私の友人のうち3人は、この出来事の最中に殺された。私たちは12人のグループで音楽祭に向かったが、戻ってこれたのは9人だけだった。
朝6時、私はNOVA音楽祭の会場にいた。音楽祭のキャンプ場で30分ほど仮眠して、目を覚ましたところだった。日の出とともに踊る前に、エネルギーを充電するための休息が必要だったのだ。突然の悲鳴とロケットの音で目が覚めた。私は周囲を見回し、混乱した状況を理解しようとした。友人のシャロン・ゴルダニ(故)と私はすぐに立ち上がり、会場を囲んでいたフェンスから出口を探し始めた。シャロンはなんとかフェンスを引きずり下ろし、私たちは森の中へと駆け込んだ。後ろからは人々が避難しようと続々と追いかけてきた。直後、すぐ近くでロケットが爆発し、私たちは身を隠す場所を探さなければならなかった。
私たちは森の中に隠れ場所を見つけた。19歳だという他の2人も一緒に隠れた。ロケット弾が頭上を飛び交う中、私たちは身を寄せ合った。すぐそばでロケットが爆発したとき、シャロンと私は走って脱出することを決めた。近くの道路に向かって疾走しながら、一緒に音楽祭に参加していたもう一人の友人、ダニエル・Gに私たちの居場所を送り、迎えに来て家まで送ってもらうことにした。とにかく無事に家に帰りたかった。
なんとかダニエルと合流し、彼の車に乗り込んだ。一番近い交差点を左折した。そう遠くないところで、警察官がすべての車にUターンを指示している様子が見えた。この先に武器を持ったテロリストがいると、警察官は警告していた。私たちは引き返して、ちょうど通りかかった防空壕に避難した。この地域にミサイルが落ちることを知らせるサイレンが鳴り続けていたのだ。私たちはこの時点ではまだ、事態の危険性と何が起こっているのかを完全に把握できていなかった。テロリストは遠くにいると思い込んでいた。
私たちは何十人もの人でごった返す小さな防空壕に入った。私は防空壕の入り口に立っていたが、突然、テロリストが手榴弾を投げ込んできた。防空壕の中は完全にパニックになり、多くの人々が負傷した。防空壕の外には警察官がいたが、何人かの市民と一緒に殺された。私は、投げ込まれた手榴弾による強力な爆発を2回感じ、衝撃波を体中に受けた。防空壕は、手榴弾が爆発したことによる悲鳴、血、切断された手足で埋め尽くされた。
私は、いとこのアディと電話で話した。彼女は音楽祭に到着する15分前にテロのニュースを聞いて引き返していた。彼女と彼女の母親(私の叔母)と話したが、彼女たちは私が幻覚を見ていると思い、現実に起きているとは信じていないようだった。
叔母が「友だちを連れて逃げなさい」と言ったので、私はダニエルとシャロンを呼んだ。しかし、シャロンがいなかった。私たちは大声で叫んで彼を探した。防空壕の中は完全にカオスの光景で、多くの人がすでに命を落としていた。私たちは超現実的な恐怖の中、死体やぐちゃぐちゃになった手足の中から、シャロンを見つけようと必死だった。私たちは、このままシャロンを探し続けるか、自分たちだけ命懸けで逃げるかという超現実的なジレンマに直面した。
防空壕の入り口で、私は近くの車の横に水の入ったボトルを見つけた。手榴弾の爆発で埃まみれになった私たちの顔を洗おうと、それを手に取った。その時、ダニエルが左半身に大怪我をしていることに気づいた。私たちは即断で防空壕を飛び出し、体を折り曲げてダニエルの車に向かって走った。
私たちは車に乗り込み、道路から90度の角度で畑に切り込んで走り去った。車を走らせると、両側からテロリストが追いかけてきた。私たちは道路を外れて荒野に入り、なんとかキブツ・ジムラット地区にたどり着いた。そこで警察官に事態を報告した。彼は次々と尋ねてきた。「 何があったのか?なぜ彼(ダニエル)は負傷しているのか?テロリストはどこにいるのか?」と。
そこからさらに、私たちは荒野を走り抜け、キブツ・サアドに向かった。どうにか裏門にたどり着くと、キブツの救急隊員2人が門を開けてくれた。車は置き去りにし、連れて行かれたキブツの正門には負傷した大勢の人たちがいた。ロケットのサイレンが鳴り止まない中、どうにか私たちをベイト・シャクマという看護センターに案内してくれた。そこではアビシャイという名の天使が負傷者全員の手当てをしてくれた。その頃、頭上からイスラエル空軍のヘリコプターの音が聞こえた。
私たちはそこで何時間も待った。負傷者の緊急避難を支援するための装甲車もいたが、外には脱出できないと言われた。テロリストの一団がキブツの正門に手榴弾を投げ込み、そこにいた数人の警官が殺されたということだった。
長い間(約12時間)待たされた後、ゲートが開き、私たちは他の車(私とダニエル、そして両足に2発の銃弾を受けたノアムという男)と一緒に、車で家に帰った。
私たちは、自力で運転して家に帰った。避難することもなく、軍隊も警察の保護もなく。ダニエルは左半身を負傷し、全身に10個の榴散弾、目の下に榴散弾、足首の近くに銃弾を受けていた。ノアムは足に2発の銃弾を受け、私たちと一緒に帰宅した。二人とも大怪我を身に負ったが、一緒に家に帰ることができた。私は幸いにも無傷だった。
私は悲しみを表し、殺された友人たちを追悼したい。
シャロン・ゴルダニ
イダン・ハーマン
イーデン・ナフタリ(イーダンのガールフレンド)
ユヴァル・ハリブニ(軍の予備隊員)
安らかに眠れ。
オメル・B・D